まずはお願いです。
 
 BTJプロフェッショナルセミナー「第2弾次世代シーケンサーが変えるバイオ産業の未来」の募集を開始いたしました。本当にこれは革命です。バイオ研究のコストとスピードを圧倒的に変えてしまう次世代シーケンサが、バイオをどう変えようとしているのか? この分野の最先端の研究者と国家プログラムの関係者、更には次世代シーケンサーを現在販売している3社、そろい踏みで議論と展示をいたします。このセミナーに出席すれば、総てが分かります。
 昨年行った同様なセミナーの結果、文部科学省が次世代シーケンサーのビッグプログラムを立ち上げました。
 
 今回は是非とも、研究者だけではなく、企業関係者にも多数ご参加願いたいと希望しています。1998年にABI3800というDNAシーケンサーが登場し、生命科学研究とバイオ産業が急成長しましたが、今回の次世代シーケンス革命はそれを遙かに凌駕する影響を生命科学やバイオ産業に与えます。どうぞ皆さん、下記より詳細を参照の上、お早めにお申し込み願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/080918/ 
 
 9月2日に予定しているBTJプロフェッショナルセミナー第1弾もどうぞお見逃しなく。これも大きな技術革新をもたらす遺伝子導入による直接分化を取り上げました。この手法で開発されたiPS細胞が注目を浴びていますが、この技術の波及は胎性幹細胞への初期化だけに止まるものではありません。既に、海外では膵臓の分泌細胞の前駆細胞からインスリン分泌細胞へ遺伝子導入によって、分化を誘導したという発表も行われています。
 今や大きなうねりとなりつつある遺伝子導入技術の全貌を取り上げるセミナーにどうぞ一人でもを多くの方の参加を期待します。日付も迫っております。どうぞお早めに願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/080902/ 
 
 学生、大学院生、そして助教までは、スポンサーのご厚意により、無料招待枠を設定いたしました。下のリンクの下の学生申し込みサイトをクリックしてご登録願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/080902/ 
 
 さて、北京オリンピックも終了しました。メダル数でも中国、韓国の躍進が目立ち、これからは確かにアジアの時代、もしくは脱欧米の時代がやってくることを実感させるものでした。
 
 果たして、バイオテクノロジーでもそうなのか?
 
 確かに組み換え農作物の開発と新薬開発を見る限り、脱欧米はじわりじわりとバイオの世界でも進行しつつあります。
 
 作付け面積1億ヘクタールを突破した、組み換え農作物はもっと脱欧米化が進みつつあります。今や先進国の作付け面積の伸びを、中進国や発展途上国が上回っています。2011年にゴールデンライスがフィリピンで商業化が実現すれば、まったく新しい組み換え作物の実用化ですら、脱欧米化が始まります。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/4603/ 
 
 当初バイオ医薬の最初の商業化はいずれも米国で始まりました。今でも欧米がリードをしていますが、最近ではバイオ医薬でも最初に遺伝子治療が、2004年に中国で、がんワクチンは2008年にロシアで相次いで実用化の先鞭が切られました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2002/2988/ 
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/1976/ 
 
 08年8月22日に、米国で認可された画期的な次世代抗体医薬である「NPlate」(romiplostim)も、一足先に先月、オーストラリアで世界に先駆けて販売認可を獲得しています。脱欧米の時代が始まったのです。今や世界は多極化しつつあります。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5436/ 
 
 バイオ医薬の商品化の選択肢も増えております。まるでひまわりのように欧米だけを成功モデルとして眺めていた日本の経営者が、この激変に対応できるのか? ちょっと心配です。第一三共やエーザイのインドシフトなど新しい動きに注目しなくてはなりません。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5242/ 
 
 今週ご注目いただきたいのは、「NPlate」がただの次世代抗体医薬ではないという点です。米Amgen社が開発したこのバイオ医薬は、正確にはペプタイドボディ(Peptidebody)で、血小板増殖因子(TPO)の受容体(Mpl)と結合してTPOと同様の血小板増殖作用を示します。アゴニスト作用を持つバイオ分子です。これによって、エリスロポエチン(赤血球増殖因子)と顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF、白血球増殖因子)を商業化したAmgen社は長年の夢であった血液成分の最後の因子である血小板増殖因子を手にすることになります。
 
 94年6月に、キリンビール、米Genentech社、米Zymogenetics社が熾烈なクローン化競争の結果、TPOのクローニングにほぼ同時に終了、Amgen社はキリンと提携して、TPOの臨床開発を行いました。しかし、いずれの企業も臨床開発には失敗してしまったのです。まだ理由は明確ではありませんが、TPOを注射するとTPOに対する自己抗体が患者に生じてしまうのです。チャイニーズハムスターの卵巣細胞を宿主にしても、大腸菌でTPOを生産してPEG(ポリエチレングリコール)を結合した製剤でも、自己抗体という副作用を防ぐことはできませんでした。
 
 その壁を打ち破ったのがペプタイドボディ技術です。Amgen社はTPOの受容体と結合するペプチドをファージディスプレイを使い、片っ端からスクリーニング、結合力の強いペプチドに抗体の定常部位(Fc)を結合した分子を設計しました。実際には遺伝子操作で組み換えたんぱく質として製造しています。
 
 「NPlate」は慢性血小板減少性紫斑病の治療薬として認可されました。心配された、自己抗体も臨床試験では問題となりませんでした。抗体の分子工学によって、TPOが不可能だった、血小板増殖作用を持つバイオ医薬が誕生したのです。「NPlate」の成功は、ペプタイドボディ技術を活用すれば、受容体が分かっている成長因子やサイトカイン、ホルモンなどを代替する生理活性を持つ、作動薬を合成できることを意味します。今まで阻害剤として主に開発されてきた抗体医薬に作動薬の市場が大きく開けたのです。日本ではキリンビールが技術導入し、臨床試験中です。
 
