毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 4月から5月の大型連休に合わせて金曜日のBTJメールは2回お休みをいただきましたので、3週間ぶりになります。
 今回の“気になるキーワード”は「ストレス」。日頃、人間や家畜、魚などのストレスの取材をすることが多いのですが、金融機関にも「ストレステスト」というのがあるのですね。金融機関のストレステストは、「健全性審査」とも表記されています。
 昨日は神奈川県の茅ケ崎市で、神奈川科学技術アカデミー(KAST)食の安全・安心プロジェクト研究リーダーで横浜市立大学医学部客員准教授をお務めの板垣康治・医学博士に、食物アレルゲンについておもしろいお話をたくさんうかがってきました。今日金曜日は、4月から「かっぱえびせん」のカニ・エビ表示を更新したカルビーと、海産物関連の食物アレルゲンに詳しい東京海洋大学海洋科学部食品生産科学科准教授の石崎松一郎・水産学博士に取材する予定です。
 4月10日のBTJメールでも少し触れましたが、3月末に東京海洋大学で開かれた日本水産学会の公開シンポジウム「魚介類アレルゲン研究の最前線」の記事をとりまとめ中です。
 この水産学会では、養殖マグロのストレスも、となりの会場で議論されていました。昨日の板垣さんには、作物も、栽培条件などでストレスがかかると、ストレスに応答してPRたんぱく質(感染応答特異的たんぱく質)が増える。このストレス応答たんぱく質は屈強なたんぱく質が多いため、作物を食べたときに消化されにくく、食物アレルゲンになりやすい場合があるとのことです。
 同じトマトでも、品種による違いはもちろんのこと、栽培法の違いによっても、このアレルゲンとなりうるストレス応答たんぱく質の含有量は異なってくるとのことです。
 こんな訳で、金融機関も養殖マグロもトマトも、みんなストレスがキーワード。
 さて、ストレスといえば、4月末から先週までの大型連休は皆さん、どのようにお過ごしになられましたか。1000円効果(副作用)で、高速道路の渋滞は昨年の2倍という報道もありました。渋滞中の運転も、なかなか大変なストレスと思います。
 豚インフルエンザからの新型インフルエンザの対策で、たいへんな日々を過ごされた方も多いのでは、と思います。今週月曜日、火曜日には宮崎で開かれた日本分子生物学会の春季シンポジウムを取材しましたが、米国から帰国したばかりで、大学には入れないのだけど、会場が大学の外が会場のシンポジウムなので、発表できて良かったというお話しも壇上でありました。
※BTJ記事
分子生物学会第9回春季シンポ宮崎で開催、市民公開講座に250人、シンポに350人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2062/
 大型連休中に海外にいたために、帰国後10日間、所属する大学など所属機関に入るのを禁じられている研究者の話題も各所でうかがいました。水際対策の関係者の皆さんのストレスも大変ですが、所属機関に出てはいけないというのも、これまた大きなストレスでは、と思います。
 ストレステストを受けてみたら、興味深い結果が出るのでは。ヒトのストレスを把握する試験法はいろいろと開発されていますが、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部ストレス制御医学の六反一仁教授の末梢血マイクロアレイの論文が、一昨日(5月13日)に東京大学で開かれた寄付講座「機能性食品ゲノミクス(ILSI Japan)」の公開シンポジウム「食品の機能予測とニュートリゲノミクス」で紹介されてました。ストレス対策の社会ニーズは高いのです。
※ILSI寄付講座公開シンポ関連の記事
吸収が早いイソフラボンアグリコンの注目度再び高まる、味の素や天野エンザイムが成果発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2219/
東大が国際的機能性食品科学拠点の構築目指す、寄付講座を活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2160/
24社参加の東大ILSI寄付講座「機能性食品ゲノミクス」第2期、5月13日の公開シンポに200人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2153/
 先週金曜日(09年5月8日)には、連休中もたいへん多忙を極めていたのでは、と思われるインフルエンザ研究者交流の会でも活躍されている杉田繁夫・薬学博士にお話しをうかがうため、宇都宮のJRA競走馬総合研究所の生命科学研究室を訪ねました。インフルエンザ研究者交流の会は7月4日、5日に都内の東京大学医科学研究所で開催されます。
 日経バイオテク・オンライン/BTJアカデミックやBTJジャーナルに、記事をとりまとめて参ります。ぜひご覧いただければと思います。
 以下は最近の新型インフルエンザ関連のBTJ記事のリストです。中には、全文無料でご覧になられる記事もあります。お楽しみください。
※新型インフルエンザ関連のBTJ記事
Imperial College Londonほか、H1N1新型インフルエンザ流行の傾向について中間まとめ発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2149/
ヤクルト本社、がん化学療法剤「エルプラット」中心に医薬品堅調
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2157/
海外発表、Pure Vaccine Solutions社、インフルエンザの新規ワクチン標的を発見
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2061/
塩野義、抗インフルエンザウイルス薬ペラミビルは09年中に申請へ、がんワクチンは国内では独自開発可能と表明
