毎週金曜日のバイオテクノロジー(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田です。今年もよろしくお願いします。
 今日は午後、水天宮のホテルで開催された日本健康・栄養食品協会の賀詞交歓会に参加しました(原稿締め切りはお昼ですが、読者の皆さんのお手元に届くのは夕方なので、過去形にしてあります)。
 来週は、バイオ関連主要3団体の以下の賀詞交歓会に参加する予定です。お目にかかれれば幸いです。
1月13日(火)1130-1330 虎ノ門パストラル、STAFF(農水省系)
1月14日(水)1800-2000 虎ノ門パストラル、HS財団(厚労省系)
1月15日(木)1100-1300 グランドプリンスH赤坂、JBAほか(経産省系)
 さて、今週月曜日に公開した「記者の目」でも触れさせていただいた話題ですが、今年は科学技術の進展と実用化の報道とともに、「客観的評価」の進化についても重点的に取材したいと考えております。
2009年・記者の目、BTJ編集長・河田孝雄、超高速分析装置で生命科学が激変、成果の客観的評価法の進化にも期待
NBTオンラインの読者はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2009010461022BTJ
アカデミックの読者はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20058630
 2009年は、ゲノムの塩基配列決定などに威力を発揮する超高速分析装置が、本格的に離陸し、生命科学研究が一変する年になります。インフォマティクスの進化がますます重要性になってきます。キラリと光るバイオインフォマティクスの若手研究者を今年も紹介してまいります。機能性RNAやエピジェネティクスとのトライアングルで、遺伝子制御ネットワークの解析法の見直しが迫られています(BTJジャーナル08年6月号をご覧ください)。
BTJジャーナル08年6月号のダウンロードはこちらから
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj0806
 もう今年、進化に期待して取材を精力的に進めていきたいのは、研究などの成果の客観的評価法です。製品や事業に直結していれば、売上高や利潤がそのまま客観的数値の評価ということはできますが、金もうけや利潤が目的ではないアカデミアの研究成果をどのように評価していくべきか。特に日本のアカデミアでは、インパクトファクターを偏重し過ぎているといわれています(BTJジャーナル08年12月号をご覧ください)。
BTJジャーナル08年6月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj0812
 その中で、米国の物理学者が2005年に論文発表したhインデックスというのは、とてもおもしろいです。某国立大学法人の医学部の教授選考会で、有力候補者2人の研究業績を発表論文が掲載されたジャーナルのインパクトファクター(IF)合計で比較するとほぼ匹敵するレベルだが、hインデックスでは大きな差がある、といったことも話題になっています。今年は研究者に取材するときには必ずhインデックスについても伺ってみようとも考えております。
 成果や業績を客観的に評価する手法の進化は、研究者や大学・研究所に限らず、一般の民間企業でも、特に基礎研究部門の方々では共通の課題と思いますので、こちらも積極的に報道してまいります。
 BTJジャーナルはPDFファイルをダウンロードしていただくと、どなたでも全文をご覧いただけます。
 BTJジャーナルのダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn
 今週のBTJ記事としては、次の2つを報道しました。
野菜の抗酸化力などの物差しとなるデリカスコアを今春にもデリカフーズが導入へ、
名大や三重大などと連携して外食メニューの表示革命を目指す
→ https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8708/
07年3月発売中止のLC1ヨーグルトのトクホ許可表示をネスレ日本が継続、
12月19日10品目許可でトクホ総数は827品目に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8670/
 上の記事の「デリカスコア」。内容の発表は今月末になりますが、おもしろそうです。キッコーマンで研究や企画などで活躍なさっていた薬学博士の有井雅幸さんが、昨年9月に東京デリカフーズに移られたのですが、このデリカスコアについて発表なさいます。
 そろそろメール原稿の締め切り時間になりました。年始の読んだ書籍のうち、朝日新書152「日本にノーベル賞が来る理由」(著者:伊東乾・作曲家=指揮者、東京大学大学院情報学環准教授)について、少し紹介させていただきます。著者の伊東さんは、hインデックスを生み出した方と同じく物理出身の方で、昨年10月に発表されたノーベル物理学賞を受賞した日本人3人の方々の業績も、「自発的対称性の破れ」をはじめ、分かりやすい説明をなさってます。
 ノーベル賞の歴史と選考の仕組みについても、これまで知らなかったことが盛りだくさんでした。一部を、以下に少し紹介します。今年の当方の主要テーマとしたい「研究業績の客観的評価」の取材にも大変参考になります。
・「自然科学史上、不朽の仕事」が、ノーベル賞が設置されている物理や化学、医学生理学だけでなく、ノーベル賞が設置されていない専門分野(環境科学、地球科学、情報科学、認知科学などなど)でも、驚くほどたくさん存在している。
・ノーベル賞の受賞者を後世から振り返るとき、私たちはその「企画」全体を読む必要がある。
・世界中の科学技術を評価する「格付け」の仕事は重要で、費用もかかるが、一度「格付け」のブランドを確立すると、お金では買えない効力を発揮する。
・厳密な論文審査のシステムを作り、それを公正に運用するのは大変な仕事。しかも未発表論文だから、守秘義務なども必要。当然、多額の予算もかかる。
・権威ある専門雑誌を立ち上げ、ブランドとして確立し、それを経済的に成立させてゆく努力をアメリカは戦後一貫して続けてきた。この制度の起源は元来ヨーロッパにあるから、欧州にも権威ある専門雑誌がたくさんある。翻って、日本の専門誌は日本に関係のある研究論文をチェックするのには使われるが、国際標準となっている
権威ある雑誌は、非常に少ないと言ってよいだろう。
 ノーベル賞に興味のある方は、ご一読なさってみてはいかがでしょうか。
 締め切り時間が来ましたので、最後に昨年末に発行・公開した「BTJジャーナル」08年12月号(第36号)のコンテンツを目次にて紹介します。
 今年もBTJをどうぞよろしくお願いします。
                         BTJ編集長 河田孝雄
※「BTJジャーナル」08年12月号の目次
それでは最後に08年12月号(第36号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 「大学は今」第12回
動き出したスーパー特区
規制改革に向け議論開始
P.6 特集リポート
生物物理学会・BMB2008より
若手研究者の支援が焦点
P.10 論文被引用とキャリア
客観的評価とhインデックス
P.14 BTJアカデミック・ランキング
続報、スーパー特区採択がトップ
P.15 専門情報サイト「FoodScience」
ヨウ素取り過ぎ日本
P.16 BTJセミナー・レビュー
再生医療「産業化」への鍵
P.18 広告索引
 ぜひ「BTJジャーナル」をダウンロードしてお楽しみください。パソコンでご覧いただくと、リンク先の情報もすぐに入手できます。プリントアウトをお読みいただくなら、カラーをお勧めします。
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn
 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードしていただくと(無料)、ご覧いただけます。オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルですので、ぜひお楽しみください。
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