バイオプラスチック特集を書き上げました。来週、日経バイオテクとオンラインで掲載されると思います。バイオプラスチックを販売している会社、バイオプラスチックを採用している会社の両方を取材しました。ですが、内容が広範になりすぎるため、今回は主に、バイオプラスチックの採用動向に絞りました。
 その結果、バイオプラスチックの開発をしている会社の取材内容が特集からもれてしまいました。これについては、日経バイオテクオンライン(一部、2011年の日経バイオテク)に順次アップしていきたいと思いますので、そちらもぜひ、ご期待ください。
 今回の特集の見所の1つは、バイオプラスチックが新しく採用され始めた商品分野「バイオマストナー」です。リコーが昨年、シャープが今年発売し、京セラミタは来年夏の商品化を目指しています。リコーとシャープが発売したのはモノクロトナー、京セラミタが目指しているのはカラートナーです。
 レーザープリンターとか、コピー機の印刷で使うトナーの成分の80%は石油系の樹脂です。熱をかけて瞬間的に柔らかくして、文字の形にそってトナー樹脂を貼り付け、冷却して定着させているわけです。一度、紙の上に定着したトナーは、物性的、コスト的に、リサイクルはほぼ不可能なので、焼却処分されています。リコーによるとその重量は、年間20万tに上るそうです。
 そのトナー樹脂の20%から30%程度をバイオプラスチックで置き換えることを3社は目指し、技術開発に成功しました。シャープの場合、石油系トナーとバイオマストナーとで、販売価格は同等です。ただし実際にはまだ、生産コストは石油系より高いようです。
 3社がこの分野に参入し、技術開発競争が激しいのはよい傾向です。近い将来、本当の意味で生産コストが同等になっていくと思います。でも少なくとも過渡期的には、ちょっと価格が高くても、このような製品の普及を助ける制度が必要かもしれません。米国には、電子製品環境評価基準というのがあって、企業が新規購入を検討する際に、バイオプラスチックを使用しているパソコンなどが優先される傾向にあるようです。
 同じような制度が日本にもあれば、この分野の技術開発の促進、市場の活性化が期待できるのではないでしょうか。お金を(あまり)かけずにできる経済対策案の1つとして、ぜひ国に検討してもらいたいですね。
  日経バイオテク副編集長 小田修司
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