こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 ジャスダック証券取引所は、昨日、創薬系バイオベンチャーのデ・ウエスタン・セラピテクス研究所(DWTI、名古屋市、日高有一社長)の新市場NEOへの上場を承認しました。上場日は10月23日で、主幹事は野村證券が務めます。
 9月17日に上場するキャンバス(静岡県沼津市、河邊拓己社長)に続いて、創薬ベンチャーとして今年2社目の上場となります。キャンバスのブックビルディングではかなり多くの応募があったと聞きますので、バイオベンチャーに対する世間の関心は回復しているのでしょう。我々が算出している国内市場に上場しているバイオベンチャーの株価指数、日経BP・バイオINDEXも回復基調にあります。キャンバス、DWTIの上場によって、バイオベンチャーに対する追い風がしっかりしたものになることを期待します。
 バイオベンチャーといえば、最近、上場、未上場にかかわらず、経営基盤がしっかりしてきているところが多いように思います。世の中全体の景気が減速する中で、投資家や大企業からの支援が期待できなくなり、自立できるように合理化を進めたからでしょうか。
 そうやって合理化を進めた会社の1つにネオモルガン研究所があります。この会社は独自の理論に基づいて、微生物や植物などの変異体を効率よく取得する技術を開発しました。この技術を基に、たんぱく質などを効率よく生産する微生物や、糖を効率よくエタノールに変換する微生物などの開発を行っています。
 先日、この会社の藤田朋宏社長にお会いし、合理化を進めた結果、共同研究などで経営基盤を確立しつつあるということを聞きました。その際に、廃棄物から非常に高い効率でエタノールを生産する出芽酵母を開発したということも聞きました。この酵母は6炭糖だけでなく、5炭糖も分解できるのが特徴で、他の研究機関などが研究開発している微生物に比べて生命力も強いということです。
 ところが、微生物は開発したものの、使ってくれるところが見つからないと嘆いていました。「実験的に使ってみたいという話はあるけれど、増やして別のところで使われても突き止めることができない」と藤田社長は言います。共同研究契約を交わしてもらうか、出資してもらうかなど、商売につなげる方法を考えているということでしたが、微生物を事業に利用する場合はビジネスモデルをしっかりと考えておかなければいけないようです。
 ところで、今日は、科学技術振興機構(JST)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催するイノベーションジャパン2009のパネルディスカッション「大学発ベンチャーの成功戦略 ~マイルストーンとビジョンを語る」の司会をやってきます。大学発ベンチャーであるナノエッグの山口葉子取締役研究開発本部長、オーストリッチファーマの塚本康浩代表取締役と、ベンチャー支援を行うヒューマン・キャピタル・マネジメントの土井尚人代表取締役社長の3氏を招いて、大学発ベンチャーの成功の条件などを議論するつもりです((皆様がこのメールをお読みになるときは既に過去形になっていると思いますが)。
 イノベーションジャパンは、大学の研究開発シーズとそのユーザーとの間で橋渡しをしようというイベントで、本日から18日金曜まで東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催しています。大学の研究開発シーズに興味のある方は、ぜひ、顔を出してみてください。
http://expo.nikkeibp.co.jp/innovation/index.html
 こうしたイベントや、我々の報道によって、バイオベンチャーに対する世の中の期待が少しでも高まればいいのですが。本日はちょっとまとまりのない内容になってしまいましたが、この辺で失礼します。
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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脱塩基DNA定量法でDNA損傷防御能を測定
水産大学校の原田和樹教授の成果も紹介
写真豊富な「大学は美味しい!!フェア」をBTJジャーナル09年8月号に掲載
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」09年8月号を8月末に発行・公開しました。
 今号の赤コーナー「キャリア」は、今年夏、東京・新宿のデパートで開催された「第2回大学は美味しい!!フェア」の話題を取り上げました。食材や食品成分の機能性を発掘した研究者自らが、デパートの売り場に立ち、一般の消費者向けに機能性を説明しました。6日間の会期中の集客数は推定10万人超という大盛況。
 今回は山口県下関市の水産大学校の抗酸化研究の最先端をはじめ、佐賀大学、高知大学の取り組みを中心に紹介しています。BTJの以下の記事を基にBTJジャーナル09年8月号の記事にまとめました。
 近大マグロの「マグロづくし丼」売り切れなどの会場写真も豊富に掲載していますので、P.8~13の記事をぜひお楽しみください。
※BTJの「大学は美味しい!!」関連記事
水産大学校の原田和樹教授が高い抗酸化能の魚醤を「大学が美味しい!!」で解説、ヤマカ醤油が商品化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/3937/
佐賀大学発ブランド野菜「バラフ」の機能性を野瀬昭博教授が解説、大学発ベンチャー企業で売れ行き好調
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4807/
黒酵母βグルカンで脂質20%カット、高知大学農学部の永田信治教授が「大学は美味しい!!」でβグルカンを講義
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/3162/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
それでは最後に09年8号(第44号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
iPS・ES再生医療
注目記事を掲載
P.5 リポート
第11回日本RNA学会年会
新潟に350人集まる
P.8 キャリア
第2回「大学は美味しい!!」フェア
27校が出展して集客は10万人超
P.13 BTJアカデミック・ランキング
経産省と文科省の新課長と民主党
P.14 専門情報サイト「FoodScience」
英国発の有機食品論争
P.16 技術シーズ・レター
ライフサイエンス分野 Vol.5
P.22 バックナンバー目次