日経バイオ年鑑2010の編集作業が終わったので、以前から訪問したかった阪大微生物病研究会の観音寺研究所に取材に行ってきました。同社は6月に、日本の人口の半分に当たる6000万人分の細胞培養インフルエンザワクチンを製造できる工場を、2013年の稼動を目指して建設する計画を発表しました。その後、政権交代などで日本政府のパンデミックインフルエンザ対策の方針が不鮮明になったため、「計画を見直す可能性がある」としながらも、当面は計画通りに建設を進めていくとのことでした。
阪大微生物病研究会、細胞培養インフルエンザワクチン工場の一期工事は予定通り2010年に着工へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7388/
 細胞培養インフルエンザワクチンは、発育鶏卵を用いて製造するインフルエンザワクチンと違って、事前に養鶏業者と契約して鶏卵を確保する必要がなく、パンデミックが起こってから短期間で量産できるという点にメリットがあります。ただし、本当に6000万人分もの量を製造するためには、莫大な規模の培養槽などの製造設備を事前に備えておく必要があります。パンデミックが起こらなければ使われることのない製造設備を本当に用意しておく必要があるのかという疑問の声も聞こえてきそうですが、次に新型インフルエンザが流行したときにも輸入ワクチンを確実に手当てできるというのでなければ、国内に製造設備を設けておくことも必要だと思います。むしろ、海外にワクチンを輸出するなどして、そうした設備を普段から有効に活用する方法を考えることが重要なのだと思います。阪大微研からの帰りに乗ったタクシーの運転手から、工場での雇用に地元が大いに期待しているという話を聞き、ワクチンを輸出産業として育成していく発想があってもいいのではないかと思った次第です。
 ところで、鳩山政権が実施した事業仕分けに対して、アカデミアサイドから不満の声が噴出しています。鳩山政権は予算編成を巡っても二転三転しているような状況ですが、方向感が定まらなければ日本のアカデミアから優秀な若手人材が流出して、将来の日本の競争力を低下させてしまいかねません。科学技術政策を検討する政策サイドには、強いリーダーシップを期待します。
研究者30万人の主要19学会、行政刷新会議事業仕分け判定を受けて声明を発表、12月4日に記者会見とパネル討論を開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7363/
日本分子生物学会、科学技術予算に関する緊急フォーラム「事業仕分けから日本の未来の科学を考える」を12月9日に開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7361/
続報、会員総数7万2000人の基礎生物科学関連24学会が事業仕分け判定結果に要望書、本日午後に東大農学部で記者会見
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7342/
 今日の午前中は、厚生労働省の高度医療評価制度検討会の議論を傍聴しに行って来ました。これまで、久留米大学付属病院が申請したがんペプチドワクチンなど、この会議で「条件付き適」とされたものがその後どうなっているのか疑問があったのですが、本日の評価会議でその方向性が明確にされました。久留米大学のがんペプチドは今日の会議に申請が再提出され、先進医療専門家会議での議論という次のステップにようやく進むことになりました。先進医療専門家会議でどのような議論がなされるのかを未定かなければなりませんが、未承認の医薬品・医療機器を使った医療行為に、やっと道が通ることになりそうです。
 最後に、日経バイオ年鑑2010が出来上がって、手元に届きました。予約特価は明日までなので、ご購入を検討の方はお急ぎお申し込みください。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/book/02.html
 また、日経バイオテク・オンラインの記事全文をお読みいただくには、日経バイオテク本誌の読者になっていただく必要があります。日経バイオテク本誌のお申し込みは、以下からお願いします。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/index.html
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
 
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
============================================================================
30万人と7万人、相次ぎ学会連合も意見を表明
12月9日には日本分子生物学会が緊急フォーラム開催
行政刷新会議の「事業仕分け」を特集した
BTJジャーナル09年11月号をご覧ください
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けのスペシャルサービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
============================================================================
 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」09年11月号を先月末に発行・公開しました。
 冒頭の“緑”コーナー「アカデミアトピックス」は今回、09年11月11日から始まった行政刷新会議のワーキンググループによる「事業の仕分け」を緊急特集しました。11月17日まで5日間実施の「第1弾」では理化学研究所のプロジェクトを初め「縮減」が相次いでいます。これに対し、学会や大学などアカデミアから緊急の提言や声明が相次いでいます。研究者個々人からも行政に対して意見を出していきましょう。意見募集中の文部科学省の仕分け結果は一覧表を掲載しました。
 以下の記事の一部を基に特集記事を構成しました。ぜひご覧ください。
※BTJ/日経バイオテクオンラインの「事業仕分け」関連記事
研究者30万人の主要19学会、行政刷新会議事業仕分け判定を受けて声明を発表、12月4日に記者会見とパネル討論を開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7363/
日本分子生物学会、科学技術予算に関する緊急フォーラム「事業仕分けから日本の未来の科学を考える」を12月9日に開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7361/
  
続報、会員総数7万2000人の基礎生物科学関連24学会が事業仕分け判定結果に要望書、本日午後に東大農学部で記者会見
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7342/
続報、研究者23万人の14学会、「事業仕分け判定に関する要望書」を川端文部科学大臣に提出、スパコンやSPring-8、ポスドクなど指摘、12月4日に記者会見とパネル討論
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7226/
内閣府政務官、「総合科学技術会議は予算編成作業へもっと貢献を」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7164/
文部科学省、作業部会でバイオリソース整備を検討、事業仕分け結果に非難が集中
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7064/
最先端プログラムの若手枠、年齢制限は原則45歳に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/6998/
総合科学技術会議の有識者議員が緊急提言、事業仕分けの結果に危機感
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/6995/
事業仕分けでの科学技術政策、制度の在り方に厳しい意見
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/6952/
内閣府行政刷新会議、文科省のターゲットタンパク、分子イメージング、感染症研究ネットを事業仕分け
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/6933/
■上記のBTJ記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※09年11月号(第47号)のコンテンツを紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
行政刷新会議が事業仕分け
理研など厳しい評価相次ぐ
P.5 リポート
日本食品科学工学会第56回大会
宇宙日本食と長寿食が話題に
P.11 キャリア
国際化進める日本生物物理学会
科研費や最先端プログラムも熱気
P.13 BTJアカデミック・ランキング
最先端プロと事業仕分けが人気
P.14 専門情報サイト「FoodScience」
食中毒対策とリスコミ
P.18 広告索引