毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 今週は水曜日から金曜日に長崎市で開催されている第63回日本栄養・食糧学会大会に来ています。
 おりからの新型インフルエンザの国内感染拡大のため、長崎でもマスクの売り切れが目立ちます。会場入り口などに消毒液などを準備して、開催されています。
※新型インフルエンザ関連のここ1週間のBTJ記事
NITEと感染研、新型インフルエンザイウルス国内分離株の全遺伝子塩基配列を解読
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2475/
栄養・食糧学会大会が本日長崎で開幕、新型インフル対策を掲示・配布
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2469/
新型インフルがバイオ関連展示会・学会にも影響、KASTは米BIO2009の実機展示取り止め、高分子学会は神戸の大会中止
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2448/
英国政府、GSK社、Baxter社とH1N1インフルエンザ用プレパンデミックワクチンの供給で合意、GSK社は「フランス、ベルギーなどからも興味を示されている」と表明
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2314/
 日本栄養・食糧学会では水曜日は受賞講演会などが開催され、サイエンティフィック・プログラム初日の木曜日午前中はシンポジウム1「中枢と末梢を結ぶ摂食調節機構」を取材しました。
 まずは座長の1人を務めた宮崎大学医学部内科学講座の中里雅光教授が「胃で産生される成長ホルモン分泌促進に働くペプチドグレリンの臨床応用の展開:高容量オクタン酸の摂取による内因性グレリンの発現誘導と代替療法を含めて」と題した内容盛り沢山の講演をなさいました。
 中里教授とは先週の日曜日(5月10日)から火曜日(5月12日)まで宮崎市で開かれた日本分子生物学会の第9回春季シンポジウム「分子生物学の新たな胎動~宮崎から黎明の曙光~」で、宮崎大学名誉教授の松尾壽之さんが「生理活性ペプチド研究と私」と題してスペシャルレクチャーをなさったときにお目にかかっていました。
 松尾名誉教授の講演をはじめとして、この春季シンポの記事ただいま取りまとめ中です。来週月曜日(5月25日)に発行・公開のBTJジャーナル09年5月号にリポートを掲載する予定です。ご覧いただければ幸いです。
※分子生物学会の春季シンポのBTJ記事
宮崎大学農の酒井教授ら、エビに有用なDNAワクチンの効果を自然免疫遺伝子で判定
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2452/
分子生物学会第9回春季シンポ宮崎で開催、市民公開講座に250人、シンポに350人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2062/
 中里教授の講演は「栄養学とペプチド創薬の橋渡し研究」がメーンテーマでした。経鼻投与のGLP-1が、糖の代謝を改善するという結果が、5月18日のキーオープンで明らかになったこともちょっとだけ紹介されてました。
 さて、日本栄養・食糧学会の木曜日の夕方には、森谷敏夫・京都大学大学院教授の講演をちょっと久しぶりにうかがいまして、またなるほどと思いました。
 「NEATを増やすのが、肥満メタボ対策で重要」というメッセージを、「肥満・メタボリック症候群における運動を食事の役割」でお話しでした。
 NEATは、Non Exercise Activity Thermogenesisの頭文字。NEATの消費カロリーはExcerciseより多いのです。多い人で1日800kcal、少ない人だと200kcalくらいとのこと。
 代謝量は座らずに立っていれば1.2倍、歩けば3倍、それが階段なら10倍くらいになる。運動は、インスリンに依存せず、AMPキナーゼを介してGLUT4を活性化できると強調なさってました。MyokineとしてのIL6の話題も紹介するともに、っこ10年の科研費をすべてつぎこんできたという筋肉の電気刺激の成果も。筋肉の電気刺激装置を組み込んだスパッツを履くだけで、代謝を6倍に高めるという成果は、肥満や腰痛、関節痛などで運動できない方々に朗報と思いました。
 森谷教授の講演は、第63回日本栄養・食糧学会大会のイブンイングセミナーとして、ネスレ栄養科学会議が「栄養と運動医科学」をテーマに開催した講演の1つです。
 メール原稿の締め切りが来ました。第63回日本栄養・食糧学会大会の記事リストを以下に記します(ネスレの記事も含む)
※第63回日本栄養・食糧学会大会の関連のBTJ記事
東大とネスレ、「食と生命」の国際共同研究を6月開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2476/
栄養・食糧学会の次回大会は来年5月に徳島で開催、「若手研究者が飛躍」がテーマ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2474/
栄養・食糧学会大会が本日長崎で開幕、新型インフル対策を掲示・配布
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2469/
フジッコ、黒大豆種皮の抗メタボ効果にはプロシアニジンも寄与、神戸大と中部大との成果を学会発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2396/
日本ハム、日本ルナ、血管を柔軟にする鶏コラーゲンペプチドCCOPの成果を学会と展示会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2394/
大塚、エクオール大豆発酵食品の成果を栄養・食糧学会で5件連続発表、女性の更年期症状改善に加え男性の前立腺肥大の予防にも
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2386/
吸収が早いイソフラボンアグリコンの注目度再び高まる、味の素や天野エンザイムが成果発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2219/
静岡大と焼津水産、海洋性アンセリンが運動疲労を軽減、ヒトで初めて実証
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2005/
5月下旬に長崎で第63回大会開催の日本栄養・食糧学会が都内で記者会見、一般演題607件から選んだトピックス21件を発表、企業名は味の素、ユニチカ、焼津水産
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1952/
日本製紙とアサヒが参加する野菜茶業研の抗疲労茶品種育成プロジェクト、フードケミカルバイオロジーと関係深い
LTPはブラジキニンの働きを増強して血管拡張物質の産生を誘導、カルピスが国循との成果を発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1030/
NGF合成促進成分を含むヤマブシタケ、認知症状臨床試験結果をぼけ予防協会会長が報告
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0708/
 最後に「BTJジャーナル」09年4月号(第40号)のコンテンツを目次にて紹介します。こちらのコンテンツは全文を無料でご覧いただけますので、ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
P.2 アカデミア・トピックス
下村脩博士の講演会に4000人
GFP研究のきっかけは偶然
P.4 リポート
米ジョージア州現地リポート
大学連携でバイオの力を蓄える
P.8 キャリア
連載「いいともバイオインフォマティスト」
第5回 末次克行・生物資源研主任研究員
P.12 BTJアカデミック・ランキング
トップ10に農芸化学会記事7本
P.13 専門情報サイト「FoodScience」
メディアパトロール
P.16 広告索引
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