毎週金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当していますBTJ編集長の河田孝雄です。
 昨日は2010年4月1日。日本の多くの学校や役所、企業で新年度を迎えられたことと思います。
 春の学会は、熊本の日本植物生理学会、東京の日本農芸化学会を中心に取材しましたが、学会の会場となった熊本大学の黒髪地区キャンパス、東京大学の本郷キャンパス、駒場キャンパスとも、新入生に向けた宿の紹介、サークルの紹介などが活発でした。熊本も東京も学会開催の期間中にちょうど桜が5分から7分咲き位と、見ごろになってきていました。
 学会ネタの記事は順次、とりまとめ中で、追って報道してまいります。現時点までの記事は、メールの後半にリストを載せておきます。
 さて、今週の話題は、文部科学省が国立大学法人の中間評価を数値化したことをお届けします。
 この中間評価自体は、昨年春に発表されていたものなのですが、5段階または4段階の評価の細目がたくさんあり、大学同士の比較はしにくい状況でした。
 それを今回、平成22年度(2010年度)の運営交付金に評価を反映するに当たり、総合評価を数値化することになりました。国立大学法人それぞれに1つの数値が算出されたので、単純に数値にて順位付けをすることもできるようになりました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
数値化された国立大学法人の実績総合評価、2010年度運営費交付金の減額・増額のランキング掲載
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9796/
国立大学法人の実績総合評価が初の数値化、文科省が2010年度運営費交付金の配分に反映
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9795/
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 今回、数値化されたのは、国立大学法人の中期目標期間における業務実績の評価結果。この数値は「総合評価ウエイト」と呼ばれ、満点は91点という設定になりました。
 全国の86の国立大学法人の中で総合評価ウエイトの最高点は70.00点の奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)。逆に最低点は35.39点の弘前大学。86大学の平均点は約44点でした。
 同時に大学共同利用機関法人である4機構の数値も、発表されました。
 この計算の大本となる評価結果は、文部科学省が2009年3月26日に発表していたのですが、これを基に数値化したのは今回が初めてです。09年3月の発表では「これらの評定は、各学部・研究科等の目的に照らして評価を行うものであり、各学部・研究科等を相対的に比較するものではない」という記載がありましたが、各国立大学法人ごとに数値化された「総合評価ウエイト」が、2010年度の運営費交付金の配分に反映されたことが、2010年3月25日までに明らかになりました。
 この評価は、「水準」と「達成」で構成されていまして、このうち「達成」は、「中期目標の達成状況」を評価軸にしています。従って「目標」を低めに設定しておいた方が、高い評価を得やすいということもできるのではと思います。
 上記の記事に掲載した内容ですが、総合評価の計算方法の一部を、次に紹介します。
※「総合評価ウエイト」の計算方法(国立大学法人の場合。大学共同利用機関法人は「教育」がないため計算式が異なる)
計算式:総合評価ウエイト=3×(A+B)+2×(C+D)
A:教育の水準(4段階評価)
B:研究の水準(4段階評価)
C:教育・研究の達成(5段階評価)
D:業務運営の達成(5段階評価)
○4段階評価
「期待される水準を大きく上回る」2.0点
「期待される水準を上回る」1.5点
「期待される水準にある」1.0点
「期待される水準を下回る」0.5点
○5段階評価
「中期目標の達成状況が非常に優れている」2.0点
「中期目標の達成状況が良好である」1.5点
「中期目標の達成状況がおおむね良好である」1.0点
「中期目標の達成状況が不十分である」0.5点
「中期目標の達成のためには重大な改善事項がある」0.0点
 業績などの評価をいかに客観的に行えるかは、大学を評価する行政にとっても、研究者個人を評価する研究機関にとっても、従業員を評価する企業にとっても、大きな課題、永遠の課題といえるかもしれません。
 研究者の評価手法は、論文の被引用が重要な指標になります。以下の学会関連記事の1つですが、研究者の累積の研究業績の指標として定着してきたhインデックスと、それを補完する新しいインデックスも、活発に考案されています。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの2010年春の学会関連記事
○日本農芸化学会
マイクロアレイデータからパスウェイを一度に見られる「Keggle」が近く公開に、ネスレのランチョンで加藤特任教授が紹介
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9887/
日本ケミカルリサーチのEPOκ、培養温度の途中シフトで発現量1.8倍に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9884/
「研究者の新たな客観的業績指標の考案、今がチャンス」とエルゼビアの清水毅志氏
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9862/
