こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 まずはお詫びです。先週のメールで、抗インフルエンザウイルス薬のことを書く中で、「ノイラミニターゼ阻害薬」と書いてしまいましたが、「ノイラミニダーゼ阻害薬」の間違いでした。ウイルス表面にあるたんぱく質のノイラミニダーゼは、シアル酸を切断する酵素ですが、思い込みで「ノイラミニターゼ」と繰り返し表記してしまいました。失礼いたしました。
 先週金曜に、富士通研究所の記者説明会に取材に行きました。詳細は下記の記事をご覧いただきたいですが、DNAの物理的特性を利用して標的たんぱく質と抗体との結合を検出しようというコンセプトの技術です。検出したいたんぱく質の種類に応じてDNAの塩基数などを最適化するような検討が今後必要と思われましたが、コンセプトはユニークで、興味深い技術だと思いました。
富士通研究所、新規バイオセンサー技術を発表、DNAを用いて液相中のたんぱく質を迅速、高精度に検出
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/0299/
 IT(情報技術)やエレクトロニクス系の企業がバイオに参入するのにはソニーの例もあります。今年2月に米iCyt Mission Technology社を自社の米国法人Sony Corporation of America(SCA)社を通じて買収し、ライフサイエンス分野でフローサイトメトリー事業に参入することを発表しました。
ソニー、フローサイトメーターのベンチャー企業を買収
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8816/
 3月後半に東京女子医科大学で開催された学会で、たまたまソニーの方の発表を聞く機会がありました。ソニーはDNAや細胞などの生体分子/組織の解析技術がコモンツールになることを視野に入れて、バイオ関連の研究開発を手掛けているようにお見受けしました。
 日経バイオテク4月26日号には富士フイルムの戸田雄三取締役常務執行役員・ライフサイエンス事業部長へのキーパーソンインタビューを掲載しました。その中で、戸田事業部長が言っていたのは、富士フイルムの技術的強みを生かして、医薬品業界で一定のポジションを占めていくということです。いずれにせよ、化学・精密企業の代表格である富士フイルムが医薬・バイオ分野に照準を合わせていることは確かです。下はインタビューの元になった医薬品販売への進出を紹介した記事です。
富士フイルム、医薬品開発・販売会社を新設、1兆円ビジネスの実現へ基盤整備、バイオ医薬にも注力か
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8615/
 また先般、広島で開催された日本再生医療学会でも、電機メーカーや半導体メーカーなど、バイオ分野への参入を検討しておられる方に何人かお会いしました。同学会関連では、以下の記事を配信したのでご覧ください。
京大山中教授、FIRSTプログラムでiPS細胞バンクの構築目指す、iPS細胞研究所の10年間の達成目標も日本再生医療学会で提示
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9711/
日本再生医療学会、再生医療の要望を発表、骨・関節疾患の自家細胞移植では下部委員会が大幅な規制改革を提言
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9712/
 ベンチャーキャピタルの間では相変わらずバイオへの投資を敬遠する雰囲気がありますが、大企業の動きを見ていると、バイオ分野への参入の動きをむしろ加速しているような印象さえあります。多くの企業がバイオ分野を将来の成長産業とにらんでいるのは確かでしょう。日経バイオテク・オンラインでは、今後もこうした新規参入の動きを事細かにとらえて、報道していきたいと考えています。
 外部から見ると専門性が高くてなかなか取り付きにくいバイオの世界ですが、新規参入してきた企業にとっても親しみを持てるよう、さまざまな努力をしていきたいと思います。面白い話題があればフットワークよく取材に伺いますので、どうぞよろしくお願いします。
 日経バイオテク・オンラインの記事全文をお読みいただくには、日経バイオテク本誌の読者になっていただく必要があります。日経バイオテク本誌のお申し込みは、以下からお願いします。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/index.html
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
 
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
 
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構造生物学の成果発表が今春学会で目立つ
「日本の施設が育てたノーベル化学賞」も納得
「BTJジャーナル」2010年3月号に掲載
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 この春の学会はどこも、特定の分子の作用メカニズムを解明する手掛かりとして、構造生物学の成果の発表が目立ちました。
 先月末に発行・公開した「BTJジャーナル」2010年3月号では、“赤”コーナー「キャリア」は、ノーベル賞と事業仕分けを取り上げました。
 リボソームの結晶構造解析で2009年ノーベル化学賞を受賞したイスラエルのYonath 博士がこの3月に日本で相次ぎ講演などをした模様をまとめました。
 Yonath博士の研究に対する日本の大型放射光施設の貢献は大きく、「ある意味、日本の施設が育てたノーベル化学賞」という見方もできます。
 09年11月の事業仕分けをきっかけに、大型放射光施設と関連するアカデミアは、国民や納税者への告知強化に務めています。
 BTJジャーナルは、バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジンです。
 ノーベル賞と事業仕分けの記事は、2010年3月号P.9~11掲載の記事をご覧ください。
BTJジャーナル2010年3月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1003
※BTJ/日経バイオテク・オンラインのハンガリー現地リポート関連記事
「事業仕分け対策にブルーバックスを刊行」と、ノーベル化学賞記念シンポジウムで尾嶋正治・日本放射光学会会長/東大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9343/
「ある意味、日本の施設が育てたノーベル化学賞」、リボソーム構造解析のYonath 教授が日本で相次ぎ講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9399/
09年ノーベル化学賞のYonath教授に特別栄誉教授の称号、3月9日に高エネルギー加速器研究機構が授与
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9404/
09年ノーベル化学賞のRamakrishnan博士が第10回日本蛋白質科学会年会で講演、6月に札幌で開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9450/
■上記の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、
全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年3月号(第51号)のコンテンツを目次で紹介します。
●CONTENTS
最先端研究開発支援プログラム
ハンガリー現地リポート
ノーベル賞と事業仕分け
P.2 アカデミア・トピックス
最先端支援プログラムの
配分額は16億~50億円
P.5 リポート
ハンガリーのバイオ
投資呼び込みに人脈生かす
P.9 キャリア
2009年ノーベル化学賞と
大型放射光施設の事業仕分け
P.12 BTJアカデミック・ランキング
FIRSTプログラムが閲読トップ
P.13 専門情報サイト「FoodScience」
スコアNo.1の記事の意味