毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 今週は、月曜日(2009年7月27日)から水曜日(7月29日)まで、新潟の朱鷺メッセで開かれた第11回RNAミーティング(日本RNA学会年会)を取材しました。
 現在のところ、BTJ(バイオテクノロジージャパン)にて以下の3本を報道してます。
※日本RNA学会のBTJ記事
理研とタグシクスバイオ、PCRと転写で機能する人工塩基対を進化、通常の三リン酸体でPCR増幅できるPxを開発
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4260/
「果てしなく話が細分化している。あっと驚く仕事をやってもらいたい」と日本RNA学会年会の懇親会で志村令郎・自然科学研究機構長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4221/
続報、新潟開催の第11回RNAミーティングに280人、来年は東京で第12回、再来年は京都で国際学会と合同
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4185/
 新潟が世界のRNA研究の発祥の地であることを今回、初めて知りました。
 この地の利もあり、第11回RNAミーティングは予想以上の賑わいだったようで、初日に懇親会がすでに満員札止めと聞いて、ちょっとショックだったのですが、若干のキャンセルもあった模様で、なんとか、日本海に面した31階で開催された懇親会に参加することができました。
 「学会には7~8年振りに参加した。RNAプロセッシングのセッションに参加して2つ感じた。1つは、果てしなく話しが細分化している。もう1つは、概念的に理解できないことはほとんどなかった」と懇親会でお話しになられたのは、同学会の初代会長を務めた志村令郎・自然科学研究機構長でした。
 「コンセプショナルに理解できない、あっと驚く仕事をやってもらいたい。そうすれば上に向かって進展できる。細かいことだけだと下ばかりになってしまう。細分化が進む現在の傾向がさらにエスカレートすると、論文が専門誌にしか載らなくなるのでは。専門誌の情報に終わると残念」という志村機構長のメッセージは強く響きました。
 「新潟が世界のRNA研究で重要な場所」というのも、この志村機構長のスピーチに大方を教えていただきました。
 新潟大学には、緒方規矩雄元教授(医学部)が行った世界的なタンパク質合成の研究の歴史があるのです。日本RNA学会年会がこの新潟の地で開かれるのは今回が初めてとのことでした。
 「50数年前、米国で学生だった時代に緒方さんのsRNAの論文を読んだ。10年米国にいて日本に帰ったときに緒方さんにお会いできた。温厚な方だった。緒方さんは優れた生化学的手法で、sRNAを発見なさった。世界で2~3人がほぼ同時にsRNAを発見した。アダプターRNAと先にクリックが呼んでいたものとsRNAとが合わさってtRNAという言葉ができた」と志村機構長はお話しになられました。
 今回大会長を務めている内海利男教授は緒方元教授の直系の弟子。「緒方さんに内海さんは近づきつつあるようだ」と志村機構長。
 この大盛会だったRNAミーティングは来年(2010年)は久しぶりに東京での開催になります。
 大会長は、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻の鈴木勉教授。鈴木教授は東京大学農学部キャンパスにある弥生講堂(定員300人)とセイホクギャラリー(ポスター発表用会場)を10年8月3~5日に予約済みですが、300人ではキャパシティが足りなくなりそうと、さらに大きな会場の確保の検討を進めているとのことでした。本郷キャンパスで大きな会場というと1000人規模の安田講堂が知られています。
 鈴木教授が名を連ねている今11回年会の発表演題数は19件と最多。来年の主宰に備えて、鈴木研究室のメンバーは総動員体制で新潟に集まったようです。
 再来年(2011年)は、11年6月14~19日に京都国際会議場で開催される第16回国際RNAミーティングと合同で、第13回年会を開催されます。国際RNAミーティングの開催地は、日本と上海が候補に上っていたが、昨年のベルリンの会合で、日本開催が決まりました。日本の開催場所は宮崎のシーガイアと、京都国際会議場が候補になっていましたが、京都に決定しました。
 このほか日本RNA学会は若手研究者の交流の場として「RNAフロンティア ミーティング」も開催してます。今年は09年9月26~28日に神奈川県の湘南国際村で開催です。昨年の実績を基に、参加者数は80~100人、発表は40題を見込んでいます。
 メール原稿の締め切り時刻が近づいてまいりました。重要学会といえば、京都で開かれている第36回国際生理学会(IUPS2009)も、BTJにて報道しております。ぜひご覧ください。
※IUPS2009のBTJ記事
IUPS2009、利根川進教授が海馬に蓄えられた記憶の固定化プロセスについて講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4232/
IUPS2009、パッチクランプ法でノーベル賞受賞のNeher博士が発表、シナプス小胞のふるまいを詳細に解析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4231/
4年に1回開催の国際生理学会が京都で開幕、アジア・アフリカからも若手の研究者集める
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4156/
味の素、カプシエイトの作用メカニズムの成果を来週の第36回国際生理学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4127/
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 最後に、先週金曜日に発行・公開した「BTJジャーナル」09年7月号(第43号)のコンテンツを目次にて紹介します。こちらのコンテンツは全文を無料でご覧いただけます。ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
P.2 アカデミア・トピックス
筑波で生物学オリンピック
日本代表が初の金メダル
P.5 スペシャル
大学の特許資産ランキング
トップは慶應義塾
P.6 リポート
第8回国際ゲノム会議
第3世代シーケンサー来年登場
P.9 キャリア
農水省最大の競争的資金
イノベーション創出事業
P.13 BTJアカデミック・ランキング
2700億円とiPS・ES、新課長が人気
P.14 専門情報サイト「FoodScience」
食品安全委員会人事
P.15 バックナンバー目次
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