毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当していますBTJ編集長の河田孝雄です。
 今日3月19日(金)は、第51回日本植物生理学会年会で熊本大学に来ております。体育館の会場でポスター発表がまる1日あるのですが、午後は本部企画シンポジウム「植物生理学会はGMO関連課題にいかに取り組むべきかを考える」が開かれますので、こちらも取材する予定です。
 植物生理学会にはおよそ2000人余りの方々が、参加する予定とのことです。先にまとめた日本農芸化学会トピックスの記事の1つも、植物生理学会の中核研究者の方の発表ですし、植物生理は日本が世界でかなり頑張っている研究分野です。
 10日ほど前に研究費の配分額が決定した「最先端研究開発支援プログラム」は、配分先の中核研究者30人に合計1000億円を配るものですが、この30人に、植物分野の研究者が1人も入らなかったのが、30人決定時点に随分と話題になりました。30人が決まったのは、半年も前のことになりますが。
 医薬品(特に生薬系)、食料、資源・エネルギー、環境など応用範囲が実に広い研究分野なので、日本の強みがさらに生かされることを願っています。
 さて、ここ1週間は、バイオテクノロジー関連の学会の記者会見が、都内でたくさん開かれました。3月12日(金)が日本化学会、15日(月)が日本薬学会、17日(水)が日本農芸化学会でした。
 記者会見会場に集まった記者の数は、日本化学会が15人、日本薬学会が50人、日本農芸化学会が25人くらいでした。
 いずれの学会も、かなり大きな学会で、この3月に開かれる大会・年会の発表演題数は数千件、参加者数は5000人から1万人の規模です。
 3学会とも、この数千の発表の中から、社会的にも注目を集めそうな成果発表を選考委員会らで選んで、発表しました。
 日本化学会は、春季年会のアカデミックプログラムの講演ハイライトとして4件を5500件から精選しました。
 日本薬学会は、第130年会の講演ハイライトとして、一般講演3904演題から203演題を抜粋しました。
 日本農芸化学会は、2010年度(平成22年度)大会の一般講演2342題からトピックス30題を選びました。さらには初めて、30題の発表者に対してトピックス賞を大会長が授与することを決めました。
 5500分の4、3904分の203、2342分の30と、ハイライト/トピックスに選ばれた発表数の比率は学会により数十倍異なります。比率が一番低い(=競争率が高い)日本化学会は、選ばれた発表の研究者が記者会見場で自ら説明を行いました。比率が一番高い日本薬学会は、ハイライトの資料を配っただけで、説明は行いませんでした。中間の日本農芸化学会は、3人の教授が分担して、トピックス30題のポイントを説明しました。
 要は、テレビや新聞、雑誌などで、学会活動がどのくらい報道され、国民に知って
もらえるのかがポイントになります。学会の存在意義がいろいろと問われる中で、学会
としても新たな試みも進めているのですが、世間への露出といった意味での勝負の行方
にも注目していきたいと思ってます。
 各々の学会が主催する市民公開講座などの集客数も、分かりやすい比較ポイントといえます。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
続報、最先端研究開発支援プログラム、京大・山中教授に30人中最高額の50億円を配分
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https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9642/
続報、農芸化学会が大会トピックスを賞に格上げ、事業仕分けが学会活動も刺激
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9635/
「納税者への説明責任のフレームワークを豊かにしていきたい」と民主党の鈴木寛議員、「この前の事業仕分けは生煮えだったように思う」と自民党の林芳正議員
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9621/
日本化学会春季年会、アカデミックプログラムの講演ハイライトとして4件を5500件から精選
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9583/
薬学会年会シンポでNanoTox研究最前線、厚労科研費の成果発表も相次ぐ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9582/
日本薬学会が第130年会の講演ハイライトを発表、一般講演3904演題から203演題を抜粋
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9578/
日本化学会が市民公開講座を3月27日に開催、講演4件のうち3件がバイオ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9576/
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 メール原稿の締め切り時間になりましたので、今週はここまでにさせていただきます。各学会の広報活動の比較については、毎月25日に発行・公開しているBTJジャーナルの記事にとりまとめる予定です。BTJジャーナルはPDFファイルをダウンロードすると、記事全体・全文をご覧いただけます。最後に先月末に発行・公開したBTJジャーナル2010年2月号の内容を、目次にて紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
特許と論文の連関解析で
組織の業績を数値化
JST-RISTEX
P.5 リポート
デジタル革命後の科学制度
NIHのオープンアクセス活動
大久保公策・遺伝研教授
P.10 キャリア
第26回日本国際賞
第6回日本学術振興会賞
第6回日本学士院学術奨励賞
P.13 BTJアカデミック・ランキング
かずさ経営破綻が閲読トップ
P.14 専門情報サイト「FoodScience」
環境ホルモン、その後