毎週金曜日のメールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田です。
 
 今日(1月25日)は、創刊2周年を迎えた「BTJジャーナル」08年1月号の編集・制作作業を進めております。
 今号では、アイデアを閃いてから25年、ノーベル賞が授与されてから15年が経過した、PCRを特集しています。
 
 先週、九州大学の石野良純教授にお話しをうかがいました。
 ゲノムの不安定性に起因する遺伝病であるファンコニ貧血症の原因遺伝子の1つが、先に古細菌から石野さんが発見したHefのヒトのホモログであることが最近、突き止められました。Hefは、DNAの組み換え中間体である十字架構造、ホリディジャンクション(HJ)を切断する酵素HjcのHJ切断活性を促進する新規エンドヌクレアーゼとして石野さんが見いだしたものです。
 
 DNAの生体内代謝というのでしょうか、DNAの3Rといわれる、複製、修復、組み換えは、生物の根源となる反応なので、疾病に関連した成果が生まれるのも当然といえば当然ではありますが、改めて、おもしろいと感じました。
 
 もちろん、遺伝子を作る、切る、繋げる、解くといった操作に生体内DNA代謝酵素は役立つので、産業上で有用な発明にもつながります。
 
 今日BTJに掲載した下記の記事をご覧ください(第2段落以降は、パスワードが必要です)
■BTJ記事
新世代PCRに貢献へ、石野・九大教授らがメタゲノムで
耐熱性DNAポリメラーゼの伸長活性をTaqポリメラーゼの10倍に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/9870/

「基礎研究と応用研究はそれぞれにお互いに依存し合いながら、この20年の間に急速に進展してきた」というのは、石野さんの総説の記載ですが、なるほどと思います。

 詳しくは、今晩発行・公開する「BTJジャーナル」08年1月号のPCR特集記事をご覧ください。BTJジャーナルはPDFをダウンロード(無料)すれば、全文をご覧いただけます。
「BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 PCRで93年にノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリス氏は、その前に、日本国際賞を受賞しました。授賞式で、日本の皇后に「スウィーティ(かわい子ちゃん)」と挨拶した件が、「マリス博士の奇想天外な人生」(ハヤカワ文庫、2004年)に記載してありました。この訳者である青山学院大学の福岡伸一教授の著書「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書、07年)にも、PCRまわりの魅力的なエピソードが紹介されてます。

 「生物と無生物のあいだ」はすでに40万部を突破しているとのことなので、すでにお読みになった方も多いかと思いますが。
 一時はノーベル賞よりも賞金額が大きいということで話題になった、その日本国際賞は先週、発表になりました。
■日本国際賞の記事
日本国際賞の09年授賞対象分野の1つが「健康・医療(技術)」に決定、
検討委員長は浅島誠・東大副学長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/9736/

米NCBI遺伝病辞典の著者V.A.McKusick博士が、
86歳で第24回日本国際賞を受賞、
「ゲノム・遺伝医学」分野の若手研究助成は8人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/9735/

 阪大が初めて海外企業と包括提携して挙げている成果も、BTJジャーナル08年1月号
に掲載しますのでぜひご覧ください。

■BTJ記事
阪大医学部武田教授、
アルツハイマー病の論理的バイオマーカーをカナダPDI社と論文発表、
化合物の臨床評価に活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/9826/

結腸直腸がんで欠乏するビタミンE関連6化合物、
カナダPDI社と包括提携する阪大病院が、
08年4月から大阪がん検診センターと臨床研究を開始へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/9813/
 最後に、先月末に発行・公開の「BTJジャーナル」07年12月号(第24号)の目次を紹介します。
2 短期連載「法人化から3年」
国立大学法人の中間評価と
インパクトファクター・被引用数

4 インタビュー
環境対策バイオプロセス
清水昌・京都大学教授
横関健三・味の素アミノサイエンス研究所理事

7 リポート
次世代シーケンサー続々登場
バイオ研究に抜本的な大変革
 榊佳之・理研GSCセンター長
 林崎良英・理研主任研究員

12 連載「さきがけCloseUp」総集編
「さきがけライブ」07年末は実施せず

14 専門情報サイト「FoodScience」

15 連載「科学技術政策を論じよう」
 第4回 深刻化するポスドク問題

18 連載「遺伝統計学へようこそ!」
 第10回 遺伝統計学とゲノム研究

33 広告索引

 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードしていただくと(無料)、ご覧いただけます。オープンアクセスに対応した新タイプのジャーナルですので、ぜひお楽しみください。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/

                         BTJ編集長 河田 孝雄