こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 本日は幾つかお知らせがあります。まずはセミナーのお知らせです。6月11日に次世代シーケンサー、6月16日に分子標的薬のセミナーを開催します。
 シーケンサーのセミナーの内容については、月曜日のこのメールで紹介させていただいたので、本日は分子標的薬のセミナーについて紹介します。今回のテーマは主にがんの分子標的薬の探索研究に関する話題です。多くの製薬企業が開発を進めているキナーゼ阻害薬をはじめとする分子標的薬の創製技術や基礎研究の動向、実際の開発事例などについて、実際に分子標的薬の研究にかかわっている方々を講師として迎えてレクチャーを行っていただく予定です。医薬品の研究開発にかかわっている方はぜひご参加を検討願います
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/100616/index.html
 シーケンサーのセミナーはこちらです。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/100611/index.html
 次は日経バイオテク・オンラインのニュースの話題です。抗体医薬の抗腫瘍活性を格段に高めて、より少量で効果的な抗体医薬を開発する技術として注目されている技術に、協和発酵キリンのポテリジェント技術があります。これまでに協和発酵キリンの子会社のBioWa社からこの技術のライセンスを受けた製薬企業は14社。その顔ぶれは、米Genentech社、武田薬品工業、英GSK社、英MedImmune社、スイスNovartis社、フランスsanofi-aventis社、大塚製薬といった具合で、抗体医薬の研究開発を手掛ける大手製薬企業の大半が契約している状況です。抗体医薬のグローバルスタンダードとしての地位を確立した技術といってもよさそうです。
 ところが、このポテリジェント技術の日本での基本特許が09年に非常に脆弱な形で登録されていたことが分かりました。協和発酵キリンは2つの特許を分割出願しているので最終的にどうなるかは今後を見守る必要がありますが、ポテリジェント技術は盤石と思っていたのでちょっとびっくりしました。抗体医薬の研究開発にかかわっている方には重要なトピックだと思います。ぜひ、日経バイオテク・オンラインでお読みください。
協和発酵キリンの抗体医薬のグローバルスタンダード技術であるポテリジェント技術の前途に不安
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/0477/
 ちなみに、「日経バイオテク・オンラインを読むにはどうすればいいのか」という質問を受けますが、日経バイオテク本誌をご購読いただいていれば、IDを1つお出ししています。ID、パスワードが不明の方は、読者番号(日経バイオテクの封筒の宛名ラベルに記載されている510から始まる10桁の数字です)をご用意いただいた上で、弊社読者サービスセンター(電話番号03-5696-1111、祝祭日を除く月~金 9:00~17:00)にお問い合わせください。
 さて、話は変わりますが、この間の日曜日、化学技術戦略推進機構主催の講演会を取材してきました。講演者は両角昌清さんという方です。米オハイオ州シンシナティ市にあるShriners Hospitals for Childrenで人工多能性幹(iPS)細胞を分化誘導する研究をされていると紹介されて取材に行ったのですが、非常に面白い方でした。
 元々は天文物理を専門とされていて、1959年に日本人として初めて南極点に到達したとのことです。「僕は初めてが好きなんです」と言われていましたが、その結果、南極大陸のある山脈には両角さんから名前を取って「Morozumi Range」と命名されたそうです。その後、東京大学で理学博士を取得した後、米General Electric社でジェットエンジンの設計、販売にかかわって、副社長補佐として3000億円以上のジェットエンジンを販売。独立してジェットエンジンの開発のほか、医療機器の販売、レトルト食品の開発・販売、エンターテインメントのビジネスなどを手掛けた後、再生医療の研究に興味を持ったということです。
 現在、Shriners病院で研究されているのは、京都大学の山中伸也教授が作製したiPS細胞を目的の組織に分化・誘導する研究で、既に心筋や皮膚の角化細胞(ケラチノサイト)、線維芽細胞(ファイブロブラスト)、血管などに分化させることに成功しているとのことです。現在取り組んでいるのは、Acellular Dermal Matrixというヒトの皮膚由来の足場を用いて、毛根や汗腺、神経などを有する「リアルスキン」を再現することだと言います。
 その研究内容もさることながら、面白いと思ったのはこれだけユニークな経歴を持たれている方がライフサイエンスに興味を持って真剣に取り組まれていることです。「(さまざまな専門分野の)複線の経験を持つ人が必要」「米国から見ると日本人はみんな同じに見える。考え方も似通っているのは不思議だ」と言われる両角さんにしてみれば、これまでの経歴とは全く関係のないライフサイエンスの研究分野に飛び込んだのも別に不自然なことではないのかもしれません。
 ちなみに講演会に行く前に、どんな研究をされているのか調べておこうと思ってインターネットで「Morozumi Masakiyo」で検索すると、「famous Japanese Worrier」として歌川国芳という人が書いた浮世絵がたくさん出てきました。そのことを両角さんに聞くと、「彼は武田信玄の家来で、私の15代前の先祖に当たる。私のことなら、ヘンリー両角として検索してください」ということでした。ともあれ、こんなユニークな人が興味を持つライフサイエンス分野の研究は、それなりに魅力があるのだと再認識した次第です。
 日経バイオテク・オンラインの記事全文をお読みいただくには、日経バイオテク本誌の読者になっていただく必要があります。日経バイオテク本誌のお申し込みは、以下からお願いします。
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                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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国立大学法人の評価が初の数値化
86大学トップの奈良先端大(NAIST)学長のメッセージも掲載
「BTJジャーナル」2010年4月号に掲載
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 先週末に、BTJジャーナル2010年4月号を発行・公開しました。巻頭の“緑”コーナー「アカデミア・トピックス」は、国立大学法人の評価が初めて数値化された話題を特集しました。
 文部科学省がこの数値を2010年度の運営費交付金の配分に反映しました。その金額は交付金全体の0.06%に過ぎませんが、数値化により大学間の比較・ランキング化が容易になり、メディアでも大きく取り上げられました。
 改めて評価する仕組みのあり方が問われています。評価がトップになった奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の磯貝彰学長のメッセージも紹介しています。
BTJジャーナル2010年4月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1004
 BTJジャーナルは、バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジンです。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの「国立大学法人の評価初の数値化」の関連記事
「罰則的に見える運営費交付金への反映は、いい影響は与えない」、トップ評価の奈良先端大の「学長通信」が話題に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/0440/
数値化された国立大学法人の実績総合評価、2010年度運営費交付金の減額・増額のランキング掲載
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9796/
国立大学法人の実績総合評価が初の数値化、文科省が2010年度運営費交付金の配分に反映
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9795/
■上記の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、
全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年4月号(第52号)のコンテンツを目次で紹介します。
●CONTENTS
国立大学法人の評価
研究機関ランキング
学会とトピックス
文部科学大臣表彰
P.2 アカデミア・トピックス
国立大学法人の評価が発の数値化
1位は奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)
P.5 リポート
日本の研究機関の世界ランキング
進化するhインデックス
P.9 キャリア
春3学会のトピックス比較
P.10 キャリア
文部科学大臣の科学技術表彰
P.12 BTJアカデミック・ランキング
国立がん研究センターが閲読トップ
P.13 メルマガ「GreenInnovation」
バイオリファイナリー
P.14 奥付け