こんにちは。水曜日のメールマガジンを担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 東京では桜の花もほころび、すっかりと春めいてきました。米国では医療保険改革法案が可決され、医薬品やヘルスケア企業の株価が上昇しています。ただ、日本の製薬企業は23日、株価を上げたところがある一方、下げたところもあるといった具合で、米国での医療保険改革の影響を見極めているといった感じでしょうか。
 製薬業界では、今年1月以降、協和発酵キリン、大日本住友製薬、エーザイ、第一三共、塩野義製薬が相次いで中期経営計画を発表しました。
協和発酵キリンの中期経営計画、抗体含め毎年4品目を臨床段階へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8505/
【解説】大日本住友製薬の中期経営計画、北米のルラシドンの進ちょくに依存
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9074/
エーザイ、日中市場の伸びでアリセプトの特許切れを克服するシナリオを発表するも、国内競合と米国の保健医療改革で暗雲
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9316/
第一三共が中計説明会、「バイオシミラーは積極的に狙うべき製品」と庄田社長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9509/
塩野義の次期中計説明会、「抗体は利益率低いのでがん治療ワクチンを選択した」と澤田・医薬開発本部長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9585/
 特に米国市場で既に大きな売上高を計上している大手製薬企業では、現在の主要な収益源である大型医薬品の特許が切れた後、どのようにして収益を確保していくかが大きな課題になっています。各社の中期経営計画でもその戦略が焦点です。武田薬品工業やアステラス製薬も今後、中期経営計画を発表すると見られており、各社がどのような成長戦略を描いてくるかが注目されます。
 製薬企業の中期経営計画のうち、第一三共と塩野義製薬の説明会のニュースは、来週月曜に読者にお届けする日経バイオテク3月29日号に掲載しました。この号に掲載したニュースの中で、日経バイオテク・オンラインでの人気が最も高かったのは最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム)の話題です。
最先端研究開発支援プログラム、京大・山中教授に30人中最高額の50億円を配分
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9395/
 このプログラムは、麻生政権が2009年度の第一次補正予算の目玉として打ち出したもので、「5年間で平均90億円を30の研究グループへ」というコンセプトでスタートしましたが、政権交代に伴ってプログラムは見直され、結局30の研究グループは18億円から50億円の支援を受けることになりました。また、年度末ぎりぎりの決定となったため、期間も実質的に約4年間に短縮されます。それでも鳴り物入りで始まったプロジェクトだけに、4年後の成果に期待しています。
 日経バイオテク3月29日号の特集は、バイオマス由来の化学品生産、すなわちバイオマスリファイナリーの研究開発の最前線のリポートです。主に植物の繊維成分からエチレンやプロピレンなどの化学品を製造することを目指したプロジェクトが急進展しています。特集記事では、この分野に積極的に取り組んでいる企業や大学などの研究機関が何をターゲットにどういうアプローチで研究開発を進めているのか、またどういう課題に直面しているのかについてをまとめました。
 日経バイオテクでは08年7月から、環境、農業、食料関連のバイオの記事を強化していますが、今回のバイオリファイナリーの特集はその一環です。環境、農業、食料の関係の特集としては、昨年8月に植物工場、10月に藻類ビジネス、11月にバイオマスの糖化技術を取り上げ、今年に入ってからもナノトックスの特集を掲載しているので、だいたい日経バイオテクの3号に1号は環境、農業、食料関係の特集を掲載していることになります(残りは3分の1が医薬・医療関係、3分の1が政府予算やバイオ市場の分析など、すべての分野にまたがる話題を掲載しています)。
 このところ、環境、農業、食料分野では、素材・エネルギー関連の企業が中心となり、大学や公的研究機関とコンソーシアムを組んで研究開発に取り組む事例が増えています。日本の研究開発の競争力が高いと見られている分野だけに、産学官一体となっての取り組みがさらに加速することを期待しています。日経バイオテクに、環境、農業、食料関連の重要な記事が掲載されていることをご存じない方もおられるかもしれません。この機会にぜひとも日経バイオテクのご購読をご検討ください。急いで申し込んでいただければ、バイオリファイナリーの特集を掲載した3月29日号からご購読いただけるかと思います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/index.html
 3月29日号の「キーパーソンインタビュー」では、国内でワクチン製造を目指すベンチャー企業のUMNファーマに出資し、同社と合弁でワクチン製造子会社を設立することを決めたIHIの成清勉・経営企画部担当部長に登場してもらいました。IHIがこのプロジェクトに多額の投資を決めたのは、社会的意義があると考えたのと、川下に展開する戦略に合致していたためだということです。
 今号の「審査報告書を読む」は抗うつ薬の「レメロン錠/リフレックス錠」(ミルタザピン)を取り上げました。日本では従来、抗うつ薬の開発にプラセボ対照試験を実施するケースは珍しく、この医薬品が短期投与のプラセボ対照試験の成績に基づく初の承認例となるそうです。
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                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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「共有と独占のバランス」
「インターネット時代の公的科学の知財戦略」
「デジタル革命後の科学制度の考察」
創刊50号「BTJジャーナル」2010年2月号に掲載
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アカデミア向けのスペシャルサービス「BTJアカデミック」はこちらから
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」2010年2月号を先月末に発行・公開しました。
BTJジャーナル2010年2月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1002
 “青”コーナー「リポート」は、「デジタル革命後の科学制度」。デジタル革命で膨大なデータが生産される現代の科学政策はどうあるべきか。情報・システム研究機構(ROIS)の大久保公策教授は「共有と独占のバランス」や「インターネット時代の公的科学の知財戦略」「デジタル革命後の科学制度の考察」を発表しました。米国立衛生研究所でパブリックアクセス政策を担当するThakur博士の初来日講演も紹介します。
※BTJ関連記事
国立遺伝研の大久保教授が「共有と独占のバランス」と題してCBRC成果発表会で講演、質問で「蛋白質 核酸 酵素」の休刊も話題に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7381/
米NIHの助成を受けた研究論文はアクセス可能に、PubMed Centralの論文登録率は08年4月の義務化で60%に向上
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/6904/
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 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
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 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年2月号(第50号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
特許と論文の連関解析で
組織の業績を数値化
JST-RISTEX
P.5 リポート
デジタル革命後の科学制度
NIHのオープンアクセス活動
大久保公策・遺伝研教授
P.10 キャリア
第26回日本国際賞
第6回日本学術振興会賞
第6回日本学士院学術奨励賞
P.13 BTJアカデミック・ランキング
かずさ経営破綻が閲読トップ
P.14 専門情報サイト「FoodScience」
環境ホルモン、その後