暖かくなったり、寒くなったり、ジェットコースターのような気候が続いています。先週の月曜日には、京都で開催された日本感染症学会総会の取材をしていました。翌日が日経バイオテク4月12日号の校了日だったので、月曜1日だけしか取材できなかったのですが、ちょうど桜が満開の京都で充実した1日を過ごすことができました。
 感染症学会総会で注目したのは、今回の新型インフルエンザの流行と対策に対して、専門家の先生方がどのように総括するのかということです。新型インフルエンザ対策の総括については厚生労働省でも「総括会議」を開催しています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/info_local.html#section04
 国が、行政の立場から検証する作業は、それはそれで興味深いですが、米疾病予防管理センター(CDC)のインフルエンザ部門のTimothy M. Uyeki博士による講演、国内の専門家を交えた特別シンポジウムがあるなど、感染症学会総会の議論も非常に興味深かったです。詳細な内容は、日経バイオテク・オンラインで記事にしたので、そちらをご覧ください。
「日本の新型インフルエンザ死亡率は低過ぎて信用されないぐらい」とけいゆう病院の菅谷部長、ノイラミニターゼ阻害薬の早期治療効果と考察
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/0210/
 簡単に言うと、米国では25歳以上64歳までの壮年層の死亡が多かったのに対して、日本では壮年の死亡がダントツに少なかった。その背景には48時間以内のノイラミニターゼ阻害薬の使用を徹底したからと考えられるようでした。
 新型インフルエンザ対策としては、発熱外来などの医療機関の体制や、広報体制のあり方なども議論になっていますが、今後を考えると、次に何が、いつやってくるのか、という点が興味深いところです。今回のH1N1は幸いにも強毒性ではありませんでしたが、強毒のH5N1がヒトに感染しやすい変異を起こしてパンデミックを起こすことがありえるのか、あるいはH5N1も抗ウイルス薬治療を適切に行えば散発的な感染にとどまる可能性が高く、これまでにパンデミックを起こした経験のあるH3、H2、H1型こそ警戒すべきなのか。専門家の間でも見解は分かれていました。また、現在、ワクチンが大量に余って問題になっていますが、第2波が次のインフルエンザシーズン前に来るとすれば、現在在庫となっているワクチンが威力を発揮するわけです。南半球での動向を見ながら、海外への提供も含めて、有効な使い方を検討していってもらいたいものです。いずれにせよ、技術革新により、新しい抗インフルエンザ薬や、輸入ワクチン、細胞培養ワクチン含めて、インフルエンザに対抗する武器が充実しつつあります。1918年のスペイン風邪を解析した結果、実は二次細菌感染が死亡の主因だったとされていますが、高齢者用の肺炎球菌ワクチンの再接種も可能になり、接種数は急増しています。相手が目に見えないウイルスではありますが、いたずらに不安を駆り立てる必要はなく、適切な武器を適切に使っていけば十分に対抗できるのではないかと考えさせられました。
 今日はこのあたりで失礼します。
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                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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1人当たりの配分額は16億~50億円とかなりのメリハリ
最先端研究開発支援(FIRST)プログラム30人の配分額決定
「BTJジャーナル」2010年3月号の巻頭に掲載
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アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 「BTJジャーナル」2010年3月号を先月末に発行・公開しました。
 巻頭の“緑”コーナー「アカデミア・トピックス」は、最先端研究開発支援(FIRST)プログラムに採択された30人への配分額が2010年3月9日に決定したことを特集しました。1人当たり配分額は16億~50億円とかなりメリハリがつきました。最高額の50億円は山中伸弥・京大教授と外村彰・日立製作所フェローの2人です。30人のうち、バイオと関係が特に深い11人については、研究計画などを詳細に掲載しています(写真提供:内閣府)。
 BTJジャーナルは、バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジンです。
 FIRSTプログラムの特集記事は、2010年3月号P.2~4をご覧ください。
BTJジャーナル2010年3月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1003
※BTJ/日経バイオテク・オンラインのFIRST関連記事
続報、最先端研究開発支援プログラム、京大・山中教授に30人中最高額の50億円を配分
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9395/
若手・女性研究者の支援制度、評価の視点は将来性とアイデアの斬新さ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9315/
最先端研究開発支援プログラム、研究者30人への配分額決定作業が最終段階に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9070/
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 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年3月号(第51号)のコンテンツを目次で紹介します。
●CONTENTS
最先端研究開発支援プログラム
ハンガリー現地リポート
ノーベル賞と事業仕分け
P.2 アカデミア・トピックス
最先端支援プログラムの
配分額は16億~50億円
P.5 リポート
ハンガリーのバイオ
投資呼び込みに人脈生かす
P.9 キャリア
2009年ノーベル化学賞と
大型放射光施設の事業仕分け
P.12 BTJアカデミック・ランキング
FIRSTプログラムが閲読トップ
P.13 専門情報サイト「FoodScience」
スコアNo.1の記事の意味