こんにちは。水曜を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。ゴールデンウイークの関係で水曜のBTJ /HEADLINE/NEWS(SOLUTIONS)を発行するのは4月22日以来になります。
 この間、何と言っても大きなトピックは新型インフルエンザが発生したことです。既に連日大きく報道されている内容をいちいちなぞりませんが、当編集部にもいろいろと影響が出てきています。
 まずは弊社が海外渡航者については10日間自宅待機した後、健康状態を確認してから出社するという対策を取ったため、現在、記者2人と編集アシスタントが自宅待機となっています。その分、私も含めて他の記者が取材に飛び回っていますので、編集部に電話をいただいても誰も出ず、ご迷惑をおかけしているかもしれません。何とぞお許し願います。
 また、私自身も18日から米ジョージア州アトランタで開催されるBIO2009に参加を予定していたのですが、諸々の事情から参加を断念しました。世界のバイオ産業のトレンドを理解できる貴重な機会として楽しみにしていたので、少し残念です。ただ、日経バイオテク本誌にWORLD TRENDというコラムを執筆している科学技術ライターの平崎誠司さんが参加されるので、現地のリポートをお願いしました。Obama政権発足後に初めての開催となるBIO2009では、どんなトピックが注目を集めるのか。世界のバイオ産業の動向を伝えるホットなリポートは、日経バイオテク本誌に掲載する予定ですので、どうぞお楽しみにしてください。
 ただ、今回の新型インフルエンザに対する対策を見ていると、首を傾げたくなる点もあります。検疫についてはWHO(世界保健機関)は当初から否定的な考えを示していましたが、厚生労働省は検疫を中心とする水際対策に力を入れてきました。日本での感染者も実際に機内検疫で見つかったわけですから(1人は機内検疫をすり抜けたことになっているそうですが)、検疫に一定の効果があったとはいえるかもしれませんが、潜伏期間がある以上、検疫ですべて防げるわけではないのは確かです。本来、医療現場にいるべき医師まで動員して検疫を続ける意味がどの程度あるのかは、再検討すべきかもしれません。
 そもそも、新型インフルエンザのガイドラインが、高病原性のH5N1インフルエンザウイルスによるパンデミックを想定したもので、今の新型インフルエンザの性質と合致していないところに問題があるのかもしれません。ウイルスの性質などがまだよく分からない時点で取られた初動体制は適切だったと思いますが、その性質が明らかになってきたところで、ガイドラインを見直していくことも必要なように思います。もっとも、インフルエンザウイルスは変異しやすいので、毒性の強い変異株が出現しないか、監視を続けることは重要なのでしょうが。
 ともあれ、新型インフルエンザのおかげで編集部の取材体制が少し手薄になっていますが、外部のスタッフの協力も得ながら、企業の決算発表や学会、シンポジウムなどのニュースを毎日配信しています。新型インフルエンザの関連では、ワクチンや抗ウイルス薬などのニュースも多数報じていますので、ご覧ください。
海外発表、Pure Vaccine Solutions社、インフルエンザの新規ワクチン標的を発見
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2061/
塩野義、抗インフルエンザウイルス薬ペラミビルは09年中に申請へ、がんワクチンは国内では独自開発可能と表明
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2057/
UMNファーマ、H1N1新型インフルエンザ用ワクチンの製造を計画
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1883/
海外発表、ドイツのBNITM、QIAGEN社検査キットを使ってH1N1インフルエンザを検知
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1879/
海外発表、Life Technologies社、インフルエンザA型(H1N1)対策する保健機関を試薬などで支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1880/
海外発表、米CEL-SCI社L.E.A.P.Sを使ったワクチンが感染防御能を見せたと発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1882/
ワクチン予防議連が新型インフルエンザ対策で緊急提言、輸入ワクチンの活用も視野に供給体制強化求める、ワクチン開発には課題山積
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1819/
海外発表、CombiMatrix社、インフルエンザ検出システムに豚インフルエンザのゲノム情報をアップデート
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1816/
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJ/HEADLINE/NEWSの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
 
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BTJジャーナル09年4月号を発行・公開
ノーベル賞とカイコゲノム、米CDCなど掲載
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けのスペシャルサービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」09年4月号を先月末に発行・公開しました。
 「BTJジャーナル」のPDFファイルを次のサイトでダウンロードして、ぜひお楽しみください。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 巻頭の“緑”コーナーは「アカデミア・トピックス」。GFPの発見でノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が3月に帰国し、母校の長崎大学や名古屋大学、それに東京、千葉などで相次いで記念講演を行いました。この話題をお届けします。GFPの研究に着手したきっかけは「まったくの偶然」というから驚きです。「今研究の拠点を選ぶなら、米国より日本」と下村博士。特に日本の理研に興味をお持ちでした。
 “青”コーナーは「リポート」。今号は、世界最大級のバイオ展示会BIO2009を控える米ジョージア州の現地取材リポートを掲載しました。金融危機のあおりで基幹産業が打撃を受ける中、バイオ産業の育成に注力しています。医薬研究の後方支援やバイオ燃料拠点充実など、バイオ研究力を高める大学連携から、米国の底力が垣間見えました。。
 “赤”コーナーの「キャリア」は、バイオインフォマティクスの研究仲間を次々と紹介してもらう「いいともバイオインフォマティスト」の第5回。カイコゲノムの論文を09年2月に発表した農業生物資源研究所昆虫科学研究領域の末次克行・主任研究員に、バイオインフォマティクスに転身した経緯をうかがいました。木工具の磨耗研究で学位を取ったが、D3(博士課程3年)の時、10年後を見据えて転身を決断しました。
 BTJジャーナルのコンテンツはPDFファイルをダウンロード(無料)すると全文をご覧いただけます。ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
P.2 アカデミア・トピックス
下村脩博士の講演会に4000人
GFP研究のきっかけは偶然
P.4 リポート
米ジョージア州現地リポート
大学連携でバイオの力を蓄える
P.8 キャリア
連載「いいともバイオインフォマティスト」
第5回 末次克行・生物資源研主任研究員
P.12 BTJアカデミック・ランキング
トップ10に農芸化学会記事7本
P.13 専門情報サイト「FoodScience」
メディアパトロール
P.16 広告索引