週末はテニスとサッカーで大変でしたね。
 アウェイで戦うとはこういうことだ。アフリカ大陸で初めて開催されるサッカーワールドカップ、南アフリカ大会の出場権を獲得した土曜日のウズベキスタン戦では嫌になるほど認識させられました。観客の大応援はともかく、ここまで審判団がホームを意識していては、苦戦は免れません。1:0、後半はいつ得点が入っても不思議ではないほどの猛攻に耐え、獲得したアウェイの勝利には意味があります。
 但し、これで本当に本戦でベストフォーが目的と言えるチームなのかは疑問です。今後も得点を挙げた幸運児、岡崎選手の出現を生かし、アジレントなサッカーを徹底すべきです。中村俊輔選手が後半、守備に徹した姿に明るい光が見えました。
 来年のことも意識して、10月のバイオジャパン2009には、南アフリカからもバイオベンチャーが参加する手配は、ちゃっかりしております。どうぞご期待願います。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2856/
 テニスは強い者が勝つ、厳しいスポーツです。全仏の結果は、強いという意味が身体(フィジカル)だけでなく、精神(メンタル)にもあることを示しました。自分に負けたサフィーナが、全米に勝利後のスランプのどん底から這い上がってきたグズネツフォアに完敗しました。男子は最初の3ゲームの猛攻で、初の全仏決勝戦の重圧を味わっていたスダーリンのメンタルを突き崩した、獰猛なフェデラーがストレートで完勝しました。最後の最後で、生涯グランドスラムが本当に欲しかったのでしょう。昨年、同じコートでナダルに完敗、観衆の面前でフェデラーが、泣き出した記憶は強烈です。今年もまたフェデラーは泣きましたが、勿論これは歓喜の涙でした。
 しかし、ナダル対策のために、バックハンドとサービスを強化したフェデラーは従来のテニス選手の枠を逸脱するほど強く成っています。玉の速さ、強さだけでなく、多様な回転を多様なタイミング、打点で組み合わせる、異次元のテニスを展開しました。一つ先のテニスに踏み出しています。多分、メンタルさえ崩されなければ、今年はナダルも撃破したと思います。
 進化し続けるものが勝つ、サブプライムの混迷に、悩むバイオベンチャーやバイオ企業の経営者に爪の垢を飲ませたい。勿論、一つの学問を深掘りするだけで、大進化の可能性に背を向ける大学の研究者にも教訓となります。君たちには、今の世界が求めている新しい知は産み出せない。新しい領域に挑戦し、辛酸を舐めたものだけが、未来を創る権利を持つのです。
 さてバイオです。
 未知の領域に踏み出すためには、新しいアイデアか、新しい道具が必要ですね。
 6月19日午後、品川で開催するBTJプロフェッショナルセミナーは、今後のバイオ研究者や創薬研究者、環境エネルギー関連の研究者など、およそバイオと名付く研究の強力な武器となる、次世代シーケンサーを取り上げます。
 スポンサーのご厚意により、助手、大学院生、学生は無料招待枠を設定しました。有料、無料募集とも会場の制約で、もうすぐ締め切りとなります。どうぞ下記より、アクセスの上、お早めにお申し込み願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/090619/index.html
 いよいよ、イヌのがん治療にも標的医薬が認可されました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2970/
 c-kit遺伝子が異常発現しているイヌの肥満細胞腫の治療薬として、米国食品医薬品局は、米Pfizer Animal Health社に09年6月3日、販売承認を与えました。イヌの抗がん剤としても、米国で初めて認可された商品です。
 「PALLADIA」(一般名:toceranib phosphate)は、c-kit、VEGF受容体2、血小板増殖因子受容体βを阻害する経口マルチキナーゼ阻害剤です。がんの無増殖期間の延長など、人間の標的医薬同様の薬効作用を示しました。副作用もありますが、治療可能な副作用でありました。従来、手術以外は手の施しようのなかった、イヌのがん治療にも光明が出ました。
http://clincancerres.aacrjournals.org/cgi/content/abstract/15/11/3856
 どうも作用機構が、ヒトの標的医薬の抗がん剤に似ています。考えてみれば、市場の小さいイヌの治療薬市場だけのために、抗がん剤が開発されたというのは不自然です。
 よくよく調べると、「PALLADIA」の構造は、Pfizer社が開発したマルチキナーゼ阻害剤、「Sutent」(スーテント)にそっくりで、一部、閉環構造を「PALLADIA」が持つ点だけが異なりました。これによってより経口投与による持続作用を高めたのだと思います。つまりこれは「Sutent」の誘導体の一つであります。「Sutent」は消化管間質腫瘍(GIST:gastrointestinal stromal tumor)や腎細胞がんの治療薬として日欧米で既に発売されています。
http://www.3dchem.com/moremolecules.asp?ID=409&othername=Sutent
http://kinasepro.wordpress.com/2009/06/03/toceranib/
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/3815/
 ヒトで開発された治療コンセプトである、標的医薬が、ヒトの治療薬の領域を越えて、ペット薬に波及しつつあります。これもまた創造的な事業です。
 ペットロスに打撃を受ける老人が増えている老齢化社会現実を直視した結果だと思います。
 皆さんも、この地球上に存在する救いようのない現実を少しでも改善するために、目を見開いて現実を見て、それを解決するために、バイオテクノロジーを活用することを考えていただきたい。進化の燃料がそこにあると思います。
 今週もどうぞお元気で。
          Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
 
