こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 
 先週、日本公定書協会が主催する薬事エキスパート研修会に参加してきました。最後の総合討論には私も参加させていただき、議論に加わりました。技術の進展により、新しいワクチンが次々に登場するというエキサイティングな時代を迎えつつある中で、日本に新しいワクチンを導入していくためにはどうすればいいのか、という議論です。その内容は日経バイオテク・オンラインの記事にまとめたので、そちらでお読みください。
 
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/3566/ 
 ディスカッションの中で、当日の会には参加されなかった国立病院機構三重病院の神谷齋名誉院長のアイデアとして、万有製薬の松本慎次予防医療政策担当部長が次のような話をされていました。「子供が二十歳の誕生日になったときに、母子手帳をプレゼントするキャンペーンをすれば、子供たちは母親が予防接種に連れて行ってくれたことを認識し、ワクチンへの理解も進むのではないか」というものです。
 
 昨年、成人のはしかが流行したときに予防接種を受けたかどうかが分からないという人が多くいましたが、二十歳という節目に母子手帳を受け取り、成長と健康の記録として自分で保管していくようになればそういう問題もなくなるかもしれません。予防接種の接種歴が分からないという問題に対しては、市町村がデータベースを作るといった方法も進められていますが、いずれにせよ子供が育ててくれた親に感謝するとともに、自分がどういう予防接種を受け、どのように育ってきたかを知るだけでも非常にいいアイデアのように思います。
 
 ただ、その一方で予防接種の接種歴は、罹患歴などと一緒に、健康に関する情報として一元的に管理できるようにしていくのが本来のあり方のように思います。先般、厚生労働省が検討している社会保障カードと、総務省が発行している住民基本台帳カードを1枚にすることで検討が開始されたというニュースがありましたが、そのカードで閲覧できる中に予防接種歴などのデータも加えて、健康情報が一元化されるようにしてもらいたいものです。
 
 本日は少し短いですが、この辺で失礼します。
 
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 
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BTJジャーナルの特集リポート
08年5月号はトランスフェクション、
08年6月号はエピジェネティクス
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 先月末に発行した08年5月号は「トランスフェクション」。omics時代を迎え、遺伝子を培養細胞に導入して発現させるトランスフェクションの技術が改めて注目を浴びています。iPS細胞の樹立や初代培養細胞、臨床サンプル組織を利用した解析でも、効率の高いトランスフェクション法の活用が重要な鍵を握っています。

 6月末に発行する予定の08年6月号は「エピジェネティクス」。5月9-10日に三島で開かれた第2回日本エピジェネティクス研究会、5月28-31日に米Bostonで開かれた第4回Cancer Epigenetics国際会議などのホットな話題をお届けします。

 Cancer Epigenetics国際会議は、97年、01年、04年に続く第4回め。200-300人の参加者のうち日本人は1割程度で、招待の口頭発表は、牛島俊和・国立がんセンター研究所 発がん研究部 部長、近藤豊・愛知県がんセンター研究所 分子腫瘍学部 室長、豊田実・札幌医科大学 生化学講座 教授の3人がつとめました。

 「エピジェネティクス研究、特にDNAメチル化研究で、日本の発表論文数は世界2位。論文の被引用数においても世界の上位にランクする研究者が数多く存在する。特にがんにおけるE-cadherin遺伝子の異常メチル化や、Helicobacter pyloriによりメチル化が誘発されることを世界に先駆けて発表するなど、日本発の研究が世界をリードする研究分野といえる」と豊田教授に日本の強みをうかがいました。

※BTJアカデミックのエピジェネティクス関連記事(直近1カ月)
【2008-05-30】
Baylor医科大学など、レット症候群の原因遺伝子が、2600以上の遺伝子の発現調節を誘導する”司令塔遺伝子”であることを発見
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20053430

【2008-05-12】
iPS国際シンポ、マウスES並みには定義できないヒトES細胞、iPS細胞研究の新たな頸木(くびき)に
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20052725

【2008-05-12】
続報、日本エピジェネティクス研究会の第2回年会は三島に250人、第3回は09年5月に東京・一ツ橋、第4回は鳥取
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20052719
【2008-05-12】
東大医、虚血後腎臓修復にエピジェネが関与、HDAC5抑制でBMP7誘導を介した腎臓修復へ
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20052728
【2008-05-07】
米Baylor研T.Bottiglieri所長、個の栄養最前線の葉酸、受容体に対する自己抗体にも注目
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20052604
 すでに発行・公開している「トランスフェクション」の特集記事は、「BTJジャーナル」08年5月号P.5-9をご覧ください。

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08年5月号(第28号)の概要を目次にて紹介します。

2 連載「大学は今」第5回
イメージングで免疫の全貌把握
審良静男・阪大IFReC拠点長

5 特集リポート
トランスフェクション
三宅淳・AIST部門長・東大招聘教授
三宅正人・AISTグループ長

10 BTJアカデミック・ランキング

 iPS記事がトップ3を独占
11 専門情報ウェブサイト「FoodScience」
 食品検査は是か否か

13 連載「サイコムキャリアプロジェクト」
 第4回 オンリーワンの自分を売り込め

16 連載「遺伝統計学へようこそ!」第15回
 現実的な全ゲノム関連研究を目指し

21 広告索引

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 BTJジャーナルは、オープンアクセス時代に対応した新タイプのジャーナルです。研究や教育、日常生活にご活用いただければ幸いです。
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                            BTJ編集長 河田孝雄