日本郵政の西川善文社長が辞任しました。政府が決めた民営化見直しの方針に対して、「職にとどまることは適切ではない」と考えたからといいます。
 4年前には小泉純一郎元総理大臣が唱える郵政民営化にあれだけみんな賛同していたのが、こうもあっさり覆ってしまうのを見ていると、政権交代というものを実感します。
 ただ、新政権を見ていると、ちぐはぐと言うか、少し意思決定が拙速と感じることが時折あります。新型インフルエンザワクチンの接種で、13歳以上は1回接種と言う結論をいったんは出しながら、20代から50台の医療従事者以外は当面2回接種を行うことになりました。国内での臨床試験が20歳以上の健康成人を対象としていたわけですから、当然と言えば当然の判断です。妊婦や基礎疾患のある人、中高生に対しては引き続き臨床試験を行って、1回接種で十分な免疫を誘導できるかどうかを確認したうえで、1回接種にできるかどうかを決めると言うのは、妥当な判断だと思います。1回接種にすれば国民全員にワクチンの接種機会を与えられると考えたのだと思いますが、慎重に検討すべきところは検討すべきだったのではないかと思います。
 同様の事例がもう1つありました。花王の健康油「エコナ」のトクホの表示許可を巡る一連のやり取りです。要するに、消費者庁がエコナのトクホ表示について再審査することを決めたものの、花王が表示許可の失効届けを提出したために、再審査が行われないことになったというものです。これまでに日経バイオテク・オンラインに掲載したのでお読みください。また、日経バイオテク10月26日号にも一連の顛末をまとめたリポートを掲載しましたので、そちらをお読みいただければ分かりやすいかと思います。
“歴史的な”2009年10月8日午後のエコナ問題顛末、消費者庁が消費者委員会(第3回)で説明
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/6015/
「エコナは早急に再審査を」と消費者庁の「食品SOS対応プロジェクト」が報告とりまとめも、花王の失効届提出で不要に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5939/
続報、9月発足の消費者委員会が初の部会として「新開発食品調査部会」の設置を決定、連休明け第3回の議題は「エコナ関連製品への対応等」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5915/
 どういう方法で再審査を行うかという議論も無いまま、いきなり再審査の舞台に引きずり出されたわけで、花王が舞台から降りる判断をしたのも理解できない話ではありません。消費者庁の判断も、少し拙速だったのではないかと感じます。
 トクホの表示許可の再審査もこれまでは無かったことで、それが行われるようになるのは悪いことではありません。しかし、さまざまな影響まで考慮して決断してもらいたいと感じることは多々あります。
 政治主導というと聞こえはいいですが、独善やマッチポンプにならないようにしていただきたいものです。
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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油脂の機能研究には未知が一杯
トランス脂肪酸やグリシドールなどなど
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」09年9月号を先月末に発行・公開しました。
 “青”コーナー「リポート」は、09年9月の前半に相次ぎ開催された脂質・油脂の機能性を追究する学会の記事を掲載しました。9月4~5日に東京で開催された日本脂質栄養学会第18回大会と、9月10~12日に名古屋市で開催された日本油化学会第48回年会から、高度不飽和脂肪酸のω3やω6、トランス脂肪酸などの話題を紹介します。機能性油脂の開発と脂質の健康作用の評価は未知の課題も多いようです。
 BTJに掲載した以下の日経バイオテク・オンラインの記事をもとにとりまとめました。
※油脂関連の日経バイオテク・オンライン記事
「トランス脂肪酸の健康影響は、工業産と反芻産の違いがないことが分かってきた」と日本油化学会で丸山武紀・日本食品油脂検査協会理事長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5546/
いため専用トクホ油を8月末に発売した花王、「ホスファチジン酸を添加したDAGの炒め調理機能」を日本油化学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5400/
金城学院大学脂質栄養ORCと日本脂質栄養学会、プレスセミナー「コレステロール低下医療と脂質栄養の方向転換」を10月20日開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5261/
ノーベル、「クロレラDHAヨーグルト.5.5.5」のω3含有量を来春1000mgに
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5147/
写真追加、ω6脂肪酸の過剰摂取に警鐘鳴らす日本脂質栄養学会、ω6のアラキドン酸の委員会を設置して2年間検討
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5128/
島根大医、αリノレン酸を強化した鶏卵「えごま玉子」のアレルギー体質改善作用を学会発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4508/
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 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※09年9月号(第45号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
90億円×30人の最先端プロ
選定過程などに意見相次ぐ
P.11 リポート
日本脂質栄養学会第18回大会
日本油化学会第48回年会
P.13 キャリア
JSTさきがけ新規採択が決定
初の「大挑戦型」は11件
P.14 BTJアカデミック・ランキング
2700億円プロと新政権がTop10をほぼ独占
P.15 専門情報サイト「FoodScience」
最新トピックス
P.16 バックナンバー目次