毎週金曜日のメールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田です。
 今日は三島市で開かれている日本エピジェネティクス研究会の第2回年会を取材してます。
 今日午前中は講演が4件。この中で、「エピジェネティクスを介する精神発達障害の発症メカニズム」と題して講演した山梨大学大学院環境遺伝医学の久保田健夫教授が、シャロン・ムレアム著「迷惑な進化」から次の内容を紹介なさっていました。
「エピジェネティクスはひょっとすると人間の健康管理の概念をまったく新しいものに書き換えてしまうかもしれないのだ。DNAは運命だが、修正可能な運命だ」という内容です。
 久保田教授は、1年近く前に日本エピジェネティクス研究会の第1回年会の模様を中心にとりまとめたBTJジャーナルの特集記事(BTJジャーナル07年6月号P.6-10)に登場していただきました。
 今回、久保田教授は、メチル化CpG結合たんぱく質(MeCP2)が結合する遺伝子として、神経関連の4遺伝子を見つけたことを発表なさってました。論文投稿中なので、詳しい内容は明らかにされませんで、山梨大学の頭文字をとって、YU1、YU2、YU3、YU4という遺伝子名で紹介してました。
 メチル化基質を自閉症の患者に投与することが、1970年代から行われており、有効性が報告されていることにも触れてました。還元型の葉酸が、日本で大腸がんの治療薬として保険適用になっていることも、紹介していました。
 メチル化の基質となるS-アデノシルLメチオニンを神経変性疾患の対策に利用する研究成果は、米DallasのBaylor Research Institute of Metabolic DiseaseのTeodoro Bottiglieri神経薬理学研究所長が2008年3月13日、イタリアGNOSIS S.P.A.社が主催するセミナー「Epigenetic Mechanisms in Alzheimer Disease」で紹介してました。詳しくは、BTJジャーナル08年4月号P.10-14をご覧ください。
 
 このセミナーは、3月13-16日に米Anaheimコンベンションセンターで開かれた世界最大の自然自然食品・サプリメントのトレードショー「NATURAL PRODUCTS EXPO WEST」の一環で開かれたものです。GNOSIS社は神経変性疾患に対応する素材SAMe (S-アデノシルL-メチオニン)とSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)の効果について研究を進めています。
 
※BTJアカデミックの記事
米Baylor研T.Bottiglieri所長、
個の栄養最前線の葉酸、
受容体に対する自己抗体にも注目
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20052604 
 
 それでは時間が迫ってきましたので、今日のメール原稿はここで打ち切りにします。
 
■BTJアカデミック・記事アクセス・トップ3(08年5月2日-5月9日)
【1位】海外重要発表、米MIT研究チーム、汚染へパリンによる死の謎を解き明かす
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20052576 
 
【2位】沖縄に高速シーケンサーが集積、沖縄科学技術研究機構も2台を購入
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20052566 
【3位】Cambridge大学など、肥満に関係する新たな多型を発見
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp?a1=1&jreq=btjnews&id=20052592 
 最後に、4月末に発行・公開した「BTJジャーナル」08年4月号(第28号)の目次を
紹介します。
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn 
 
2 連載「大学は今」第4回
iPSの世界競争に打ち勝つ
山中伸弥・京大教授

5 特集リポート
光イメージング
近江谷克裕・北大教授
金城政孝・北大教授

10 海外現地リポート
米Anaheimトレードショー

15 連載「いいともバイオインフォマティスト」第2回
中尾光輝・かずさDNA研究所特別研究員

17 BTJアカデミック・ランキング

18 専門情報サイト「FoodScience」

20 連載「サイコムキャリアプロジェクト」第3回
相手をよく知るには?

24 連載「遺伝統計学へようこそ!」第14回
質的形質と量的形質

36 広告索引

 ぜひ「BTJジャーナル」をダウンロードして、お読みください。パソコンでご覧いただくと、リンク先の情報もすぐに入手できます。プリントアウトをお読みいただくなら、カラーをお勧めします。

「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn

 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードしていただくと(無料)、ご覧いただけます。オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルですので、ぜひお楽しみください。
                            BTJ編集長 河田孝雄