1カ月前には思いもつかないことでしたが、日本はいま電力・燃料不足の問題に直面しています。原子力を中心においた日本のエネルギー政策の見直しも今後議論になりそうです。この危機の克服に環境バイオ技術はどのように貢献できるでしょうか。
 もちろん、バイオマス発電が、原子力発電にとってかわることは考えられません。しかし直近の課題克服では役立つ場面もありそうです。日経バイオテク最新号の特集で取り上げたBTL技術などは、その選択肢の1つだと思います。
 地震で倒壊した家屋など、災害廃棄物の処理が大きな問題になっています。一旦、別の集積場に移送されるようですが、その総量は平時の排出量の数年分に相当するとのことです。これらをバイオマスとして活用し、発電、液体燃料製造につなげられれば、現地で必要な電力や燃料の確保にわずかでも貢献できるのではないでしょうか。プラント設置によって現地に雇用機会が生まれるならば、それもとても重要なことだと思います。
 ただ、今回の災害廃棄物は津波の影響で塩を大量に含んでいるはずで、現在のBTL技術では対応が難しいかもしれません。課題の克服にはスピードが求められますし、あまりにも大きなコストがかかるならば現実的ではありませんが、検討してみる価値はあると思います。
 
 ほかにも役立つ可能性があるバイオ技術が、日本中を探せばあるのではないでしょうか。バイオセクターの知恵と技術を総動員して被災地の生活再建を支援に取り組みたいものです。
                   日経バイオテク副編集長 小田修司
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