本日は皆さんにお願いが2つあり登場いたしました。
 第一のお願いは、3月30日午後、東京品川でBTJプロフェッショナルセミナーを緊急開催することになり、その日時を確保願いたいというものです。
 今回は統合オミックスという概念を提唱し、実証してみたいと思っております。21世紀に入り猛烈な勢いで進んだオミックス研究ですが、得られた膨大なデータと寄せられた大きな期待に比べ、現在までに結実した果実は小さいと思います。
 オミックスを活かし、新しいバイオマーカーや新薬の創製に繋げる突破口として、オミックス研究の統合を皆さんと議論したいと思います。既に良いデータも出てきています。どうぞご期待願います。
 しかも、今回はあまりに急なため、課金システム構築が間に合わず、参加料無料で皆さんをご招待いたします。応募者多数の場合はお断りすることもありますので、どうぞご了解願います。
 実際に応募開始の時は改めて、メール差し上げますので、どうぞ日程の確保だけはお願いいたします。年度末ですが、皆さんとお会いすることを楽しみにしております。
 さて、第二のお願いは、BTJジャーナル09年2月号のダウンロード(無料)のお勧めです。
 今回は京都大学の山中伸弥教授らと熾烈な争いを繰り広げている米Harvard大学の研究グループの成果をまとめました。低分子化合物によるiPS細胞の誘導、さらには初期化を排除した直接分化誘導法など、彼らの成果にはめまいを覚えるほどです。是非ともお読みいただきたい。
 加えて、プレ・ノーベル賞としての実績も積み重ねている日本国際賞(第25回)と、若手研究者のモチベーション高揚への寄与が期待されている日本学術振興会賞と日本学士院学術奨励賞(いずれも第5回)の受賞者の紹介記事も注目です。どうぞ下記よりダウンロード願います。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 
 くどいですが、3月30日午後、東京品川でお会いいたしましょう。
      Biotechnology Japan Webmaster  宮田 満
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昨日、浜松ホトニクスの総合展の初日を取材しました。
今週は、最近ショックだった2つの話題を。
1)個の栄養指導の筆頭、葉酸は効かない
2)信頼できる栄養疫学とはいったい
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けのスペシャルサービス「BTJアカデミック」はこちらから
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 毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田です。
 今週は月曜日から水曜日まで、BTJジャーナルの編集・制作が業務の中心でした。BTJジャーナル09年2月号は水曜日夜、発行・公開しましたので、お楽しみください。
 発行・公開の作業が一段落したので、昨日木曜日(09年2月26日)は、午前中に日本化学会(東京・お茶の水)の記者会見に出てから、午後は、浜松ホトニクスの総合展「PHOTON FAIR(フォトンフェア) 2009」を取材しました。この総合展、1980年に大阪と東京で開催したのが初開催とのことで、今回は5年振りの12回目。前回、今後の50年をテーマとして開催したのに続き、今回はそれを細分化して、今後5年、または10年後の研究・技術開発および製品開発のロードマップを示すということで、製品展示や講演会、セミナーで構成しています。明日土曜日(2月28日)までの3日間で4000人ほどの参加者を見込んでいるとのことです。
 京都大学の山中伸弥研究室に今年初めに納入したという「NanoZoomer」(病理組織ガラススライドを高速・高解像度でスキャンし、デジタルスライドに変換するシステム)や、北海道大学大学院の金城政孝教授らがプリオンたんぱく質の抗原抗体反応を検出した蛍光相互相関分光(FCCS)ユニットなど、盛りだくさんでした。
※金城さんの記事はBTJジャーナル08年4月号「光イメージング」特集をご覧ください。
※BTJ記事
BTJジャーナル08年4月号(第28号)を発行・公開、
光イメージングを特集、北大の近江谷教授と金城教授が登場、
「大学は今」は京大の山中研究室
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9479/
北大医学部に光イメージングセンター発足、
5カ年計画で初年度予算は約1億4000万円
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/2392/
 光で検出・観察する、というのは今後ますます発展していきそうです。会場中央のプレゼンテーションステージでは、マンモグラフィの紹介もありました。光マンモグラフィは、X線マンモグラフィと比べ、解像度が格段に高いようです。
 講演会では、浜松ホトニクスの代表取締役会長兼社長の晝馬輝夫氏が「光で何ができるか」という演題を予定していたのですが、取り止めになっていました。ご体調が気がかりです。
 先週土曜日は、高校を卒業してから初めて開かれた、学年全体(8クラス、およそ400人)の大同窓会に参加しました。学校の食堂に、130人ほどが集まりました。引き続き開かれた2次会はクラス単独の同窓会。こちらは毎年、開催されているのですが、今回はおよそ半分の方が参加しました。