伊藤園が茶カテキン飲料の健康機能で攻勢、機能性胃腸症緩和を発表、体脂肪対策トクホも実現
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9861/
東レ、膜連続発酵生産システムを本格事業化へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9858/
かずさDNA研究所がメタボロミクス受託解析を紹介、PowerSuiteで効率1000倍
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9804/
ABCトランスポーターの植田和光・京大教授とエピゲノム制御の加藤茂明・東大教授が日本農芸化学賞受賞講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9799/
日本農芸化学会が開幕、安田講堂で総会・授賞式、新宿で懇親会、来年の京都大会はサイエンスカフェも
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9798/
ヤクルト、「続けるいたわり」ビフィズス菌BF-1株の胃傷害抑制効果を農芸化学会で3題発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9767/
寿製菓が栃の実ポリフェノールの血糖値上昇抑制効果を島根大と確認、栃の実茶を商品化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9747/
味覚・嗅覚の受容体研究の成果発表が農芸化学会で相次ぐ、トピックス賞に6題選ばれる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9705/
キリンと京大、ビールの重要な香りを決めるホップの遺伝子を同定、農芸化学会トピックス賞に選ばれる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9643/
続報、農芸化学会が大会トピックスを賞に格上げ、事業仕分けが学会活動も刺激
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9635/
ビオフェルミン製薬と大正製薬の共同開発商品第1号が登場、京都薬科大との共同成果を農芸化学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9397/
○日本薬学会
東京理科大の武田健教授ら、「ナノマテリアルが次世代の健康に影響する」成果を薬学会で9題発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9794/
グレープフルーツはマーマレードなら薬との飲み合わせも大丈夫、薬学会で東京理科大とキッコーマンが発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9736/
静岡県立大が“光るカテキン”を合成、体内での動態解明に前進
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9704/
薬学会年会シンポでNanoTox研究最前線、厚労科研費の成果発表も相次ぐ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9582/
日本薬学会が第130年会の講演ハイライトを発表、一般講演3904演題から203演題を抜粋
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9578/
薬学会で山田養蜂場の関連発表が4題、レスベラトロール二量体の代謝研究成果も
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9398/
○日本植物生理学会
遺伝研DDBJが次世代シーケンサー配列のクラウド型解析サービスを開始、まずはマッピングとアセンブリーをβ版で公開
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9773/
ターゲットタンパク公開シンポに400人、「仕分け」対策のリーフレットやアニメーションも披露
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9340/
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 ここでメール原稿の締め切り時間になりました。皆さんにとりましても、夢多き新年度になることを願っております。
 なお、各学会の広報活動の比較については、毎月25日に発行・公開しているBTJジャーナルの記事にとりまとめる予定です。BTJジャーナルはPDFファイルをダウンロードすると、記事全体・全文をご覧いただけます。
 最後に先週末に発行・公開したBTJジャーナル2010年3月号の内容を、目次にて紹介します。
●CONTENTS
最先端研究開発支援プログラム
ハンガリー現地リポート
ノーベル賞と事業仕分け
P.2 アカデミア・トピックス
最先端支援プログラムの
配分額は16億~50億円
P.5 リポート
ハンガリーのバイオ
投資呼び込みに人脈生かす
P.9 キャリア
2009年ノーベル化学賞と
大型放射光施設の事業仕分け
P.12 BTJアカデミック・ランキング
FIRSTプログラムが閲読トップ
P.13 専門情報サイト「FoodScience」
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