春一番が先週末、日本を吹き荒れましたが、皆さん大丈夫でしたか?
 
 急に冷え込んだので、心配しております。
 
 サッカーでは、韓国に引き分けたのが残念でしたが、現在のあのチームの実力通りだと思います。ある意味で完全に試合を韓国がコントロールしておりました。岡田監督にもう二頑張りしていただかなくてはなりません。
 その代わり、なでしこジャパンが東アジアカップをぶっちぎりの完全優勝で飾りました。間違いなく北京でもメダルを期待できます。男子はそれに及ばず。男子はやはり当たりの弱さが問題です。個人で韓国選手に負けなかったのはボンバーヘッドの中沢だけではなかったのか。ここは猛省する必要があります。
 
 「日本の再生医療はサッカーのナショナルチームにそっくりだ」
 
 京都大学再生医科学研究所生体修復応答分野准教授、高橋淳氏はES細胞を利用したパーキンソン病治療の最前線を紹介する講演で、こう締めくくりました。
 
 「黄金の中盤を抱えながら、最終的のゴールを決める奴がいない」
 
 会場は大いに沸きました。私も高橋さんの言うとおりだと思います。
 
 わが国のサッカーチームは極一部の選手を除いて、泥臭くても、格好悪くても点を取るという気迫を欠きます。
 
 再生医療でも、霊長類までのES細胞の基礎研究の厚い基盤に加え、フィーダー細胞フリーのES細胞培養技術(まだマウスですが)や神経細胞の分化誘導技術、さらには発がんや奇形種の発生を抑止するため、ES細胞から分化誘導した細胞群から未分化の細胞を除去する技術、そして成人の細胞から遺伝子導入で、多能性幹細胞(iPS細胞)を誘導する技術まで、絢爛豪華たる中間技術を再生医療で整えていると思います。
 
 わが国はまさに、再生医療における黄金の中盤(技術)を持っているのです。それだけに、最終的な臨床応用の壁を突破できるフォワードが求められているのです。皆さんも、わが国の代表チームの試合を見て、中盤までは美しいが、点を取らないことを嘆いた経験がおありだと思います。
 
 勿論、被験者に対する十分なリスクの説明と納得が前提ですが、再生医療でマウスを治療しただけでは、社会の役に立ちません。
 
 わが国では、再生医療の臨床応用の基盤(基礎研究、トランスレーショナル、臨床プロトコール作製など)は神戸市の先端医療産業都市が一番整っていると思います。神戸中央市民病院との救急の連携の確保と、ES細胞やiPS細胞由来の細胞の安全性の確認を進めれば、最初の臨床応用例が可能となる条件を備えていくことができると考えています。
 
 そのためには、まずES細胞の利用指針という国際的にも希有な国の審査を要求する指針は、樹立後のES細胞の分譲機関の審査で代替する規制の適性化を急ぐべきだと考えます。更に、ES細胞の臨床に関する指針作成を急ぐべきでしょう。世界最高の速度で高齢化するわが国で、最も望まれているES細胞の再生医療の実現化こそ、今までの官僚的態度、「申請がないから指針ができない」は許されないでしょう。薬害AIDS裁判で認定された不作為が問われると思います。必要な規制ならきちっと予め議論して、先回りして作成する
必要があるでしょう。
 
 臨床応用研究の進展と時を合わせて、準備するべきだろうと思います。
 
 神戸市では患者団体が自ら細胞をバンキングしてES細胞やiPS細胞の研究に貢献することすら検討が始まった模様です。
 
 患者・患者団体、医師、自治体、厚労省・規制機関、企業、これらのステイクスホルダー(利害関係者)の中で、厚労省・規制機関、そして企業(大企業)の動きが最も悪い。まさに患者さんに再生医療を還元するフォワードに頑張ってもらわなくてはならない構図です。
 
 高度医療評価制度が4月から発足します。これで未承認の医療や医療器機も、混合診療も可能となります。残る問題は、わが国の保険会社がこうした臨床研究を保険の対象として認めるか?
 
 現在のところ、ここが最大のネックかも知れません。
 
 最後の護送船団である金融機関が、わが国では信用創造という、リスクを見切りマネージするのが仕事であることを忘れているのが最大の問題です。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/0501/ 
 
 サッカーと同じ、リスクを取って点を取る人材を育成し、保護しなくてはなりません。
 
 今週もどうぞお元気で。
 
     Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
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沖縄県、補正予算で次世代シーケンサー3台購入決定、産総研も進出、
ギガシーケンスでバイオ振興へ(08/2/19)
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伊藤園「お~いお茶」や大塚「ポカリ」がアクリルアミドの害を抑制、三輪錠司・ 
中部大学教授らが線虫バイオセンサーの成果を論文発表(08/2/5)
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京都大学がマウス肝臓と胃の細胞からiPS細胞樹立、第5の因子の必要性否定、
成熟した細胞の初期化にも確証(08/2/15)
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UCLA、ヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作出、先の京大の成果を確認(08/2/12)
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2月19日のゲノムネットワークシンポでも話題に(08/2/20)
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【10位】
激化する博士の経済支援競争、身を削り、院生確保に走る大学(08/1/28)
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 詳しくは、今晩発行・公開する「BTJジャーナル08年2月号をご覧ください。
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 このBTJジャーナル2月号では、新世代のDNAチップ/マイクロアレイの特集記事を掲載します。お楽しみに。
 この2月号が公開になると、ダウンロードサイトが込み合いますので、1月号はお早めにダウンロードをお願いします。
※創刊2周年にあたる08年1月号(第25号)の目次は以下の通りです。
 
2 新連載「大学は今」
阪大が海外企業と初の包括提携
メタボロームで有力マーカー続々

5 リーダー・インタビュー
統合バイオリファイナリー
センターで外部資金獲得へ
 近藤昭彦・神戸大学教授

7 特集リポート
ノーベル賞PCRに新世代
酵素の進化など革新続く
 石野良純・九州大学教授

12 学会コレクション
第4回日本学術振興会賞

13 専門情報サイト「FoodScience」

14 連載「遺伝統計学へようこそ!」
第11回 遺伝継承法則を用いた解析

 BTJジャーナルは、オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルです。研究や教育、日常生活にご活用いただければ幸いです。
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                         BTJ編集長 河田 孝雄