まずは皆さん、もうバイオ年鑑をお申し込みなさいましたか?
 バイオ産業化のバイブル、生命科学発展のコーランとも呼ぶべき1000頁近い書物です。
スタッフ総出で今年のバイオ産業や生命科学の全貌をまとめました。これ一冊で、各製品別の市場、競争関係など、バイオ産業で生き残るためのデータを俯瞰することができます。是非とも、座右の書としてお買い求め願います。12月11日までなら、特別割引料金で購入可能です。どうぞ下記より詳細にアクセスの上、お急ぎ願います。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2007110150430
 サンフレッチェ広島が勝ち点100!の圧倒的な首位でJ1復帰を決めました。広島ローカルのプロチームは全部ファンなので、万歳、万歳です。しかし、主力を欠きながらアントラーズがJ1首位を確保、大したチームです。今年は大分(4位)の活躍も目立ち、Jリーグ本来のスポーツによる地域振興が稔りつつあることを感じました。東京ヴェルディとコンサドーレ札幌のファンには申し訳ないが、もう一度J2で出直しです。しかし、それにしても一時は常勝を誇っていたジュビロ磐田が入れ替え戦に臨まなくてはならないほど凋落したことにがっくりして
います。
 熾烈な競争とJ1とJ2による入れ替えという分かりやすさが重要です。プロ野球はその点どうも分からない。セパそれぞれのリーグ覇者が日本一を争うという単純さに戻るべきだと思いますね。
 単純さといえば、勿論、科学の振興策でも重要です。
 そろそろ時効でしょうから、スーパー特区の真実について述べようと思います。実は、最終審査の審査委員を命じられていたので、守秘義務はあるは、遠慮はあるは、口をもぐもぐさせざるを得ませんでした。
 選に漏れた方にはお気の毒でしたが、今回のスーパー特区に関しては、3つの大きな誤解が残ったことが問題であると思います。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7742/
 まず、政府部内で「スーパー特区」は政府が資金を投入しないで、研究開発特にトランスレーショナルな研究を推進し、実用化を望むことが出来る新施策であるという位置づけにあることを、読者の皆さんはご存知でしょうか?
 現在も借金まみれ、そしてこれから赤字国債を増発せざるを得ないわが国には、これ以上の資金を先端医療の開発に投入できる訳がありません。09年にスーパー特区枠と呼ばれている3省庁の予算請求は140億円に上りますが、純粋な真水は10%程度に止まります。研究費の予算総額は増額しないと冷静に考えるべきです。従来の競争的資金でも充分資金を獲得できた研究者がそもそもスーパー特区に選定されており、喜んでみたのものの結局は同じじゃないか?というぬか喜びに終わる可能性が大であると思います。
 スーパー特区、誤解の第一は「お金がもらえる」であります。あの懐かしい「ミレニアム計画」とは大盤振る舞いできる金が無い点で大きな違いがあります。
 お金のない政府が先端医療の振興策として打ち出すべきは、規制緩和しかないのです。
 第二の誤解は、「大きいプログラムが良いことだ」でした。
 全国津々浦々の関係者を網羅したビッグプロジェクトの提案も多数ありましたが、政府にお金が無い現状では、ビッグプロジェクトは迷惑な話。逆に今回選出されたプロジェクトに関しても、実現可能性の高いテーマを3つに絞れといった注文もついた可能性が濃厚です。
 今回のスーパー特区は先端医療を実現するために、一つでもよいから実現可能なテーマを短期間で実用化することを目的としています。先端医療の実用化のプロセスを進めるために、具体的にどんな規制緩和要求があがるか、実際に実用化に近づける努力の中から問題提起して欲しいというのが、スーパー特区の眼目です。
 第三の誤解は、臨床開発する「お墨付きがもらえる」です。
 確かに、医薬医療器機総合機構の事前相談の機会が提供されるとはスーパー特区の募集要項に書いてあるようですが、総合機構も人手が余っている訳ではありません。しかも、医薬品企業やベンチャーの相談は有料(相当な金額)で行っており、予算的な手当もないような事前相談にどれだけ時間を割けるかは、実質的に極めて制限されます。
 私としては、多少の相談料の割引を前提といたしますが、スーパー特区の規制緩和の一部として、競争的資金を総合機構の事前相談に振り分けられることを、早急に認めるべきだと思います。WIN-WINのモデルでなくては、健全なトランスレーショナル研究の発展を望むべくもありません。
 それからもう一つ気になったのは、審査の途中で一体どのような臨床研究の相談をしたいのか?という問に対して「ご指導願います」としか、答えられなかった申請者が多かったことです。これでは何時間事前相談をしても時間の無駄です。
 「ご指導願います」という答えは「この医薬品や医療器機の臨床開発戦略を全部丸ごと教えていただきたい」ということに過ぎず、これでは総合機構も対応困難でしょう。もっと患者さんの安全確保と臨床研究での評価について、研究者自ら考え、資料を集める必要があると思います。数は少なかったですが臨床開発を行っている申請者からは極めて具体的な要求を聞くことができました。中には確かに規制緩和すべき点もありました。
 こうした「ご指導願います」といった丸投げタイプのお願いがまかり通るのは、大学やわが国のナショナルセンターに実際の医薬品や医療器機の臨床開発を経験したり、審査を経験した人材がほとんどいないためでしょう。
 東北大学など一部では始まっていますが、総合機構と大学やナショナルセンターの人事交流を推進し、臨床開発を担う人材の育成に力を入れないと、「ご指導願います」という誓願の波から逃れることは難しいのではないでしょうか。
 これは10年の計ですが、今から始めなくてはなりません。もっと大学やナショナルセンターは積極的に総合機構との人材を交流し、臨床開発・臨床研究の教育コースを開くべきだと思います。
 結局、スーパー特区の審査を終わった感想は、これは先端医療の「平成の目安箱」であったということです。ここで皆さんからうかがった先端医療や臨床研究のご苦労や規制の壁をなんとか拾い上げて、一つでも規制緩和に結びつけることが重要です。
 厚労省、文科省、経産省などの実務官庁をどうやって、見事に調整し実を上げるか、内閣府の腕の見せ所であります。
 さて、明日から神戸に向かいます。分子生物学会で皆さんにお会いすることを楽しみにしております。どうぞ今週もお元気で。
                 Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
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<<BTJブログWmの憂鬱>> 
最新一週間の記事  http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/ 
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2008-12-04
BTJブログWmの憂鬱2008年12月04日、遺伝変異はどこまで疾患の原因になりうるか
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8137/
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2008-12-01
BTJブログWmの憂鬱2008年12月01日、何故、免疫学がこんなにも毎年変貌するのか?
