こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本宗明です。参院議員選挙は民主党が思った以上の大敗を喫しましたが、今のところ内閣改造は9月の民主党代表選挙後に行われるということで、2011年度予算の概算要求に向けた作業が粛々と進められています。科学・技術重要施策アクションプランの最終案も参院選前にまとまっており、参院選のライフサイエンス政策への影響は限定的なものとなりそうです。
 その民主党政権が6月に閣議決定した新成長戦略の中に、「2020年までに農山漁村に6兆円規模の新産業を創出」という目標があるのをご存知でしょうか。新成長戦略は、グリーンイノベーションによる環境・エネルギー大国戦略(2020年までに50兆円超の環境関連市場と140万人の新規雇用創出)と、ライフイノベーションによる健康大国戦略(2020年までに59兆円の医療市場、19兆円の介護市場と201万人の新規雇用、25兆円の健康関連サービス産業と80万人の新規雇用創出)の2分野が注目されていますが、それとは別に農山漁村での新産業創出という目標もあるのです。
 新成長戦略で描かれているのは、第一次産業である農林水産資源を、第二次産業、第三次産業と融合させながら、地域に根ざした新産業を創出するという戦略で、「6次産業化による産業規模の拡大」とまとめられています。
 確かに、地方の活性化は日本経済にとって大きな課題です。一方で日本は、南北に長い島国であるという国土を生かし、非常にさまざまな農林水産資源にアクセスできるという利点を有しています。地方経済活性化のためには、特有の農林水産資源を生かした産業を創出するというのは1つの解かもしれません。
 ただ、農山漁村というと日本に数多くあるわけで、そのすべてをハッピーにしようとすると単なるばら撒きになりかねません。また、農林水産資源の有効利用を考えていく中では、いつまでも遺伝子組み換え技術をタブー視していていいとも思いません。国民、政治家を交えて、そのメリット、デメリットについて正しく議論していくべきだと思います。いずれにせよ、6兆円規模の新産業創出はそう簡単な話ではないと思いますが、地方活性化のために必要な施策を期待します。
 話は変わりますが、日経バイオテクの2010年7月19日号を校了しました。
 今号の特集はスーパーコンピューターを使ったバイオ研究を取り上げました。内閣府特命担当大臣の蓮舫さんは「一番じゃなきゃだめですか」と言っていましたが、理化学研究所が導入するスーパーコンピューター「京」の能力は圧倒的です。これを使えばシミュレーションやたんぱく質の構造計算など、バイオ研究を加速化させることにつながりそうです。また、一番じゃないスーパーコンピューターも国内には幾つもありますが、大学ではそれを公開して、企業やベンチャーなどが利用する環境も整いつつあります。
 企業研究の欄では、富士バイオメディックスやテムリックから前臨床、臨床の医薬品開発受託機関(CRO)事業と治験施設支援機関(SMO)事業を買収したスギホールディングス傘下のスギメディカルを取り上げました。スギホールディングスは調剤薬局のスギ薬局を展開する企業ですが、その子会社のスギメディカルがなぜCROやSMOを買収したのか、戦略を描きました。
 このほか、今号も日経バイオテク・オンラインで報じた中から主要なニュースを掲載しています。日経バイオテクをご購読いただいている方はお楽しみに。ご購読いただいていない方は、この機会に購読を検討してください。よろしくお願いします。
 本日はこのあたりで失礼します。
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注目研究領域のうち、日本が参戦できているのはわずか4割
文部科学省の科学技術政策研究所が「サイエンスマップ2008」で解析
「BTJジャーナル」2010年6月号に掲載
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 BTJジャーナル2010年6月号を先月末(6月25日)に発行・公開しました。
 “赤”コーナー「キャリア」は、文部科学省の科学技術政策研究所が発表した「サイエンスマップ2008」を取り上げました。論文データベースを分析して、世界で注目されている研究領域の動向を調べており、研究動向のダイミズムを浮き彫りにしています。2年毎に更新されるこの調査は今回が4回目。以下のBTJ/日経バイオテク・オンラインの記事をもとに編集しました。BTJジャーナルの記事は、PDFファイルをダウンロードすると全文をご覧いただけます。お楽しみください。
BTJジャーナル2010年6月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1006
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの「サイエンスマップ」関連記事
「世界の注目研究領域647のうち、日本の参戦はわずか4割」、文科省NISTEPが「サイエンスマップ2008」で解析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1945/
文科省NISTEPが「サイエンスマップ2008」を発表、論文データベースから注目される研究領域を分析、生命科学系の比率は低下傾向
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1442/
■なお、上記の「BTJ/日経バイオテク・オンライン」の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
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 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
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 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年6月号(第54号)のコンテンツを目次で紹介します。
●CONTENTS
科学技術白書 論文解析
日本栄養・食糧学会
サイエンスマップ2008
P.2 アカデミア・トピックス
「科学技術白書」で初めて論文解析を解説
P.4 リポート
徳島で日本栄養・食糧学会
アジアとの連携進める
P.12 キャリア
「サイエンスマップ2008」
P.14 BTJアカデミック・ランキング
「エピゲノムの新組織」がトップ
P.15 メルマガ「GreenInnovation」
水産バイオに賭ける函館市
P.16 奥付け