こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 先般、スウェーデン大使館で開催されたBio-Nanoテクノロジーのセミナーを取材しました。まず、スウェーデン投資庁の方がスウェーデンのバイオ産業やクラスターなどのインフラのアウトラインを紹介した後、Karolinska Institute、Lund University、Gothenburg University、Linkoping Universityの教授が登壇し、各施設がどういう特徴ある研究を行っているのか、などについて講演を行いました。Karolinska Instituteはノーベル賞の医学生理学賞の選考委員会がある機関として著名ですが、ストックホルムとウプサラエリアからなるライフサイエンスクラスターの中核的な施設で、トランスレーショナルリサーチに強みを持つことを知りました。Gothenburg University はインプラントの世界有数の研究拠点であり、幹細胞研究との統合による発展が期待されます。Linkoping Universityはバイオマテリアルに強い大学で、May Griffith教授はコラーゲンと幹細胞を用いた角膜再生医療について講演していました。Lund UniversityのAlex Evilevitch教授は、ウイルスがDNAやRNAを宿主細胞に放出するメカニズムを標的とする新しい抗ウイルス戦略を紹介していました。
 スウェーデンは人口1000万人足らずの国ですが、ライフサイエンス研究の層の厚さと、基礎研究を臨床応用に持っていこうという意識の高さを痛感しました。Scientific American誌の「イノベーションキャパシティスコア」でスウェーデンは4位に選ばれたということで、投資庁の方は、インターナショナルであること、産業と大学と医療機関が近いこと、教育水準が高いことなどを強みに挙げていました。この講演会に参加して痛感したのは、スウェーデンの政府と大学が産学官連携の誘致活動をグローバルに展開していることです。
 5月初めに米シカゴで開催された2010 BIO International Conventionでも、ジョージア州やメリーランド州、ケンタッキー州といった米国の各州政府に加えて、スペイン、フランス、インド、マレーシア、台湾などの政府関連機関が企業の売り込みとバイオ産業の誘致に力を入れていました。
 BIOではドイツのBerlin Partnerという政府系機関のマネージングディレクターであるRene Gurka氏にインタビューする機会がありました。ベルリン市もバイオ産業の誘致に力を入れています。Gurka氏によると、「3箇所のバイオパークを設けて、この2、3年の間にバイオテクとメディカルデバイス企業の集積を進めてきた」とのことで、Bayer HealthCare社やPfizer社はその欧州拠点をベルリンに置き、欧州においては英ケンブリッジとオックスフォードに次ぐ第三のバイオ産業の拠点になったということです。
 「大学や医療機関が多く、共同研究には適した環境だ。教育水準が高く、2、3カ国語を話す人がざらにいる一方、首都にしては人件費も地価も安い。企業の目は新興国に向いているようだが、ベルリンも投資対象として十分に魅力がある」とGurka氏は話していました。
 このように、海外の国や地域がバイオ産業の誘致に力を入れているのを見るに付け、日本政府も海外企業の誘致に取り組むことが出来ないものかと考えてしまいます。人件費や地価、税金などさまざまなコストが高い上、言語にも壁があるといわれていますが、何とか課題をクリアして、バイオ産業誘致に本格的に取り組んでもらいたいと、ライフイノベーションとグリーンイノベーションによる雇用創出を掲げる鳩山政権に要望したいところです。
 取材があるので本日はこの辺で。6月に2つのセミナーを開催します。皆様のお越しをお待ちしています。
「次世代シーケンサー」セミナー、6月11日開催決定!
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010042772948
「分子標的薬」セミナー、6月16日開催決定!
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010042772949
 それから、日経バイオテク編集部でツイッターを設定しました。ゆるゆるとつぶ
やいていますのでよろしければご覧ください。
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                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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日本の研究機関の世界ランキングを
「BTJジャーナル」2010年4月号に掲載hインデックスの補完競争も
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 BTJジャーナル2010年4月号を先月末に発行・公開しました。“青”コーナーのリポートでは、日本の研究機関の世界ランキングの話題を取り上げました。ぜひご覧ください。
BTJジャーナル2010年4月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1004
 研究業績を客観的に評価する数値指標として、論文の被引用数が利用されています。この被引用数のデータベースは、米Thomson Reuters社とオランダElsevier社が提供しているものが有名です。
 Thomson社は恒例の日本の研究機関の世界ランキングを2010年4月13日に発表しました。これに先立ち3月23日には世界の“Hottest”研究者を発表しました。
 Elsevier社は3月末の日本農芸化学会でランチョンを開催し、hインデックスを補完する指標についても解説しました。
 この記事は、以下の3本の日経バイオテク・オンラインの記事をもとに編集しました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
Thomson Reuters社が日本の研究機関ランキングを発表、免疫学と薬理・毒物学で新たに日本機関が世界トップ5入り
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/0208/
“Hottest”リサーチャーをThomson Reuters社が発表、日本勢は審良静男・阪大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9741/
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 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
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 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年4月号(第52号)のコンテンツを目次で紹介します。
●CONTENTS
国立大学法人の評価
研究機関ランキング
学会とトピックス
文部科学大臣表彰
P.2 アカデミア・トピックス
国立大学法人の評価が発の数値化
1位は奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)
P.5 リポート
日本の研究機関の世界ランキング
進化するhインデックス
P.9 キャリア
春3学会のトピックス比較
P.10 キャリア
文部科学大臣の科学技術表彰
P.12 BTJアカデミック・ランキング
国立がん研究センターが閲読トップ
P.13 メルマガ「GreenInnovation」
バイオリファイナリー
P.14 奥付け