こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 GreenInnovationメールの第3週を執筆いただくのは、今号は、京都大学大学院農学研究科海洋微生物学分野の澤山茂樹教授です。澤山教授は藻類など、主に応用微生物学を専門としたバイオ燃料の研究をされています。今回は、ご自身が参加されているNEDOプロジェクトについてもご紹介いただいています。
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◆「日経バイオテクオンライン」の関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━
        農業/環境分野のバイオテクノロジー記事
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POET社、バイオリファイナリーがサウスダコタ州より廃水管理の優秀賞を受ける
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9116/
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DuPont社、Danisco社株式の公開買付を完了
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9115/
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DuPont社、農業生産性向上には研究投資の引上げが必要と国連会議で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9027/
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Monsanto社、ノースカロライナ州立大学にキャベツ遺伝資源を寄贈
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8975/
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Albemarle社、Catilin社を買収、バイオ燃料生産用触媒の品ぞろえを強化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8972/
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Solazyme社とBunge社、トリグリセリドオイル生産に向け共同開発契約を締結
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8974/
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Genencor社、バイオベースのグリーン家庭用品に対する消費者意識を調査、上昇の傾向
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8973/
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カネカ、組み換え微生物で生産するバイオポリマーPHBHの生産実証設備が竣工、商品名も決まり営業開始へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8928/
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◆ニュースウォッチ◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  「微細藻類由来のバイオ燃料」
        京都大学大学院農学研究科海洋環境微生物学分野・澤山茂樹教授
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 5月になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。花粉症で15年間苦しんでいる当方にとって、マスクとお別れできる5月は待ちに待った季節ですが、京都は早くも暑くなってきそうです。
 5月10日に、日経バイオテク・オンラインで2011年1月から5月を指定して「藻類」で検索すると、15件の記事が出てきました。
 2011-04-25 12:30:02「米Intel社、生産施設がLEEDシルバー認証を受ける、藻類による二酸化炭素回収も実施」という記事が紹介されています。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8585/
 アリゾナ州立大学とインテル社が、ボイラー排出ガスで藻類を培養し、バイオ燃料を生産するとのこと。関連記事として、2010-07-13 12:47:30「米エネルギー省、藻類由来バイオ燃料の研究に2400万ドルを拠出」が紹介されています。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2396/
 ここで紹介されている内容は、研究開発段階と読めます。これらの記事からも、米国では微細藻類由来のバイオ燃料が注目されているということが分かります。私を含めて多くの方が関心を持っているは、実用化されるのかどうか、されるとすればいつごろか、ということだと思います。このような状況は、20年前と若干似ているとも感じています。20年前と違うのは、原油の価格が上がり、遺伝子関連のバイオテクノロジーが発展したことでしょうか。今はやりのピータードラッカーは、「既に起こった未来を確認することが重要」と教えてくれています。現在見えているトレンドのどれが未来を示しているのか、見分けられればいいのですが・・・。研究者としては、議論ができる実験データを提供するために、着実に研究を進めていきたいと考えています。「議論ができる実験データ」の重要性は、東京大学の五十嵐泰夫先生から教えていただいたお言葉です。
 今回は、当方が参加しているNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業について、簡単に紹介させていただきます。NEDO「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業(次世代技術開発)」は、2025年から2030年の実用化を目指す次世代バイオ燃料の基礎研究として、2010年度からガス化‐液体燃料(BTL)や微細藻類由来のバイオ燃料などの研究開発がスタートしています。微細藻類関連の事業としては、以下の4つがあります。
▽遺伝子改良型海産珪藻による有用バイオ燃料生産技術開発
=高知大学、京都大学、東京大学、ユーグレナ
▽共生を利用した微細藻類からのバイオ燃料製造プロセスの研究開発
=JFEエンジニアリング、筑波大学
▽微細藻類による高効率炭化水素生産プロセスの研究開発
=東京大学、東京瓦斯
▽微細藻由来のバイオジェット燃料製造に関する要素技術の研究開発
=JX日鉱日石エネルギー、ユーグレナ、日立プラントテクノロジー、慶応義塾大学
 当方が参加しているのは、海産としては珍しく炭化水素を生産するリゾソレニア属珪藻を用い、バイオ燃料の生産を目指した最初の事業です。研究開発の中心は、高知大学の足立真佐雄教授が担当するウイルスプロモーターを用いた遺伝子操作技術により、バイオ燃料の生産性を向上させるところです。京都大学大学院農学研究科は、サブテーマ「バイオリアクタによるバイオ燃料生産速度向上の研究」を担当しています。筑波大学の井上勲教授が「藻類30億年の自然史」で、優良株の探索と選抜の重要性を述べておられます。私はそれらに加え、実用化に向けて有用物質の生産性やストレス耐性などについて、微細藻類株の分子育種も重要ではないかと感じています。