免疫学会の取材を終え、、神戸経由で東京に戻るところです。
 会場の京都国際会館の周辺の紅葉は見事でした。
 免疫学会も会員数の総数は横ばいから若干減少していましたが、学生会員の減少は看過できず、総会でも勧誘を呼びかけていました。少子高齢化と、大学院博士課程の定員割れが、最も現在活況を呈すべき免疫学会にもボディーブローのように効いています。拱手していては、我が国の科学そのものの衰退を押しとどめることは難しいのではないでしょうか。大学人や企業人の奮闘を期待します。何より、きっちっと学問を修めさせるよう教育することと、その教育が社会の要請に合致したものである必要があります。
 企業も博士修了者は「使い物にならない」とこぼす前に大学教育に参画して、社会の要請にあった人材の育成に貢献しなくてはなりません。
 さて、来年の1月26日から31日までオーストラリアのバイオを視察するミッションを豪州大使館が派遣いたします。資源国として活況を呈するオーストラリアはバイオ立国を目指しております。また、アジア太平洋の臨床試験のハブとしてもどんどん実績を積んでおります。どうぞ下記より詳細にアクセス下さい。
http://austrade.or.jp/newsreleases/?item=82
 皆さんもどうぞお元気で。
     Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
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次の課題はレギュラトリーサイエンスの充実
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 こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 日経バイオテク・オンラインで記事にしたのでお読みいただきたいのですが、先日、高度医療評価会議の取材をしてきました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8028/
 高度医療評価制度については、随分前に、このメールの中で、「これは、薬事法で承認を受けていない医薬品や医療機器を用いた医療技術について、先進医療の一類型として扱うために設けられた制度で、厚労省の高度医療評価会議で認められれば保険診療との併用ができるようになります」と紹介しました。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/BTJ/archives/2008/03/193841.html#more
 この説明に誤りがあるわけではありませんが、今思うと少し言葉足らずだったかな、と感じます。高度医療の創設に際して厚生労働省が08年3月31日付で出した通知、「高度医療に係る申請等の取扱い及び実施上の留意事項について」には、「薬事法による申請等に繋がる科学的評価可能なデータ収集の迅速化を図ることを目的として、高度医療評価制度を創設する」と書かれています。高度医療評価会議の取材をしていて感じるのは、この「科学的評価可能なデータ収集」ということが、あまり認識されていないのではないか、ということです。
 高度医療評価制度が設けられた経緯を少し補足しておきます。かつて、先端的な医療技術を保険診療との混合診療として実施できるように、高度先進医療という制度が設けられていました。05年にはその手続きを簡素化した先進医療の制度が発足したのですが、先進医療では「薬事法上、適応外や未承認の医薬品や医療機器を使った医療技術は先進医療として認めない」とされました。しかしながら医療現場には、未承認や適応外の医薬品、医療機器を利用した場合にも、通常診療部分には保険を給付してもらいたいというニーズがあります。そこで、そういうニーズの受け皿として、高度医療評価制度が設けられました。
 ただし、高度医療評価制度の下で実施するのは通常の診療行為ではなく、「評価のための臨床試験」であることを、厚労省の通知から読み取るのは容易ではありません。このため、高度医療評価制度を利用したい臨床現場と、評価をする立場の人たちの間では認識がずれているように思われます。先日取材した会議のやり取りでも、手術支援ロボットを使った心臓手術に関して、申請者側はより広い疾患を対象に行いたいのに対して、評価する側から、「対象疾患を絞って、統一したプロトコルで臨床試験をやってもらわなければ、評価しようがない」という意見が出るなど、認識の違いが浮き彫りになっていました。申請書類を受け取る厚労省が申請者をしっかりサポートすればいいようにも思いますが、リソース不足の行政に多くを期待するのも無理があるのかもしれません。
 一方で、昨今、大学では薬学部の中にレギュラトリーサイエンスにかかわる部署を設ける動きが散見されます。ただ、各大学の臨床部門からの高度医療などの申請に対して、そうしたレギュラトリーサイエンスにかかわる部署は一体どれだけ関与しているのでしょうか。そこの連携を充実させれば、新しい医薬品、医療機器、医療技術の導入スピードが上がり、トランスレーショナルリサーチはもっと促進されるはずです。
 別の記事ですが、北里大学の中山哲夫教授が日本ワクチン学会にワクチン推進ワーキンググループを設けて、成人の百日咳を予防するための多施設共同臨床試験を行っていることを紹介しました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8031/
 ドラッグラグ、デバイスラグの問題を解消するために、自分たちで何とかしようとトランスレーショナルリサーチなどに乗り出す医師が増えていること自体は素晴らしいと思います。ただ、トランスレーショナルを推進する一方で、無駄な試験や問題のある試験が行われることがないようにするためには、レギュラトリーサイエンスを充実させることが目下大きな課題だと感じています。
 日経バイオテクには、好評連載の「審査報告書を読む」(医薬品医療機器総合機構のOBなどに、医薬品医療機器総合機構の審査報告書を読み解いていただくものです)をはじめ、薬事に関するニュースやトレンド解説なども掲載しています。ご興味がある方は、ぜひご購読願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/index.html
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
 
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きっかけは08年7月11日付の朝日新聞朝刊の1面トップ記事。
「東大医科研の論文偽造報道検証」を掲載したBTJジャーナル08年11月号を発行・公開
BTJジャーナルのダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDF マガジン「BTJジャーナル」08年11月号を先週、発行・公開しました。
 巻頭の好評連載「大学は今」の第11回は「東大医科研の論文偽造報道検証」。日本の先端医療研究の中核の1つである東京大学医科学研究所に持ち上がった論文偽造騒動を検証する記事3本をまとめて掲載しました。きっかけは08年7月11日付の朝日新聞朝刊の1面トップ記事。「不正の繰り返し」は事実ではなかったなど報道内容を検証しました。
※関連のBTJ記事
検証:東大医科研論文偽造(1)、報道はフェアだったか?
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/6067/
 
検証:東大医科研論文偽造(2)、東大ブランドに報道が過熱
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/6117/
検証:東大医科研論文偽造(3)、大山鳴動して・・・
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/6242/
 上記のBTJ記事は全文をご覧いただくには、日経バイオテクまたはBTJアカデミックの購読が必要ですが、BTJジャーナル08年11月号の記事はただいま全文を無料でご覧いただけます。ぜひご覧いただき、日頃の研究活動の参考にしてください。
 「BTJジャーナル」のPDFファイルは、次のサイトでダウンロードしてください。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 08年11月号(第35号)のコンテンツを目次で紹介します。
P.2 連載「大学は今」第11回
東京大学医科学研究所の
論文偽造報道騒動を検証
P.5 特集リポート
第8回国際大豆シンポジウム
腸内細菌叢の個人差に脚光
P.11 ノーベル賞研究室とキャリア
菊地和也・大阪大学大学院教授
P.14 BTJアカデミック・ランキング
スーパー特区24件採択がトップ
P.15 専門情報ウェブサイト「FoodScience」
バナナダイエット事件の真相
P.18 広告索引
 ぜひ「BTJジャーナル」をダウンロードしてお楽しみください。パソコンでご覧いただくと、リンク先の情報もすぐに入手できます。プリントアウトをお読みいただくなら、カラーをお勧めします。
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
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 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードしていただくと(無料)、ご覧いただけます。オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルですので、ぜひお楽しみください。
                         BTJ編集長 河田孝雄
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