現在、取材の合間を潰すため、渉成園の縁側で庭を眺めながら、このメールをしたためております。萩の花がわずかに萎み残る庭は秋の深まりを感じます。が、京都は30度近い気温です、とても秋を堪能するには程遠い状況です。
 さて深まりいく秋、10月15日から3日間、パシフィコ横浜でいよいよ我が国最大のバイオ展示会・シンポジウム、BioJapan2008の開催まで1週間と迫りました。皆さん、横浜でお会いいたしましょう。
 本日は、セミナーの事前予約が明日の23時59分で締め切ることを、お伝えする号外です。個の医療、抗体医療、siRNA、バイオマーカー、再生医療など皆さんの興味を引く話題満載です。今年は昨年に比べ、事前予約者の数が1.6倍増です。並ばずにセミナーをご覧なるために、どうぞ下記のサイトより事前登録願います。
https://biojapan2008.com/public/application/add/37?lang=jp 
 
 緊急セミナーを開催いたします。
 
 タカラバイオのAIDS遺伝子治療の最新データを発表する緊急講演(事前予約10月9日まで受付中)に続き、今月、ドイツBoehringer Ingelheim社に5500万ユーロのマイルストーンと販売のロイヤルティで、完全ヒト抗体医薬を技術導出した、イーベックを招き、10月16日午後1時30分から2時30分まで、緊急講演(F-6、パシフィコ横浜304号室)を開催いたします。
 
 今回はあまりに急だったので、事前予約を受け付けるシステムが対応できませんので、当日、お早めに会場にお越し願います。先着順で受け付けます。但し、会場にお越しになる前には、BioJapan2008の展示会場もしくは会議等の総合受付で登録をお願いいたします。下記のサイトからインターネットで事前にお申し込みいただければ、簡単に手続きできます。
https://biojapan2008.com/public/application/add/33?lang=ja 
 
 来週、横浜でお会いいたしましょう。
 
                 Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満 
 
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ウイルス学者のノーベル医学生理学賞受賞に思う
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 こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 
 ノーベル物理学賞を3人の日本人研究者が共同受賞したというビッグニュースが飛び回っていますが、我々日経バイオテクが関心を寄せているのは医学生理学賞と化学賞です。今夜発表される化学賞で、物理学賞に続いて日本人が受賞となれば大騒ぎになるのは必至です。日経平均が大暴落してドル安が急進する中で、明るいニュースに期待が掛かります。
 
 ところで日経バイオテク・オンラインで速報しましたが、今年の医学生理学賞は、3人のウイルス学者が受賞しました。
 ドイツGerman Cancer Research CentreのHarald zur Hausen名誉教授は、子宮頸がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)の発見が受賞理由です。Hausen名誉教授は子宮頸がんとHPVの関係を最初に指摘した人です。腫瘍ウイルスのDNAががん細胞のゲノムの中に挿入されていると考えて探索を続け、1983年に子宮頸がんの組織中から新規のHPV(HPV16型)のDNAを見つけ出しました。翌84年には、子宮頸がん患者からHPV16型とHPV18型のクローンを作成。この2つの型は、世界の子宮頸がん患者の70%に見られ、現在海外で普及し始めている子宮頚がん予防用ワクチンでも、この2つの型のウイルスのたんぱく質が抗原として使われています。
 
 ノーベル財団は、Hausen名誉教授の受賞理由を説明する中で、HPVによる発がんメカニズムを明らかにしたことに加えて、HPV16型とHPV18型を利用できるようにし、有効なワクチンの開発に結び付けたことを挙げています。
 
 フランスのPasteur研究所のFrancoise Barre-Sinoussi教授とWorld Foundation for AIDS Research and PreventionのLuc Montagnier教授の受賞理由はヒト免疫不全ウイルス(HIV)の発見です。当時、Paeteur研究所にいた2人は、後天性免疫不全症候群(エイズ)の患者からレトロウイルスを分離し、83年にLAVという名前を付けて発表しました。その後、84年に米国立がん研究所のRobert Gallo博士らが独自にウイルスを発見したと発表。最初に発見したのは誰かということで論争になりましたが、その後、第一発見者はMontagnier教授らであったことが明らかにされました。
 HIVに対しては、まだワクチンも、根治できる治療薬も登場していませんが、複数の抗ウイルス薬を組み合わせて投与するHARRT療法の登場で、HIVに感染してもエイズの発症は長期間抑えられるようになりました。ただその半面、長期間の抗ウイルス薬の服用による副作用や、薬剤に耐性を獲得したウイルスの出現が問題になっています。
 
 受賞に直接結び付いた研究自体は、ともに80年代前半の古いものですが、この3人の発見があったために、ワクチンや抗ウイルス薬が登場し、数多くの人たちが救われてきたのは確かでしょう。
 
