こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 
 今日は午前中に新型インフルエンザ専門家会議を取材してきました。今回の会議は各ワーキンググループで検討してきたことを報告するものでしたが、公衆衛生対策部門から「新型インフルエンザにおける基本戦略がないので、次回の会議までにポジションペーパーをまとめたい」といった提案がなされ、早期対応戦略ガイドラインの改定について議論されるなど、パンデミックの発生に備えて対策は着実に
進展している印象です。
 事業者・職場における対策ガイドラインの案が示されましたが、各企業ではマニュアルを作ったり、社員教育を行ったりするほか、マスクなどを備えたり、装着訓練を行ったりする必要もありそうで、総務部門は大変だろうなと思いました(職場におけるガイドラインについては、これからパブリックコメントを募集するということでしたので、現場の実情に即していない内容があれば、意見を出していかれればいいと思います)。
 
 プレパンデミックワクチンの接種については、専門家の間で白熱した議論が交わされました。これについては後ほど日経バイオテク・オンラインで紹介したいと思います。
 
 ただ、実際の医療体制や、サーベイランス体制、情報提供体制については、まだまだこれからという感じです。パンデミックはいつやってくるか分からないとはいえ、のんびりしていていい訳がありません。今後の議論の行方が注目されるところです。
 
 それから、今回の専門家会議では話が出なかったのですが、ワクチンや抗ウイルス薬については、現在承認されている全粒子ワクチンやタミフル、リレンザだけでなく、新しいワクチンや抗ウイルス薬の開発も待たれるところです。
 
 ワクチンに関しては、以前も紹介しましたがUMNファーマというベンチャー企業が、6月に国内で新型インフルエンザワクチンの治験を開始しています。このワクチンはSF+という昆虫細胞を使って製造する遺伝子組み換えワクチンです。このワクチンの話をすると、「昆虫細胞を使っているから承認は難しいのではないか」という意見を口にする人がいますが、海外では昆虫細胞を使って承認されているワクチンもあるだけに、「昆虫細胞」という理由だけで否定的な見方をする人がいるのが解せません。今日の専門家会議の新型インフルエンザワクチンに関する議論も層でしたが、新しい技術に対して、検証もせずに過大な期待を寄せたり、過小な評価を下すことは避けなければなりません。
 
 今日はこの後、医薬品産業の懇談会を取材しに行きます。メールを書く十分な時間が取れず、ちょっと中途半端になってしまいましたがお許しを。
 
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 
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次世代の光は、たんぱく質の結晶化を不要にする、
構造生物学・結晶構造解析技術を特集リポート
若槻壮市・KEK教授がターゲットタンパク公開シンポで示したパワポ図も掲載
BTJジャーナル08年7月号を発行・公開
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
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 バイオ研究者のキャリアアップ/スキルアップにお役立ていただきたい月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」の08年7月号を、先週末に発行・公開しました。
 特集リポートは「構造生物学・結晶構造解析技術」。結晶化せずに解析できる次世代放射光の登場も期待を集めています。
 KEK(高エネルギー加速器研究機構)放射光科学研究施設(PF)の若槻壮市・PF施設長・構造生物学研究センター長・物質構造科学研究所教授が、初のターゲットタンパク研究プログラムの公開シンポジウムでお示しになったパワポも、内容を一部アップデイトした上で、ふんだんに誌面に掲載いています。ぜひご覧ください。
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最後に08年7月号(第31号)の目次を紹介します。
 
2 連載「大学は今」第7回
研究開発強化法
鈴木寛・参議院議員
林芳正・参議院議員

5 特集リポート
進展する結晶構造解析技術
高エネルギー加速器研究機構(KEK)
理化学研究所播磨研究所

10 海外現地リポート
ニュージーランドのバイオ・健康素材

16 BTJアカデミック・ランキング
中村祐輔・東大教授
鎌谷直之・前女子医大所長

17 専門情報ウェブサイト「FoodScience」
中国産ウナギ偽装事件

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 BTJジャーナルは、オープンアクセス時代に対応した新タイプのジャーナルです。研究や教育、日常生活にご活用いただければ幸いです。
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                            BTJ編集長 河田孝雄