旧文部省の跡地はすっかり高層ビルによって占拠されるオフィスゾーンとなりました。
 本日はまだ床もぴかぴかしている第七合同庁舎におります。しかし、同じ合同庁舎の名前を冠してまったく2つのビルが存在し、西棟、東棟と名づけられています。しかも、その間にコモンゲートビルがあり、初めて訪問した国民にとってはまことに紛らわしいこと夥しい。実際は、文部省・会計検査院が東棟、西棟には金融庁がそれぞれ占拠しており、名前だけの合同庁舎です。なんでこんなややこしい名前をつけてまで、合同庁舎を装わなくてはならなかったのか? 何かがありそうな感じです。少なくともここで開催される委員会の傍聴者がたどりつくまで苦労したと、苦情を言っていることを耳にしました。国民のためではなさそうです。
 
 本日は、第一回ヒトに関する有害性が明らかではない化学物質に関する労働者ばく露の予防的対策に関する検討会と第一回なのマテリアルの安全対策に関する検討会の合同会合に参加しております。旧労働省と旧厚生省がそれぞれ労働者対策と消費者対策を議論する委員会を立ち上げ、その合同部会であるため、委員の数は20人を超える大所帯となっています。これで本当に審議が円滑に進むのか? 私にはちょっと自信がありません。
 しかし、今後急速に実用化が進むナノテクノロジーの安全性対策は重要です。また、この委員会が92年のリオ宣言以来、危険性が証明されていない物質に対して予防的に対策を協議するようになりましたが、予防的に本当にどんな対策が可能なのかという意味でも、興味深いと思い、参加をいたしました。
 厚労省は08年2月7日、厚労省労働基準局長の名前で、ナノマテリアル製造・取り扱い作業現場における当面のばく露防止のための予防的措置についてという通知を出しました。まさに本腰を入れてきたのです。この場合のナノマテリアルの定義は、少なくとも1次元が100nm以下の物質です。直径90nmの線維や厚さ90nmの薄膜も対象となります。バイオ関係者でもこうしたナノマテリアルを取り扱う機会は必ず増加すると思います。今後、このメールでも安全対策の動向について報告したいと思います。
 
 最後に3月5日が締め切りです。バイオ機器試薬企業や支援企業、クラスター関係者向けに、3月10日に当社で開催するBTJ+バイオジャパン合同セミナーへの参加者募集です。私も08年のバイオの動向を講演します。BTJを活用したウェブマーケティングなどの報告もあります。今回はJBAと共同で、バイオジャパン2008の新規企画のお話もいたします。バイオジャパンは急速に変貌しております。どうぞ皆さんご注目願います。
 
 どうぞ下記から詳細をアクセスの上、お申し込み願います。締め切りは3月5日です。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=spc2008022653197 
 
 一人でも多くの皆さんのご参加を期待しております。
 
                Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
 
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超高速シーケンサーは情報基盤の整備が必須、電子レンジのような気軽さは思い違い
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 新型の超高速DNAシーケンサーが、あたかも、電子レンジのような気軽さで誰でも扱えるものと考えている研究者がいることにも驚かされる。ポストシーケンス時代になり次々と登場してくる新規ゲノム解析技術を取り入れるスピードは日本は残念ながらアジアの中でも遅れを取っていると言わざるえない──。ChIP-seqの魅力をも知り尽くしたChIP-chipの第一人者、白髭克彦・東京工業大学大学院生命理工学研究科教授は「そういう点をふまえて、慎重かつ大胆に、新規技術の導入を図っていきたい」と抱負を語りました。
 
 詳しくは「DNAチップ」を特集した、BTJジャーナル2008年2月号のP.7-9の記事をご覧ください。
 
 「超高速シークエンス技術に基づいたChIP-seqを始めとする新しい技術は確かに魅力的であり、かつ、ゲノムの全体像を正確に解析する上でその導入は不可欠。しかし、現在主流となっているゲノム解析技術の全て(DNAチップ技術、プロテオミクス技術等)が本当に使用に耐える技術として確立されるまで相当の労力と時間を要し、それなりの実験基盤を整備することが必要だったことを思い起こして欲しい。新型の超高速シーケンサーも、本当に使える技術とするにはハード、ソフト、ウエット、ドライ、全ての面で新たな試練を経験しなくてはいけないのは明白だ。特に、今まで手にしたことのないような膨大な情報量、様式のデータが短期間に産出されるため、新たな情報基盤の整備は必須」と警鐘を鳴らします。
 
 「大学の1研究室で研究できるコストパフォーマンスの良さの点で、ChIP-chipの優位は動かないのでは。ヒトのようにシンプルな繰り返し配列が多いゲノムは、ユニークな配列ほど判別しやすいDNAチップでは解析しにくい部分があるので、シーケンサーの魅力は大きい」と白髭教授は語りました。
 
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「BTJジャーナル」08年2月号(第26号)の目次を紹介します。
 
2 連載「大学は今」第2回
激化する博士の経済支援競争

4 リーダー・インタビュー
国際ヒト常在菌ゲノムコンソーシアム
服部正平・東京大学教授

6 特集リポート
進化するDNAチップ
ChIP-chipをヒト全ゲノムに初応用
白髭克彦・東京工業大学教授

10 リポート
文科省ターゲットタンパク初シンポ

11 新連載「いいともバイオインフォマティスト」第1回
 黒川顕・NAIST准教授

13 新サービス「BTJアカデミック」開始
14 専門情報サイト「FoodScience」
15 連載「サイコムキャリアプロジェクト」第1回 若手理系人に必要なのは論理力を汎用化すること
19 連載「遺伝統計学へようこそ!」第12回 家系情報がない集団を対象に「ありふれた」疾患の研究
 BTJジャーナルは、オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルです。研究や教育、日常生活にご活用いただければ幸いです。
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                         BTJ編集長 河田 孝雄