 たまたま先週土曜に、感染症の研究者として著明なUniversity of PennsylvaniaのStanley A. Plotkin名誉教授と、国立三重病院の神谷齊名誉院長のお二人にインタビューする機会がありました。インタビューの内容は日経バイオテク本誌に掲載する予定ですが、「欧米でもかつてはワクチン産業は斜陽産業だったが、インフルエンザ菌(Hib)ワクチンが登場した当たりを変節点に、魅力ある事業と認識されるようになり、各企業が活発に投資した結果、新しいワクチンが出てくるようになった」「今後、ワクチン産業で競争していくためのカギになるのは、資金力でも販売網でもなく、技術力だ。遺伝子工学と免疫学の発展によって、新しいワクチンはこれからも数多く出てくるだろう」といった話が出ていました。
 
 日本では少し前までは生活習慣病に、今はがんと抗体医薬に多くの製薬企業の関心が集中しているようですが、世界では感染症とワクチンが間違いなく最重要のテーマの1つと認識されています。今回のウイルス学者の受賞も、実はこうした世界のトレンドを反映したものではないかと思います。日経バイオテク本誌、日経バイオテク・オンラインでは、感染症やワクチンについてもしっかりカバーし、ニュースを報じていきます。
 
 Biotechnology Japanでは、皆様の使い勝手を改善するためにウェブサイトのリニューアルを予定しています。リニューアルのポイントは、最新ニュースを「医薬・医療」「基礎・研究支援」「食品・農業・環境」「投資・行政・社会」といった分野別に表示するコーナーを設けることと、「BTJご利用ガイド」としてサイトの使い方に関するQ&Aを充実させたことです。近日オープンいたしますので、ぜひご期待ください。
 
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
 
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
 
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「植物代謝パスウェイ・メタボロミクス」を特集した「BTJジャーナル」08年9月号を
発行・公開しました
研究者の方々が作成したパワポ図も多数掲載してます
BTJジャーナルのダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/

「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 バイオ研究者のスキルアップやキャリアアップに役立てていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」08年9月号を、先週末に発行・公開しました。
 
 特集リポートは「植物代謝パスウェイ・メタボロミクス」。08年7月の第5回植物メタボロミクス国際会議や9月の日本生薬学会などから、植物の代謝パスウェイ研究の最前線をリポートしています。メタボロミクスが加わって日本発の成果が続々と発表されています。千葉大学や横浜市立大学、理研、ハウス食品などの取り組みを紹介しました。
 
※この特集リポート関連のBTJアカデミックの記事は以下の4本です。BTJジャーナルの記事は全文をご覧いただけます。
 
2008-07-29
千葉大・徳島文理大・理研PSC・NAIST、漢方処方の性格付けにメタボロミクスが有効
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20054862 
 
2008-09-10
横浜市大・理研・常磐植物化学研ほか、組み換え酵母でグリチルリチン・アグリコン
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20055821 
 
2008-09-09
理研・横浜市大・千葉大・常磐植物化学研、
甘草の甘味成分グリチルリチン生合成の鍵酵素を解明
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20055810 
 
2008-09-03
ハウス食品がRNAiでタマネギの催涙成分を抑制、
NZ研究機関との成果を相次ぎ論文発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20055675 
 
 BTJジャーナルは、無料で全文をご覧いただけるオープンアクセス対応のジャーナルです。ぜひ、お楽しみください。
 
 「BTJジャーナル」のPDFファイルは、次のサイトでダウンロードしてください。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 
 「BTJジャーナル」08年9月号(第33号)のコンテンツを目次にて紹介します。
 
2 連載「大学は今」第9回
ポスドクの就職率が向上
キャリアパス多様化促進

5 特集リポート
植物代謝パスウェイ
山崎真巳・千葉大准教授
村中俊哉・横浜市大教授
ハウス食品ソマテックセンター

10 NIH「研究者役人」に学ぶ
笠岡(坪山)宜代
国立健康・栄養研上級研究員

12 BTJアカデミック・ランキング
スーパー特区の記事が人気

13 専門情報ウェブサイト「FoodScience」
事故米とメラミン

14 BioJapan2008プレビュー

18 広告索引

 ぜひ「BTJジャーナル」をダウンロードしてお楽しみください。パソコンでご覧いただくと、リンク先の情報もすぐに入手できます。プリントアウトをお読みいただくなら、カラーをお勧めします。

「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn

 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードしていただくと(無料)、ご覧いただけます。オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルですので、ぜひお楽しみください。
 
                           BTJ編集長 河田孝雄
 
 ご意見などは以下のフォームから受付します。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
 
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