こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 昨日、富士フイルムファーマ設立の記者会見に行ってきました。「富士フイルムがバイオジェネリック事業に参入」と伝えられていますが、現在の環境下では後発医薬品事業が参入しやすいからであって、実績を積み重ねながらゆくゆくは新薬メーカーとしての基盤を確立していくのが本音のようです。富士フイルムといえば、X線画像診断装置や内視鏡など診断の分野では大きな存在感を有しています。疾患のメカニズムが明らかになり、診断と治療が直結するようになる中で、富士フイルムグループは診断と医薬を手掛ける企業として発展していく可能性があります。異業種による医薬事業への参入では、化学メーカーなどの方が歴史があるのかもしれませんが、富士フイルムRIファーマや富山化学工業を傘下に収めてきたここ数年の富士フイルムのスピード感には期待が持てます。
続報、富士フイルム、医薬品開発・販売会社を新設、1兆円ビジネスの実現へ基盤整備、バイオ医薬にも注力か
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8615/
 異業種による医薬・バイオへの参入で最も成功を収めているのは協和発酵キリンでしょう。協和発酵、キリンとも異業種から医薬・バイオに参入してきたわけですが、両社の医薬事業を統合した結果、抗体医薬を中心にパイプラインは充実しつつあり、5年以上の中長期的視点で見れば、日本の製薬企業の中では極めて大きな成長の可能性を持っていると注目しています。
協和発酵キリンの中期経営計画、抗体含め毎年4品目を臨床段階へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8505/
 サントリーとキリンホールディングスとの統合交渉の過程で、「サントリー側は協和発酵キリンの生き残りは厳しいとして、売却を求めている」とする報道もありました。交渉上のテクニックに過ぎなかったのかも知れませんが、今の協和発酵キリンを手放すという選択肢には少し疑問を感じました。その一方で、協和発酵キリンが食品メーカーの傘の下から離れた場合、製薬業界で再び大きな再編が起こり、より強力な日本の製薬企業が誕生するかもしれなかったので、その機会が失われたことが少し残念でもあります。
キリンとサントリー統合決裂、医薬や花きなど「各論」に及ばず
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8711/
 いずれにせよ、協和発酵キリンは今年のバイオ企業番付で西の正横綱となりました。異業種参入が困難な医薬・バイオ産業ですが、バイオ番付の上位にも異業種参入企業はたくさんあります。番付掲載企業には、上位入りするよう頑張ってもらいたいものです。
日経バイオテク2月1日号「リポート」、2010年バイオ企業番付
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8616/
日経バイオテク2月1日号「リポート」、2010年バイオ企業番付(表)
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8617/
2010年バイオ企業番付(前頭以下)
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8621/
 来週月曜、日経バイオテク2月15日号を発行します。今号の特集は、国内創薬ベンチャーのパイプラインです。2009年2月の調査時に75品目だったのが、79品目へとわずかしか増加していません。バイオベンチャーの資金調達環境が悪化したためですが、幾つかの品目では開発段階が着実に上がっています。アライアンス先を求めている製薬企業の方は、買い物リストに見えるかもしれませんが、ユニークな分析をしていますのでご活用ください。
 このほか、企業研究ではライオンの衣料用洗剤事業を取り上げました。パイプライン研究のテーマは多発性硬化症治療薬です。今号もお楽しみに。
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
 
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
 
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上原賞は杉山雄一・東大教授と西田栄介・京大教授、
安藤百福賞の大賞は桜井武・金沢大教授、
贈呈・表彰式は3月に都内で開催。
創刊4周年「BTJジャーナル」2010年1月号に掲載
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けのスペシャルサービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」2010年1月号を先月末に発行・公開しました。
BTJジャーナル2010年1月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1001
 赤コーナー「キャリア」では、上原記念生命科学財団の上原賞と、食創会の安藤百福賞の話題をとりあげました。
 以下のBTJ(バイオテクノロジージャパン)/日経バイオテクオンラインの記事をもとに、受賞者の皆さんの写真などとともに掲載しました。
 これら民間の表彰制度は、副賞の賞金の金額が大きいのも、魅力の1つです。
上原賞の副賞は2000万円、安藤百福賞の副賞は1000万円です。BTJジャーナル2010年1月号の8ページからの記事をご覧ください。
※BTJ/日経バイオテクオンラインの関連記事
上原記念生命科学財団が平成21年度の上原賞を決定、杉山雄一・東大教授と西田栄介・京大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7629/
第14回安藤百福賞、2年ぶり5回目の大賞はオレキシンの桜井武・金沢大教授に1000万円、優秀賞は宮澤陽夫・東北大教授らに200万円
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7927/
■上記のBTJ記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルはこの新年号で、創刊4周年を迎えることができました。これまでの48号分すべてを、次のサイトからPDFファイルとしてダウンロードできます。全文をご覧いただけますので、お楽しみください。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年1月号(第49号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
事業仕分けと政府予算案
文科省の対応と実績
P.6 リポート
ムギネ酸類の研究で
貧血症を予防するコメ
P.8 キャリア
上原賞と安藤百福賞
P.14 コミュニティ
新年賀詞交歓会
P.16 BTJアカデミック・ランキング
年間アクセスTop50を発表
P.18 専門情報サイト「FoodScience」
逆転の発想を生かせ
P.26 広告索引