こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 今号から、専門家による寄稿の掲載を開始します。まず今号は、バイオインダストリー協会つくば研究室の小林良則室長に寄稿してもらいました。ダイセル化学工業を経て、現在、バイオインダストリー協会のつくば研究室に籍を置き、NEDOのバイオエタノール製造技術開発のプロジェクトに関わっておられます。セルラーゼの糖化能力を公平に比較評価するために、まずは評価方法の標準化から取り組まれたとか。今後、製造業の視点も交えて、バイオ研究のあり方などを語っていただけそうです。
※※みなさまからのご意見、ご批判をお待ちしております。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
※※過去のメールはブログでご覧になれます。コメントもお寄せください。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/green/
※※日経バイオテク編集部のミニブログTwitter(ツイッター)アカウント。
http://twitter.com/nikkeibiotech 
◆「日経バイオテクオンライン」の関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━
        農業/環境分野のバイオテクノロジー記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   
Mossi & Ghisolfi社、世界最大のセルロース系エタノール施設を建設へ、Novozymes社が酵素を供給
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8365/
文部科学大臣表彰の若手科学者賞、82人のうち43人がバイオ関係、所属組織は京大7人、九大6人、東大と阪大が4人、理研は3人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8342/
科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者を文科省が決定、震災への配慮で表彰式は行わず
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8340/
米農務省、バイオ燃料の普及を目指しフレキシブル燃料給油ポンプの設置を助成へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8336/
生体分子計測研、金沢大学の安藤敏夫教授が開発したCCDハイビジョン高速AFMを商品化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8315/
山口大の研究開発委託費等の不適正経理処理の措置を経産省が発表、5課題中4課題がバイオ関連
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8314/
POET社、バイオディーゼル生産用に供給するコーンオイルを増産へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8268/
Novozymes社CEO、世界経済フォーラムでバイオ燃料の推進を求めたレポートを発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8269/
※※全文をお読みいただくには「日経バイオテク」ご購読のお申し込みが必要です。お申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
◆オピニオン◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  40円/Lを目指したバイオエタノール製造技術開発に取り組む
           バイオインダストリー協会つくば研究室・小林良則室長
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 バイオインダストリー協会つくば研究室の小林と申します。今回より、月1回本コーナーを担当させて頂きます。震度5という強烈な余震がまだまだ続くつくばで書いています。私は2008年6月まで20年余、化学企業で医薬品関連事業における研究企画・基礎研究・工業化研究を担当してきました。専門分野は応用微生物学、酵素化学ですが仕事では精密有機合成、発酵、バイオコンバージョン、カラム法光学分割技術分野等の研究マネージメントを担当してきました。
 定年退職後、JBAの職員となり、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の加速的先導事業プロジェクトでセルロース系バイオマスからのエタノール製造プロセス開発に参画しております。JBAはこのプロジェクト推進のために、2008年10月、初めてのケースとして独自のセンターラボを産総研つくば中央内に立ち上げ、以来、2年半ほど研究を行なっております。
 本プロジェクトでは糖化と発酵に関する基盤技術開発を推進しておりますが、当ラボでは主に前者を担当しております。主な目的はバイオ燃料技術革新計画で目標とされた40円/Lのエタノール製造技術開発を目指した高機能糖化酵素の創成と高効率糖化法の開発です。高機能糖化酵素の創成研究では、多くの研究課題がありますが、まずセルラーゼの糖化性能を公平に比較評価する目的で各種活性測定法の標準化を行いました。次いで、これらの標準法によって、市販の各種セルラーゼや、プロジェクトメンバーが長年に渡って研究してきた各種起源のセルラーゼについての能力評価を行いました。
 また、メタゲノム手法など、最新の手法で取得された新規酵素の評価も行っています。高効率糖化法の開発についてはバイオマスの微細構造に詳しいプロジェクトメンバーと協業し、基質のミクロ構造解析および基質と酵素のインターラクション解析から高効率糖化を目指そうとしています。
 今後、これまでの研究で得られた成果を少しづつこのコーナーで紹介させていただきます。また、私は大学の教育にも多少関係しておりますので、バイオマス分野の研究を例に取り、民間企業と大学での研究のあり方などについても思うところを述べてみたいと思います。
 ところで、今回の地震により春の学会が軒並み中止になるという前代未聞の事態になっております。私も、かれこれ30数年ぶりに自分で発表しようと意気込んでいたのですが、これだけの被害ですから中止は当然と思います。来年を目指して頑張ります。