こんにちは。水曜を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 東京は桜が満開で、昨夜は編集部を挙げて靖国神社まで夜桜見物に出かけました。靖国神社は露店が充実しているので、何の準備もせず、手ぶらで行っても宴会ができる優れたところです。昨夜は風もなく暖かでしたが、満開の桜の木の下で一杯やっていると、はらはらと花びらが降ってきて、得も言われぬ美しさでした。靖国神社のさくらまつりは今夜までということでしたので、お近くの方はのぞいて見て下さい。
 さて、先週のこのメールで、学会を取材する際に校閲を要求されて困惑したという話を紹介したところ、たくさんの方から反響というか、ご意見をいただきました。ちなみに、先週書いた内容は下のリンク先でご覧いただけます。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/BTJ/archives/2009/04/202098.html
 (BTJ/HEADLINE/NEWSのバックナンバーは、08年1月分以降、Biotechnology Japan のサイトのメールマガジンアーカイブのコーナーでお読みいただけるようにしてあります)
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/thema.jsp
 いただいたご意見の多くは、もっとオープンな学会運営をしていただきたいという趣旨に賛同していただけるものが大半でしたが、中にユニークなご意見があったので紹介させていただきます。
 「本来の『学会』は『発表会』ではありません。論文として世に出された成果を発表するのが『学会』ではなく、論文になる前の未発表データを発表し学会員との間でディスカッションして、研究の方向性や意義、気がつかなかったさまざまな点を議論しあう場です。米国の学会では、論文として既に出されたものは演題としないというところもあります。ですから、米国のある種の学会では、写真撮影や録音は固く禁じられています。その『学会』の場での未発表データを『取材』し学会員以外の不特定多数に報道すること自体が、ありえない非常識なことだという解釈も成り立ちます。したがって,学会としてプレスリリースとして報道発表する以外の内容を演者や学会事務局の許可もなく、勝手に報道?されるのは、研究者からすると、信じられないとんでもないことだとも考えられます。『誤った報道をされて迷惑を被るのを避けたい』という事情とは、全く関係ありません。学会に勝手に報道関係者が入ってくるのは許せません。学会は閉鎖的なものでなければ、研究者は安心して未発表(論文になる前の)データを発表することができないですから。その研究成果は、いずれ論文として発表されれば、すべての人たちが自由に読めオープンになりますが」
 このご意見はよく理解できます。だからこそ、事前に学会の事務局などに連絡して、取材が可能かどうかを確認してから取材に行くようにしているわけです。私に限らず、勝手に立ち入るような報道関係者は恐らくいないと思います。
 ただ、事務局が許可しても、個々の演者が報道される可能性を認識していなかった場合に、未発表のデータなどが報道される可能性があるのは確かです。だから私は記事にしようと思った発表については、極力演者にその旨を伝えるようにしていますが、シンポジウムなどで演者が多数いる場合など、その場で全員に確認するのが困難な場合もあります。
 望むらくは、学会サイドで自由に報道できるセッションとそうではないものを峻別しておいてもらえるとありがたいのですが、事務局としてはそれだけの手間をかけられないので、「記事にする前に演者に許可を受けろ」と求められているのでしょう。そこまでは理解します。
 問題は、「記事にする前に校閲させろ」と要求することなのです。いろいろな方に取材をしていると、当然のように「掲載前に見せてね」と言われる方がいますが、報道する側にとっては、これはあり得ないことなのです。オープンイノベーションの時代に、大学などの研究者の方も取材を受ける機会は増えていると思いますが、研究者の方々には報道関係者との付き合い方を理解してもらえればと思います。それから、学会での専門家によるディスカッションは、取材する立場としても非常に興味深いものであり、科学の方向性などを理解する上で役に立つものなので、極力、報道関係者に対してオープンであってもらいたいという、これはお願いです。
 前回の学会取材に関する話の続きになってしまいました。アカデミアの関係を含めて幾つかおもしろい取材をしましたので、そちらは日経バイオテク・オンラインで報道していくことにします。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/index.jsp
 また、大学や公的研究機関の方向けに記事を厳選してお届けするBTJアカデミックも用意していますので、そちらのご利用もご検討ください。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/0146/
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
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GFPの発見で08年ノーベル化学賞の下村脩博士が日本で記者会見と記念講演、【創刊3周年】BTJジャーナル09年3月号で下村脩博士のコメントをご覧ください。
BTJジャーナルのダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」09年3月号を先月末に発行・公開しました。
 “赤”コーナーの「キャリア」では、2008年ノーベル化学賞を受賞なさった下村脩博士の記者会見のもようをお伝えしてます。下村博士は09年3月23日に東京で記者会見に応じ、翌24日に記念講演をなさいました。
 3月25日の夜に発行・公開した「BTJジャーナル」09年3月号に、記者会見のもようを盛り込みました。BTJジャーナルはPDFファイルをダウンロードしていただくと、どなたでも全文をご覧いただけます。ぜひお楽しみください。
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
※下村博士関連のBTJ記事リスト
「天の導くままに─発光生物と半世紀」と題して下村脩博士が講演、きっかけは偶然、「名大の江上さんが留守だった」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0863/
発光キノコの発光メカニズムを解明したい、下村脩博士が記者会見で熱意
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0859/
ノーベル化学賞の下村脩博士が東京で3月23日に記者会見、3月24日に記念講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0855/
内藤賞受賞の上村大輔・慶大教授、マリンメタゲノムは沖縄OISTと取り組む
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0147/
 
続報、ノーベル化学賞の下村博士の1962年論文、被引用数が90年代から急増して08年に最多更新
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/6598/
速報、ノーベル化学賞をまたまた日本人が受賞、緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見で下村脩博士
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/6597/
それでは最後に09年3月号(第39号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
再生医療学会に1800人超
実用化目指し活発に議論
P.5 リポート
情報の循環を改善する
統合DBプロジェクト本格化
P.10 キャリア
08年ノーベル化学賞の
下村脩博士が記者会見
P.12 日経BP技術賞が決定
P.13 BTJアカデミック・ランキング
再生医療議連の提言案がトップ
P.14 専門情報サイト「FoodScience」
P.15 広告索引
 ぜひ「BTJジャーナル」をダウンロードしてお楽しみください。パソコンでご覧いただくと、リンク先の情報もすぐに入手できます。プリントアウトをお読みいただくなら、カラーをお勧めします。
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn
 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードしていただくと(無料)、ご覧いただけます。オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルですので、ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