 同窓生に医師が多いので、ついつい特に最近の関心事である日本の医療制度について、いろいろとお話しをうかがいました。医師の同窓生は、学年全体だと100人ちょっと、クラスだと49人中19人が医師ということのようです。比率は学年全体だと30%弱なのですが、何故かクラスだと40%と高いのです。
 多くの方から聞いた意見として特に印象に残ったのは、医療への市場原理導入の件です。市場原理の導入は、間違いではないかもしれないけど、現在の日本の医療制度では、特定の医療行為の価格が、実施する医師が熟練者であっても、新米であっても一定という制限がある。このような制度の下での市場原理導入は、うまくいかないのでは、とうかがいました。
 また、3月の千葉県の県知事選が話題になってますが、この千葉県が先行事例として有名な女性外来、「指名されるとやめちゃって他院に移る」が多発していて、制度の維持が大変というのも、驚きでした。ともかくも日本の医療の現場は大変なことになっていると、改めて思いました。
 医学部の教授などアカデミアの要職についている方も多いので、なぜ捏造が絶えないのか、最先端の研究者からは怪しいデータは分かるもの、といった話もうかがいました。アカデミアで客観的評価の指標として、トップジャーナルへの論文発表ばかりが過大評価されているのが、そもそもの問題点といえそうです。
 先日のNHKスペシャル「沸騰都市 シンガポール 世界の頭脳を呼び寄せろ」では、Nature、Cell、Science以外は評価されない、といった話も紹介されていました。日本も、ジャーナルのインパクトファクターが、研究者の研究業績の評価指標として一人歩きしている、世界では数少ない国の1つと聞いています。
※インパクトファクター関連のBTJ記事
ブラジル産プロポリスのアルテピリンCの神経線維形成機構を解明、山田養蜂場が吉備国際大学との成果論文を発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0083/
 
NIASなどがカイコ・ゲノムの塩基配列を高精度で決定、日中共同研究成果を公開
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9711/
「理研RCAIの論文の引用度は高い、世界の有名免疫研究機関に劣らない」と谷口RCAIセンター長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9693/
  
研究成果の客観的評価を支援する論文DBがさらに進化、Thomson社とElsevier社が競う
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9642/
 
米Thomson Reuters社、ジャーナルの実績を多面的に評価するEigenfactor Metrics などをJCRに導入
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9186/
  
BTJジャーナル08年12月号(第36号)を発行・公開、
生物物理学会・BMB2008の若手支援をリポート、
連載「大学は今」はスーパー特区、
キャリアはインパクトファクターの進化とhインデックス
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8533/
 続いて、ここ2週間ほどの取材で特にショックに感じた、2つの話題をお届けします。
1)個の栄養指導の筆頭、葉酸は効かない
2)信頼できる栄養疫学とはいったい
の2つです。
1)葉酸は効かない、というのは、09年2月13日に東京商工会議所で開かれた「ビタミンB研究委員会 平成20年度シンポジウム」(主催:ビタミンB研究委員会、委員長:左右田健次氏)でうかがいました。
 大腸がんの予防に効果があるのでは、と期待された葉酸は、米国などで90年代から行われた介入研究で、否定されてしまい、現在は打ち止め状態とのことです。
 この試験はもともと、エピジェネティクスのメチル基供与と関連する葉酸やビタミンB12、ビタミンB6について、DNAのメチル化から遺伝子のスプライシングを介して、発がんを抑制できるのでは、といった期待から、米国で90年代から相当な予算が投じられたとのこと。葉酸はダメという結果となり、現在は、ビタミンB6に期待が集まっているようです。
 この一連の話の多くは「B群ビタミンとがん予防」と題して講演した広島大学の加藤範久さんが発表になられた内容です。
 あのサプリメント大嫌いの厚生労働省が02年末に初めて必要性を認める通知を出した栄養素が、葉酸ですし、トクホの疾病リスク低減の栄養素にも指定されているので、健康増進に寄与するエビデンスは“ぴっかぴか”だとは思うのですが。1次予防と、2次予防とで、期待される効果に大きな違いがあるという典型例の一つのようです。
 葉酸の有益性を改めて確認できるということもあり、来週月曜日(3月2日)には、「メタボリックシンドロームと葉酸~メタボによる脳卒中を葉酸が予防~」と題する香川靖雄・女子栄養大学副学長の講演をうかがう予定です。香川副学長は、日清製粉グループ本社と関連する(財)食生活研究会が開く「第16回『食と健康』講演会」で2番目の講師をおつとめです。
2)信頼できる栄養疫学とはいったい
は、09年2月17日に昭和女子大学(東京・世田谷)で開かれた第4回ILSI Japanライフサイエンス・シンポジウム「日本の食生活と肥満研究部会報告会」で、「栄養疫学の可能性と課題─肥満などの要因解析に向けて─」と題して講演した結核予防会の岡山明・第一健康相談所長(生活習慣病予防センター長、生活習慣病研究センター長も兼任)の講演で学んだ印象です。岡山所長は、栄養疫学研究の困難さとデータ継続維持の重要性を訴えていました。
