毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 今週は文部科学省が推進している脳科学研究戦略推進プログラム(略称:脳プロ)の公開のイベントが2つ開催され、取材しました。
 まずは火曜日(2010年2月2日)、「心身の健康を維持する脳の分子基盤と環境因子(生涯健康脳)ワークショップ」が旧文部科学省の建物で開かれました。これから公募する内容について議論を深めるため、脳科学研究者が大勢集まり、質問・意見もたくさん出ていました。
 2010年度から始まるこのテーマの予算規模は年2億円から最大5億円(2010年度予算政府案がそのまま成立した場合)で、期間は5年間が見込まれています。
 そして金曜日(2月5日)には、第2回公開シンポジウム「脳プロ―生命科学から総合的人間科学へ向かう脳研究」が都内で開催されます。こちらも取材予定です。
※BTJ/日経バイオテクオンラインの関連記事
脳プログラムの新規課題「生涯健康脳」は年2億円から5億円で5年間を予定、文科省が脳プロ初のワークショップを開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8504/
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http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 脳科学研究は、それこそいろいろな切り口がありまして、人文社会系の研究者の皆さんも活躍の場が多いことを、改めて認識しました。どのような応募案件が採択されるのか、これからも注目していきます。
 それから今週は、5カ月ぶりなので、ほとんど突発的ともいえる案件なのですが、健康機能性を食品に表示できるトクホ(特定保健用食品)について具体的な動きがありました。
 ひごろ口にしている食べ物や飲み物は、当然のことですが、私達の体にさまざまな影響を及ぼします。マッシブデータ時代を迎えた現代では、どのような影響が出てくるかを幅広く調べることができます。高性能のマイクロアレイやシーケンサー、質量分析計などの高性能な装置(高価なおもちゃ)を使えば、さらにマッシブデータの中から、意味がありそうな変化を見つけ出すことは容易になります。
 さて、そのうち好ましいと思われる影響について、食品に表示しようとしても、商品回りではできません。健康増進法や薬事法などの数々の法律などに抵触してしまうからです。09年9月から消費者庁長官が許可するようになったトクホであれば、この好ましい影響を、表示してよいことになります。ただし、表現できる記載は非常に限られてはしまうのですが。
 コーヒーに含まれるポリフェノールが、高めの血圧を下げる機能を持っていることに着目して、その機能を発揮しやすいよう設計したコーヒー飲料が開発され、このたび、内閣総理大臣が諮問した先の消費者委員会が、トクホとして認めてよいという内容ほ答申をまとめました。
 今後、この消費者委員会の答申を基に、消費者庁長官が認めるという手続きに進むことになりました。
 このトクホなどの機能性食品の分野は、25年以上前に世界に先駆けて日本で開拓されたものといえます。5カ月ぶりに具体的に動きはじめたことは、研究者コミュニティの方々にとっても、機能性食品を開発する企業にとっても、好ましいことと思います。
※BTJ/日経バイオテクオンラインの関連記事
権限移管から5カ月、消費者庁が新たに許可するトクホが今月中にも実現、トクホ品目数トップの東洋新薬は176へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8571/
キッコーマンが自社開発トクホに意欲、血圧下げる大豆ペプチドのしょうゆをトクホ許可申請
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8561/
09年10月統合の雪印メグミルクが初の記者発表会、「グループの強みを活かした商品開発」で乳酸菌を活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8557/
ポリフェノール豊富な血圧高め対策コーヒー飲料、花王の「リズムライフコーヒー」がようやくトクホ実現へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8514/
写真更新、日本人の摂取ポリフェノールの47%はコーヒー、うち15%はネスカフェ、ネスレと近藤和雄お茶大教授らが調査
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8366/
シジミ900個分vs.600個分、アミノ酸の訴求でキリンと味の素が競う
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8271/
商標「ピココラーゲン」配合のサプリメント、富士フイルムが1月23日に発売
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8130/
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 メール原稿の締切時間が迫ってきました。ここ1~2週間にまとめた記事のうち、ご覧いただきたい記事リストを以下に示します。
※BTJ/日経バイオテクオンライン記事
論文と特許の連関で定量評価するシステムをJSTが構築、まずはJSTの政策的役割評価に活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8510/
4年で25%増加した鳥の航空機衝突、鳥種のDNA鑑定を国土交通省がビジョンバイオに依頼
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8451/
若手対象の第6回日本学術振興会賞25人が決定、所属機関別では東大6人、京大5人、阪大3人、2人は名大と九大、AIST、バイオ関連は10人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8307/
 最後に、今週初めに発行・公開したばかりのBTJジャーナル2010年1月号の内容を紹介させていただきます。
 創刊4周年の今号では、2010年度政府予算案の内容を、文部科学省の案件を中心に特集しました。巻頭のアカデミア・トピックスで4ページにわたり掲載しています。
 BTJジャーナルの記事は、無料で全文をご覧いただけます。ぜひお楽しみください。
        BTJ編集長 河田孝雄
「BTJジャーナル」2010年1月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1001
※2010年1月号(第49号)の目次
P.2 アカデミア・トピックス
事業仕分けと政府予算案
文科省の対応と実績
P.6 リポート
ムギネ酸類の研究で
貧血症を予防するコメ
P.8 キャリア
上原賞と安藤百福賞
P.14 コミュニティ
新年賀詞交歓会
P.16 BTJアカデミック・ランキング
年間アクセスTop50を発表
P.18 専門情報サイト「FoodScience」
逆転の発想を生かせ
P.26 広告索引