毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 今週はひょんなことから、以前から気になっていた「アレル物質」という言葉の成り立ちを少し知ることができました。
 今週火曜日(8月18日)、「新型インフルエンザウイルスを独自の電解水技術で抑制できることを実証した」という三洋電機の技術説明会の取材がきっかけとなりました。
※BTJ記事
電解水ウイルスウォッシャー機能は新型インフルにも効果、三洋電機が群馬県衛生環境研究所と確認
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4730/
 この技術説明会には、三洋電機研究開発本部エコロジー技術研究所が5年ほど前から共同研究している、群馬県衛生環境研究所の小澤邦寿所長(兼 群馬県立心臓血管センター外科医師・医学博士、09年春から地方衛生研究所全国協議会会長)が出席して、新型インフルエンザについて解説しました。
 三洋電機は関西の企業というイメージがあったので意外だったのですが実は、三洋電機は、群馬県の法人納税額の最大手の1つだそうです。群馬県の大泉町には、半導体工場など、三洋電機の基幹工場があるのです。
 今回の発表は先に効果を確認した季節性インフルエンザやノロウイルス、黄色ブドウ球菌と同じように、いま問題となっている新型インフルエンザウイルスに対しても、電解水のウイルスウォシャー機能が抑制効果を示すことを確認できた、という内容でした。
 この「技術発表会」の翌日には、今回の新たな知見を元にした新製品を三洋電機が発表しました。
 これまで度々、機能性食品・サプリメントに関連して、このメールでも触れてきましたが、家電業界でも、薬事法などに抵触しかねない効果・効能の説明は、製品発表会ではしてはいけないとのことです。
 この関連についても、業界の自主基準を定めているという、全国家庭電気製品公正取引協議会にこの辺の経緯を聞きました。
 ウイルスや菌などに対する効果については、コントロールに比べて、99%以上減らす効果が認められた場合には、「抑制」という言葉を製品周りで使うことができるとのことです。
 三洋電機の技術発表会の謎の1つ、「99%以上になぜそれほどこだわるか」がこれで分かったような気がします。
 さて、電解水技術の効果について三洋電機は、国内の研究機関や国内外の大学、海外の政府機関、日本の企業など数多くの相手先と共同で検証を進めています。技術発表会では、ウイルスの抑制、細菌の除菌、カビの抑制、脱臭、アレル物質抑制、ホルムアルデヒドなどのVOC除去の効果を調べた実証基幹として、合計12の機関名が記載されていました。
 この効能の1つ「アレル物質」は、以前から家電量販店や車内広告などで見かけて、
気になっている表記でした。
 全国家庭電気製品公正取引協議会にうかがったところ、2005年ほどに決まった名称とのことです。「アレルゲン」という記載は、薬事法などに触れるのでできないので、それを代替できる用語をいろいろと考案して、造語である「アレル物質」という記載にすることに決めたとのことです。
 「隣の芝生は青い」とよく言われますが、青いと思っていた隣の芝生も、うかがってみると、いろいろと苦労がつきないようなのであります。
 公正取引協議会は、公正取引委員会が管轄している景表法(正式には、不当景品類及び不当表示防止法)に基づく自主規制をしているのですが、薬事法や健康増進法などへの配慮も欠かせないのです。
 今週は、7月末に新潟で開かれたRNA学会の関連記事も、いくつかBTJにて報道してます。来週火曜日(8月25日)に発行・公開する「BTJジャーナル」09年8月号にも、RNA学会の記事を掲載する予定です。
※RNA関連のBTJ記事
東大鈴木勉教授らとJBIC、AIST、遺伝研、RNAのイノシン化部位を同定するICE法と次世代シーケンサーでゲノムワイド
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4759/
東大鈴木勉教授ら、質量分析でmiRNAを直接プロファイリング、DB未登録のプロセッシング・バリアントを大量に発見
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4736/
東大、miRNAの作用機構に新メカニズム発見、miRNA医薬の開発に手がかり
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4616/
理研とタグシクスバイオ、PCRと転写で機能する人工塩基対を進化、通常の三リン酸体でPCR増幅できるPxを開発
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4260/
「果てしなく話が細分化している。あっと驚く仕事をやってもらいたい」と日本RNA学会年会の懇親会で志村令郎・自然科学研究機構長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4221/
続報、新潟開催の第11回RNAミーティングに280人、来年は東京で第12回、再来年は京都で国際学会と合同
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4185/
■上記のBTJ記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 メール原稿の締め切り時間が迫ってきましたので、今日はここまでとさせていただきます。
 最後に、先月末にに発行・公開した「BTJジャーナル」09年7月号(第43号)のコンテンツを目次にて紹介します。こちらのコンテンツは全文を無料でご覧いただけます。
ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
P.2 アカデミア・トピックス
筑波で生物学オリンピック
日本代表が初の金メダル
P.5 スペシャル
大学の特許資産ランキング
トップは慶應義塾
P.6 リポート
第8回国際ゲノム会議
第3世代シーケンサー来年登場
P.9 キャリア
農水省最大の競争的資金
イノベーション創出事業
P.13 BTJアカデミック・ランキング
2700億円とiPS・ES、新課長が人気
P.14 専門情報サイト「FoodScience」
食品安全委員会人事
P.15 バックナンバー目次