こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 前号に引き続き、専門家による寄稿を掲載しました。今号は、京都大学大学院農学研究科海洋微生物学分野の澤山茂樹教授に寄稿してもらいました。澤山教授は藻類など、主に応用微生物学を専門としたバイオ燃料の研究をされています。澤山教授には、毎月第3木曜日のGreenInnovationメールに登場いただき、日経バイオテク・オンラインで報じた環境バイオやアグリバイオ関連のニュースの中から幾つかピックアップして解説いただく予定です。
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◆「日経バイオテクオンライン」の関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━
        農業/環境分野のバイオテクノロジー記事
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Bayer CropScience社とDuPont社、カノーラ品種をクロスライセンス
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8492/

佐賀大学発ブランド野菜「バラフ」の初の化粧品、東洋新薬が2011年秋にも発売へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8464/

Genencor社、織物加工用酵素製品の品揃えを強化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8440/

DuPont社、米上院委員会で再生可能燃料基準(RFS)の維持に支持を表明
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8407/

Monsanto社、Genuity SmartStax RIB Complexトウモロコシの米国登録を完了
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8400/

文部科学大臣表彰、理研は今年度10人受賞と発表、そのうち理研本務は5人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8390/

Bayer CropScience社とSyngenta社、HPPD除草剤耐性のダイズ品種を共同開発へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8367/

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◆ニュースウォッチ◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  「E3ガソリンはもうかる」
        京都大学大学院農学研究科海洋環境微生物学分野・澤山茂樹教授
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 縁があって、今回からコラムを執筆することになった澤山です。よろしくお願い致します。編集長に何を書いたらいいのか聞いたところ、最初は自己紹介などいかがでしょうかとのアドバイスをいただきました。

 私は学生時代京都大学大学院農学研究科で赤潮植物プランクトンの研究を行い、その後、独立行政法人産業技術総合研究所(当時は通商産業省工業技術院)に就職、近年、京都大学大学院農学研究科に転職しました。就職してからの約20年間は、主に応用微生物学を専門としたバイオ燃料の研究に従事しています。

 国研と違い大学は教育の場ですから、自分のビジョンやゴールの整理を迫られています。本年4月の最初の研究室ゼミでは、自分のビジョンは「持続可能な社会」、ゴールは「無事な卒業とビジョンへの貢献」と紹介し、学生さんに自分のビジョンとゴールを考えてもらいました。

 バイオ燃料で、少しでも持続可能な社会の実現に貢献できないかと考えています。大震災によって、バイオ燃料を取り巻く情勢も大きく変わってくるかもしれません。できれば双方向でコミュニケートできればと考えておりますので、何か気になることがありましたらメルマガリーダーの皆様のコメントなどいただければ幸いです。

 少し古い情報で恐縮ですが、下にリンクを張った2011年2月10日の記事「E3ガソリンはもうかる」は、導入・普及が順調には進んでいないといわれるバイオ燃料において、心強いと感じる記事でした。

「E3ガソリンはもうかる」中川物産がガソリンスタンド21店舗で通常のガソリンから全面切り替えへ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/7029/

 バイオエタノール分の揮発油税が控除され、100%ガソリンよりもうかるため、中川物産では販売を強化するとのこと。経済性があるので売りたい・買いたいというのは、導入・普及には一番のダイナモになると期待されます。新エネルギーの導入・普及には、何らかのインセンティブが必要な場合が多いのですが、事業者がもうかる仕組みが有効と感じます。バイオエタノールは米国から輸入されるとのこと。販売業者がもうけようとすると、生産者は厳しく選別されることになります。「どこで、どんな原料から、どうやって作れば経済性よく作れるか」ということが問題になりますが、特にバイオマスに関しては原料の価格と供給量が大きな課題と感じています。

 一方、2011年2月15日には、ヤマハ発動機がライフサイエンス事業から撤退するとの記事が紹介されています。

ヤマハ発動機の柳社長がライフサイエンス事業からの撤退について説明「市場がそんなには大きくなかった」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/7151/

 微細藻類の産業利用を目指した研究を行っている当方にとって、ショックを受けた記事でした。緑藻ヘマトコッカスによるアスタキサンチン生産事業は、微細藻類利用技術の成功事例として、講演会で紹介させていただいていました。社長の撤退理由のコメントは、十分な市場規模が見込めないためということのようです。当方は、バイオエタノールなど比較的低価格のバイオ燃料について、低コストで生産できる技術の開発を目指しています。そのため、マーケットは十分大きいという前提で物事を考えており、単価の高いアスタキサンチンの市場規模の問題には思い至っていませんでした。今回のことから、価格と市場規模のバランスが重要という勉強をさせていただきました。事業からの撤退は、関連の研究者にとっては、とてもつらいことかもしれません。トンネルの向こうに光明を見出されることを祈念しています。