※BTJ記事
日本1億円負担の国際共同研究INTERMAP、「賞味期限はあと2~3年」と、岡山明・結核予防会所長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0126/
 観察研究の栄養疫学や介入試験など、日頃、食品や栄養素の健康効果などを報道することが多いのですが、エビデンス度を高めるのはなかなか困難だと、改めて考えてしまいました。
「栄養調査は、不完全定理と言っている。詳細に調べれば調べるほど、食生活が変わってしまう」「栄養介入試験はかなり怪しい。エネルギー摂取量や脂質摂取割合などから見ると、個人の食事は1週間程度を平均すると一定の範囲に含まれる。これを食習慣と呼ぶ。何か食べるということは、そうでない何かを食べなくなるということ。各個人の摂取量はほぼ一定で、エネルギー摂取量はコントロールできない」とのことです。
 栄養疫学研究では、がん関連と、循環器関連とで、大きな違いがあることも知りました。「米Harvard大学の公衆衛生など、がんの栄養疫学研究は、ものごとを単純化する方向で進んでいる。これに比べ、血圧・循環器系は複雑なので丁寧な解析が必要になっている」とうかがいました。
 日本でがん関連の栄養液学というと、津金昌一郎・国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部長らのJPHC Study(厚生労働省がん研究助成金による指定研究班「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」)が代表的かと思います。
 いうまでもなく、津金部長らの研究は世界的に高い評価を受けていて、論文を量産しています。
※津金部長のBTJ関連記事
国立がんセンター
遺伝子解析で大腸腺腫の発生リスクを研究へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2002/8817/
文科・厚労省、次期ガン戦略策定に向け、第1回有識者会議を開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/0001/5930/
 栄養疫学というと、国立健康・栄養研究所から東大教授に転進なさった佐々木敏・東京大学大学院社会予防疫学のご講演も何回かうかがったことあります。
 食品の介入試験では、石川秀樹・大阪中央病院消化器科部長のプロバイオティクスや食物繊維の成果、西野輔翼・立命館大学COE推進機構特別招聘教授のカロテン類の成果が代表的かと思いますし、もちろんトクホ(特定保健用食品)のヒト試験で新たなビジネスモデルを構築して栄華を誇った、総医研ホールディングスの梶本兄弟(梶本佳孝社長、梶本修身取締役)が思い起こされます。
※関連のBTJ記事
酒井敏行・京都府立医大教授ら、
分子標的食品成分でがん予防、
錠剤や飲料を創製へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/4670/
「乳酸菌L.カゼイ・シロタ株ができること」
ヤクルト本社が多数の論文画像を掲載した
企業広告を初発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/2801/
琉球大・沖縄国際大・東大、伝統的沖縄食は血圧下げる、チャンプルースタディー3回目の成果を高血圧学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/6632/
抗疲労・癒しビジネスの市場は2020年度に12~16兆円、07年度比5倍超と大阪市が発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0157/
総医研が中間決算会見、抗疲労トクホの初承認は2010年の見込み
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0008/
写真更新、トクホの新ヘルスクレーム実現には、国内外の複数の研究グループによる結果の支持が必要、清水誠・東大教授が講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/0004/
大阪市大COE・総医研、抗疲労効果をヒト試験で検証した成果が相次いで論文発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7326/
 そろそろメール原稿の締め切りが迫ってきました。
 最後に一昨日夜に発行・公開した「BTJジャーナル」09年2月号(第38号)のコンテンツを目次にて紹介します。お楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
09年2号(第38号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 アカデミア・トピックス
急速に進む低分子iPS細胞
誘導法と直接再分化法
JST合同シンポ
P.4 リポート
遺伝子改変実験動物と
レギュラトリーサイエンス
食品安全委員会
P.8 キャリア
日本国際賞
日本学術振興会賞
日本学士院学術奨励賞
P.11 BTJアカデミック・ランキング
日本学術振興会賞がトップ
P.12 専門情報サイト「FoodScience」
パブコメの役割
P.13 広告索引
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