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<<BTJブログWmの憂鬱>> 
最新一週間の記事  http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/ 
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2009-06-03  
BTJブログWmの憂鬱2009年06月03日、研究支援体制も進化が必要
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2927/
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2009-06-01   
BTJブログWmの憂鬱2009年06月01日、2009年は日本のバイオジェネリック元年
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2828/
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国内の感染者数は432人の新型H1N1インフルエンザ
ウイルスの系統樹と遺伝子交雑の概念図を
BTJジャーナル09年5月号に掲載
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けのスペシャルサービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」09年5月号を5月末に発行・公開しました。
 国内の感染者数が432人(6月7日夜現在)の新型H1N1インフルエンザウイルスのH1N1の系統樹と、8セグメントの由来を説明した図を、13ページに掲載しています。ぜひご覧下さい。
 「BTJジャーナル」は次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 「新型H1N1ウイルスの出現ですが、あたかもつい最近、ヒト、トリ、ブタ、ヨーロッパのブタインフルエンザウイルスの間で遺伝子交雑が起こったかのように誤解されている方が多いのですが、正確には、すべてブタインフルエンザウイルス由来の遺伝子です。全ての遺伝子がブタインフルエンザ由来であったのは、初めての出来事です。個々の遺伝子のルーツを探るといろいろありますが、もっとも根源的なルーツだけを言うと全てトリになってしまいます」
 これは、掲載した図を作成した日本中央競馬会(JRA)競走馬総合研究所(宇都宮)の生命科学研究室主査の杉田繁夫・薬学博士が、インフルエンザ研究者交流の会のメールで発信した5月26日付けの内容の一部です。杉田さんは、インフルエンザ研究者交流の会の幹事の1人です。
 インフルエンザ研究者交流の会が7月3~5日に東京大学医科学研究所で開催する第23回シンポジウムでは、このH1N1を大きくとりあげることが決まりました。
※BTJ記事
インフルエンザ研究者交流の会、7月3日から5日に第23回シンポを東大医科研で開催、プログラム変更でH1N1に焦点
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2780/
※※記事全文をお読みいただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 無料で全文をご覧いただける「BTJジャーナル」もぜひお楽しみください。PDFファイルは次のサイトからダウンロードできます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
                         BTJ編集長 河田孝雄
BTJジャーナル09年5月号の内容を目次にて紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
09年補正予算で科学技術バブル
文科省は基金で90億円×30課題
P.5 リポート
分子生物学会春季シンポジウム
宮崎シーガイアから黎明の曙光
P.10 キャリア
科学技術分野文部科学大臣表彰
若手科学者賞のバイオ系24人
P.13 コミュニティ
インフルエンザ研究者交流の会
P.14 BTJアカデミック・ランキング
補正予算関連記事が上位に

P.15 専門情報サイト「FoodScience」
文科省の「給食基準」通達

P.19 広告索引