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8057/
 
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高速シーケンサーで食用ダイズのゲノム解読を加速、
来年には中国で国際会議、話題の大豆研究をリポート
BTJジャーナルのダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」08年11月号を先月末に発行・公開しました。
 リポートは「大豆研究の最前線」。大豆は日本の長寿に貢献していると見られている食材。大豆は、栽培面積の確保では、バイオエタノールの原料にもなるトウモロコシと競合しています。大豆の油自身も、エネルギー源になりますし、畑の肉といわれる大豆を牛肉などの替わりに食べれば、より多くの地球人口の食を支えることができます。同時に地球温暖化ガスの発生量の抑制にも寄与します。ただし別途、発酵生産したリジンをトウモロコシに加えるという選択肢との比較も、地球環境への負荷軽減の議論には必要です。
 大豆は植物であるダイズの種子ですが、ダイズのゲノム解読は米国が単独で進めて先行していますが、米国が解読しているダイズ品種は油糧用のもの。豆腐や納豆など向けの食用ダイズとは異なっている部分が多いと考えられています。そこで、日本では食用ダイズのゲノム解読を加速するため、高速シーケンサーを稼働させています。
 今回のリポートでは、11月9~12日に東京・新宿で開かれた第8回国際大豆シンポジウムで議論された大豆の健康効用の話題とともに、お届けします。個々人の腸内細菌の違いによって、大豆イソフラボンの健康効用を得られやすい人とそうでない人がいることも明らかになってきました。ヒトのゲノムの違いが直接関与するのではなく、あくまでも共生している腸内細菌の性質の違いなので、この場合の個々人の差は埋める工夫も可能です。大豆イソフラボンの健康効果を得るのに寄与する乳酸菌など、プロバイオティクスの活用も期待を集めています。
 大豆の研究は、ゲノム時代と環境・食糧問題など現在の社会の諸問題と密接な関係があり、さらには個の健康増進でも新たな展開が始まりました。バイオテクノロジーの最先端研究と社会との接点を考える上で象徴的な研究対象といえます。
※以下の大豆関連のBTJ記事の内容をリポートに盛り込みました。
続報、自給率22%を100%へ、国産ダイズ品種のゲノム解読に生資研・STAFF研で454 FLXが本格稼働
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5860/
大豆胚芽パスタで糖尿病性胃不全まひが改善、プロスタグランジンD2シンターゼの発現をイソフラボンが誘導
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7650/
東京農工大、米Harvard大、ニチモウ、大豆発酵素材ImmuBalanceがアトピー改善、ピーナツアレルギーに続く成果
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7597/
米Ausio社、大豆イソフラボンから合成したS-エクオールのフェーズIを08年夏開始、アジア市場向け開発は日本の製薬企業と提携へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7525/
写真更新、イソフラボンの遺伝子領域や腸内細菌代謝の新知見、フジッコが第8回国際大豆シンポで4題の成果発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7480/
 ただいまBTJジャーナル08年11月号で大豆研究の最前線リポート記事の全文を無料でご覧いただけます。ぜひご覧ください。
 「BTJジャーナル」のPDFファイルは、次のサイトでダウンロードしてください。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 08年11月号(第35号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 連載「大学は今」第11回
東京大学医科学研究所の
論文偽造報道騒動を検証
P.5 特集リポート
第8回国際大豆シンポジウム
腸内細菌叢の個人差に脚光
P.11 ノーベル賞研究室とキャリア
菊地和也・大阪大学大学院教授
P.14 BTJアカデミック・ランキング
スーパー特区24件採択がトップ
P.15 専門情報ウェブサイト「FoodScience」
バナナダイエット事件の真相
P.18 広告索引
 ぜひ「BTJジャーナル」をダウンロードしてお楽しみください。パソコンでご覧いただくと、リンク先の情報もすぐに入手できます。プリントアウトをお読みいただくなら、カラーをお勧めします。
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn
 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードしていただくと(無料)、ご覧いただけます。オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルですので、ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
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