毎月第1金曜日と第3金曜日、それからたまにある第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 来週月曜日と火曜日は、宮城県松島で開催される日本分子生物学会春季シンポジウムを取材する予定です。魅力的なプログラムを、東北大学教授の大隅典子さんらが準備なさっていて、とても楽しみにしております。
 ここ2週間で学会関連では、先週の金曜日(2010年5月27日)と土曜日(5月28日)に米子市で開かれた日本エピジェネティクス研究会第4回年会、先々週の金曜日(5月21日)から日曜日(5月23日)に徳島市で開かれた日本栄養・食糧学会第64回大会を取材しました。
 さて、このエピジェネティクス研究会ではもちろんのこと、栄養・食糧学会でも、エピジェネティクスのヒストン修飾関連のホットトピックスが注目を集めていました。
 栄養・食糧学会の教育講演からは「ヒストンコードが第2の遺伝暗号」に関する記事を報道しましたが、この「ヒストンコード」が、「世界基準の生物学教科書!」という触れ込みの講談社ブルーバックス「アメリカ版 大学生物学の教科書」に掲載されていることを、たまたま知りました。
 米国の生物学の教科書「LIFE」の8th editionから抽出した分野を翻訳したとのことで、第2巻「分子遺伝学」は、この5月20日に発行になったばかりです。
 エピジェネティクス研究会では、ヒストンたんぱく質の修飾に関与するとして見つかった酵素が、ヒストン以外のたんぱく質にも重要な働きかけをしていることが分かってきたことが発表されるなど、新たな発見が相次いでいるようです。エピジェネティクスはいま最もおもしろい分野なのでは、と思っています。、
 まだ書きかけの記事もいくつもあるのですが、まずは、現在までに報道した記事のリストを、【補足・解説】付きで、紹介させていただきます。学会関連の話題のほか、研究業績の評価に直結する論文や特許の評価に関する新たな発表も、重点的に取材していて、今回もいくつか報道しました。
 以下にここ2週間の16本の報道記事について、簡単な【補足・解説】をつけてみます。
※ここ2週間に報道したBTJ/日経バイオテク・オンラインの担当記事
【2010-06-02】
日本エピジェネティクス研究会第4回年会、年会長受賞者は阪大、筑波大、京大の研究者
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1510/
【新たな生命現象の解明につながる成果とともに、新しい分析技術を開発した注目発表も相次ぎました】
熊本大中尾光善教授ら、ヒストン脱メチル化酵素LSD1の阻害でミトコンドリア機能向上、2010年初に国際特許出願
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1475/
【中尾教授は来年5月に日本エピジェネティクス研究会の第5回年会を主催なさいます。テーマは「エピジェネティクス アカデミック交差点」】
【2010-06-01】
パテント・リザルトの「特許資産の規模ランキング」、技術分類別の「突然変異または遺伝子工学」は九大が頭抜けた資産
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1468/
【九州大学の強さが目立ちました】
パテント・リザルトの「特許資産の規模ランキング」、大学・TLOトップ20では広大、九大、東大に加え豊橋技術科学大学、群馬大学も躍進
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1465/
【大学では論文に加え、知財戦略の重要性も増しています】
文科省NISTEPが「サイエンスマップ2008」を発表、論文データベースから注目される研究領域を分析、生命科学系の比率は低下傾向
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1442/
【この世界の動向は米NIHの動向を強く反映しているようです】
【2010-05-31】
09年度大学・研究機関の特許資産の規模ランキングをパテント・リザルトが発表、評価の基準を出願人から権利者に変更、広島大学が7位に急浮上
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1435/
【広大のバイオ関連では「がん細胞の増殖を抑制する方法」に関する技術の特許が高い評点を得ました】
【2010-05-29】
環境エピゲノミクス研究会、第3回定例会を2010年7月9日に東京で開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1405/
【新たな懸念は、分析技術の進展で必然的に新たな発見が相次ぎますが、それをどのように社会に還元していくかが課題といえそうです】
米子市で開催の日本エピジェネティクス研究会第4回年会に300人、来年は熊本で「アカデミック交差点」、再来年は東京で開催、新たな代表幹事に佐々木裕之・九大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1404/
【若い研究者の方々が活発に議論していたのがとても印象に残りました】
【2010-05-28】
ブロックバスターEPA・DHA製剤は血圧降下や脂質代謝改善の効果がEPA製剤に勝る、島根大医が武田薬品との動物実験成果を学会発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1395/
【年商10億ドルを超えるブロックバスターの医薬品といえども、どのようなメカニズムでその効果が得られるかの解明は、研究途上にある部分も少なくないのです】
【2010-05-27】
米Thomson Reuters社、論文のオンライン投稿・査読システム「ScholarOne Manuscripts」日本語版の提供を開始、第1号ユーザーは消化器外科学会の和文誌
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1354/
【日本語版サービスをかなり優先して提供しています】
【2010-05-26】
「世界レベルの糖尿病拠点」目指す徳島クラスター、医療観光で上海にも徳島の魅力をPR
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1318/
【メディカルツーリングは日本の良質な観光資源といえそうです】
【2010-05-25】
県立広島大と果実連、ポッカの共同研究チーム、レモン摂取は血圧や中性脂肪、尿酸を下げる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1292/
【国産レモンの7割が広島産と今回、知りました。サクランボは山形産が7割というのは知ってましたが】
【2010-05-24】
「ヒストンコード仮説は第2の遺伝暗号、一番重要なのはヒストンのメチル化」、加藤茂明・東大分生研教授が栄養・食糧学会で教育講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1270/
【ヒストンのメチル化は、部位によって真逆の働きになるのです】
【2010-05-23】
ハウス、女子栄養大学と共同開発した「葉酸米」を学会で初展示
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1239/
【葉酸をはじめビタミンB群は、メチル基の供与という重要な働きがあります】
食品機能学の阿部啓子・東大特任教授ら3人が皇居でご進講へ、荒井綜一・東農大客員教授が栄養・食糧学会の特別講演で紹介
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1238/
【食品機能学は皇室もご関心をお持ちなようです】
【2010-05-21】
日本栄養・食糧学会の第64回大会が徳島で開幕、第65回大会は来年5月にお茶大で開催、「医師の比率を増やしていきたい」と次大会会頭の近藤和雄教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/1228/
【今回の徳島大学は医学的視点から見てもレベルの高いシンポジウムが多かったような気がします】
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 最後に先月末に発行・公開したBTJジャーナル2010年5月号の内容を、目次にて紹介します。
※2010年5月号(第53号)のコンテンツを目次で紹介します。
●CONTENTS
沖縄大学院大学・OISTの深層
26学会41万人の知の連山
春の紫綬褒章
超ミクロの動画撮影
P.2 アカデミア・トピックス
沖縄科学技術大学院大学・OISTの深層
P.7 リポート
会員数41万人の26学会が会長声明、「知の連山」が必要
P.13 キャリア
春の紫綬褒章はバイオ関連5人
P.14 BTJアカデミック・ランキング
「日本の論文数は激減」がトップ
P.15 メルマガ「GreenInnovation」
超ミクロの動画撮影
P.16 奥付け