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2057/
日経バイオテク5月11日号、編集長の目「新型インフルエンザの発生が世界の耳目集める」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2008/
3月の農芸化学会の機能性食品発表件数は免疫が前年比1.5倍に急増、清水誠・東大教授が分析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1956/
UMNファーマ、H1N1新型インフルエンザ用ワクチンの製造を計画
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1883/
海外発表、ドイツのBNITM、QIAGEN社検査キットを使ってH1N1インフルエンザを検知
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1879/
海外発表、Life Technologies社、インフルエンザA型(H1N1)対策する保健機関を試薬などで支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1880/
海外発表、米CEL-SCI社L.E.A.P.Sを使ったワクチンが感染防御能を見せたと発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1882/
ワクチン予防議連が新型インフルエンザ対策で緊急提言、輸入ワクチンの活用も視野に供給体制強化求める、ワクチン開発には課題山積
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1819/
海外発表、CombiMatrix社、インフルエンザ検出システムに豚インフルエンザのゲノム情報をアップデート
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1816/
厚労省、2009年度補正予算で未承認医薬一掃と新型FLU対策に本腰、審査員100人増員し、スーパー特区の研究費も確保
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1820/
BTJブログWmの憂鬱2009年04月30日、重要なのは豚インフルエンザウイルスのゲノム情報
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1812/
豚インフルエンザA(H1N1)のゲノムデータが公開
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1765/
続報、厚生労働省、新型インフルエンザの発生を宣言、
OIEは「北米インフルエンザ」と呼ぶよう提唱
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1745/
豚インフルエンザで、厚労省は情報共有連絡室を立ち上げ電話相談を開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1657/
新型インフルエンザ専門家会議、H5N1型用ワクチンの臨床研究で、安全性に問題なく、免疫反応は誘導
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1654/
 このうち、後ろから4番目の4月28日の豚インフルエンザの記事は、同日午後に都内で開かれた「第2回 21世紀の食を考える勉強会 『食』産業と健寿社会の正しい発展を目指して─21世紀に相応しい産・学・官・民の協調と『食』の科学の育成─」(主催:NPO法人 21世紀の食と健康文化会議(理事長:細谷憲政・東京大学名誉教授))の会期中にまとめたものです。
 この勉強会では、「『食』の効能を有効に活用するための課題と協調体制」をテーマとしたパネルディスカッションに、岩元睦夫氏、神田敏子氏、合田敏尚氏、近藤和雄氏、清水誠氏、津金昌一郎氏がパネリストとして登壇し、唐木英明氏が司会を務め、アドバイザーとして板倉弘重氏、内山充氏、長尾拓氏、山野井昭雄氏、中村丁次氏、細谷憲政氏らが参加しました。こちらも、ただいま記事とりまとめ中です。
 そろそろメール原稿の締め切りが迫ってきました。最後に4月24日に発行・公開した「BTJジャーナル」09年4月号(第40号)のコンテンツを目次にて紹介します。こちらのコンテンツは全文を無料でご覧いただけますので、ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
P.2 アカデミア・トピックス
下村脩博士の講演会に4000人
GFP研究のきっかけは偶然
P.4 リポート
米ジョージア州現地リポート
大学連携でバイオの力を蓄える
P.8 キャリア
連載「いいともバイオインフォマティスト」
第5回 末次克行・生物資源研主任研究員
P.12 BTJアカデミック・ランキング
トップ10に農芸化学会記事7本
P.13 専門情報サイト「FoodScience」
メディアパトロール
P.16 広告索引
 ぜひ「BTJジャーナル」をダウンロードしてお楽しみください。パソコンでご覧いただくと、リンク先の情報もすぐに入手できます。プリントアウトをお読みいただくなら、カラーをお勧めします。
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn
 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードしていただくと(無料)、ご覧いただけます。オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルですので、ぜひお楽しみください。
 ご意見などは以下のフォームから受付します。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html