 生体内のリガンドと比べても、血中半減期の制御やより高活性化が可能となり、しかも先行したリガンドの特許のすり抜けもできるというありがたさです。しかも、Fcが従来の抗体医薬と同じであるため、比較的前臨床試験をコスト安く、短期間に完了する期待もあります。
 
 Fcとペプチドや特異的な結合分子(受容体の一部など)の融合たんぱくは、大きな潜在力を持っています。次世代抗体は、Fcは残し、抗原結合部位が多様な分子によって置き換わっていく可能性があると判断しています。
 
 10月に開催されるBioJapan2008でも抗体医薬とポスト抗体医薬を議論します。抗体医薬のセミナーの予約は急速に埋まっておりますが、ポスト抗体医薬のセッションも見逃すのはもったいない。特に日本で初めてデビューする米Genetic Devices社の発表は注目です。抗体医薬とFc工学のパイオニアが創業した会社です。是非とも今なら予約可能ですので、お早めに願います。下記よりどうぞ。
https://biojapan2008.com/public/application/add/37?lang=jp 
 
●BioJapan2008、一押し情報第3弾、抗体医薬とポスト抗体医薬に注目
>>10月17日
10:00-11:30 A-8 抗体医薬
12:00-13:00 A-9 米Genetic Devices社、次世代抗体医薬
15:00-16:00 A-11 ポスト抗体医薬
●セミナー予約サイト
https://biojapan2008.com/public/application/add/37?lang=jp 
 
 この3つを聴講すれば次の抗体医薬の開発戦略が見えるはずです。
 
 どうぞ皆さん、10月に横浜でお会いいたしましょう。
 
     Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
 
PS 
 バイオジャパン2008のマッチングサイトの登録者も600名を突破しました。ウェブ上で効率よくアポイントメントを確保し、提携先や共同研究者を探すことが可能です。皆さんのシーズを事業化するパートナーを発掘するためにも、どうぞ今から下記よりご登録願います。
https://exponet.nikkeibp.co.jp/match2008/?action_login_input=true 
 
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<<BTJブログWmの憂鬱>> 
最新一週間の記事  http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/ 
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2008-08-20
BTJブログWmの憂鬱08年08月20日、本当に国際的な抗がん剤にはローカリティがある
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5379/
 
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2008-08-18
BTJブログWmの憂鬱08年08月18日、夏休みが終われば、勉強の秋
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5303/
 
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Nature Photonics掲載論文が7月末にオンライン発表
たんぱく質の結晶化を不要にする次世代の光XFELを、
BTJジャーナル08年7月号の「構造生物学・結晶構造解析技術」特集でリポート
BTJジャーナル08年7月号を発行・公開
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp 
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 バイオ研究者のキャリアアップ/スキルアップにお役立ていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」の08年7月号を、先週末に発行・公開しました。
 
 特集リポートは「構造生物学・結晶構造解析技術」。結晶化せずに解析できる次世代の光、X線自由電子レーザー(XFEL)にも注目です。
 XFELは、オングストロームの空間分解能とフェムト秒の時間分解能で物質を照らす新しい光。XFELを利用することで、難病に対する特効薬の開発や、持続的発展に必要な新エネルギーシステムの研究など、ライフサイエンスやナノテクノロジーの分野が大きく発展すると、世界中の科学者が期待を寄せています。
 日本では兵庫県の西播磨で、2010年にXFELが稼働する予定です。それに先駆けて05年に建設されたプロトタイプ機では、08年春からXFELを用いた実験が始まりました。
 
 日本では、欧米とはまったく異なる新たな発想に基づくコンパクトなXFELの開発に取り組んでおり、このプロトタイプ機で、高出力で安定した極紫外線レーザーを自足的に発振できるという成果を、7月28日にオンライン版が公開になったNature Photonics掲載論文で、発表しました。
 
 レーザー光と放射光の優れた特質を併せ持つ夢の光である、XFELを用いると、たんぱく質を結晶化することなく、1分子のままで立体構造を解析できると期待を集めています。
 
 たんぱく質の構造解析で最大のボトルネックとなっている結晶化が不要となれば、たんぱく質の構造情報に基づく創薬が飛躍的に発展すると、期待できます。
 
 詳しくは、BTJジャーナル08年7月号P.5-9の記事をぜひご覧ください。
 
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 
 
 最後に08年7月号(第31号)の目次を紹介します。
 
2 連載「大学は今」第7回
研究開発強化法
鈴木寛・参議院議員
林芳正・参議院議員

5 特集リポート
進展する結晶構造解析技術
高エネルギー加速器研究機構(KEK)
理化学研究所播磨研究所

10 海外現地リポート
ニュージーランドのバイオ・健康素材

16 BTJアカデミック・ランキング
中村祐輔・東大教授
鎌谷直之・前女子医大所長

17 専門情報ウェブサイト「FoodScience」
中国産ウナギ偽装事件

 ぜひ「BTJジャーナル」をダウンロードして、お楽しみください。パソコンでご覧いただくと、リンク先の情報もすぐに入手できます。プリントアウトをお読みいただくなら、カラーをお勧めします。

 BTJジャーナルは、オープンアクセス時代に対応した新タイプのジャーナルです。
研究や教育、日常生活にご活用いただければ幸いです。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 
                            BTJ編集長 河田孝雄