毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 ここ1週間、報道してきた話題は大半が、機能性食品関連の記事です。日経バイオテク09年4月27日号に特集記事を掲載するため、特集のパーツとなる記事を重点的に報道しているためです。
 1984年度から始まった、文部省の特定研究「食品機能の系統的解析と展開」(主任研究者:藤巻正生さん)が、食品の機能性研究に組織的に取り組んだ世界の先駆けとなるものでした。それから25年、四半世紀が経ちました。
 ここ1週間の記事のうち、食品関連の記事リストを以下に示します。
※BTJ記事
日本食品免疫学会、設立5周年記念学術大会(JAFI 2009)を5月下旬に本郷で開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1441/
個別評価型病者用食品の第1号キリン「発芽大麦[GBF]」、今月からヤクルトが製造販売
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1410/
豆味噌に続き米味噌も減菌化へ、マルサンアイが山梨大と抗菌活性乳酸菌に取り組む
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1408/
14品目許可でトクホ総数は847に、企業統合でランキングに変動
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1394/
東大ILSI寄付講座「機能性食品ゲノミクス」第2期に22社参加、5月13日に公開シンポ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1390/
渡邊昌・理事長が隔月誌「医と食」を創刊、大塚製薬や不二製油などが協賛
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1370/
海洋大・慶大・名大ほか、AII受容体に作用して血圧を下げるクワ科植物葉の成分を同定
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1368/
味の素が「あしたのもとメディア懇談会」を開催、5月発売「栄養ケア食品」のBCAAスープ試食
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1278/
 特集記事では、3月末の福岡の日本農芸化学会で人気が高かったシンポジウム「フードケミカルバイオロジー」の話題を中心にとりまとめ中です。今日は、2年前の60周年の日本栄養・食糧学会の講演で、「奇をてらって」フードケミカルバイオロジーというキーワードを初めて紹介した、東京大学大学院農学生命科学研究科教授の清水誠さんにお話しをうかがいました。
 昨年は赤ワインのポリフェノールであるレスベラトロールのベンチャーに、7億ドルの値段がつきました。食品中の注目成分が作用する標的分子の研究一覧を見ると、NatureやScienceなどそうそうたるジャーナルに成果論文が掲載されていることが分かります。この一覧は、九州大学大学院農学研究院准教授の立花宏文さんらがお調べになったものです。
 この4月からは、数十年ぶりに改訂された、新たな特別用途食品の制度が始まりましたし、来年から5年間使用する「日本人の食事摂取基準」(栄養素の目安量、耐用上限量、目標量などを定めるもの)が決まりました。
 特別用途食品には「病者用食品」というカテゴリーがあり、「病名」を明記できるという点で、トクホ(特定保健用食品)に比べて大きなアドバンテージがあります。
 しかし、企業が研究成果をもとに新規にヘルスクレームを獲得する、個別評価型の病者用食品は、事業としてはなかなかむずかしいようです。その第1号商品は、事業の主体が、キリンからヤクルトに移りました。
 病者用食品など特別用途食品のエビデンスを、東京大学大学院薬学系研究科・医薬政策学特任教授の津谷喜一郎さんらが精査しまして、その成果が、国立健康・栄養研究所のウェブサイトにて、5月の連休明けくらいに公開になるとのことです。コクランなどのデータベースを用いてシステマティックレビューを行った「構造化抄録」と呼ばれるものです。「似たような商品が医薬品と食品の両方に存在している」と、日本学術会議パブリックヘルス分科会・日本衛生学会合同の公開シンポジウムで、津谷さんはお話しでした。日本薬局方の葡萄酒があることも紹介なさってました。EBMの最新の02年版では、好み(プレファレンス)が、研究のエビデンスよりも重要という位置づけになってきたという図もお示しでした。
 そろそろメール原稿の締め切りが迫ってきました。
 最後に先週半ばに発行・公開した「BTJジャーナル」09年3月号(第39号)のコンテンツを目次にて紹介します。こちらのコンテンツは全文を無料でご覧いただけますので、ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
P.2 アカデミア・トピックス
再生医療学会に1800人超
実用化目指し活発に議論
P.5 リポート
情報の循環を改善する
統合DBプロジェクト本格化
P.10 キャリア
08年ノーベル化学賞の
下村脩博士が記者会見
P.12 日経BP技術賞が決定
P.13 BTJアカデミック・ランキング
再生医療議連の提言案がトップ
P.14 専門情報サイト「FoodScience」
P.15 広告索引
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