現在、名古屋でCOP10が開催されていますが、当編集部で環境・エネルギーの担当は私1人です。前回、ちょっとご紹介した「日経バイオ年鑑2011」の編集作業で忙殺されていて取材にいけません。それでフリーライターの長光大慈さんに現地に行ってもらい、ニュースをアップしてもらいました。
 長光さんが、現地で取材に苦戦している様子を書かれていますけれど、事前準備も結構大変でした。COP10は日本で開催されていますが、実は、事務局本部は海外にあります。ですからメディアの取材登録の書類はすべて英語で書いて提出しなければなりません。その事前準備は私が担当しました。フリーライターの登録と、記者の登録はまた違うので、それを日本事務局に確認するのにたらい回しされたり…。
“COP20”とかが日本で開催されれば、そのときはもっとスムーズに、もっとリアルタイムに対応できると思います。次は私も現地取材に行きたいです。
 会議の方はというと、まだ「遺伝子資源へのアクセスと利益配分(ABS)」についての議論で結論がでていませんが(28日午前・現在)、時間もせまってきています。結論が出たら、可能な限り速やかにお伝えしていきたいとおもいます。
 ただ、こういった会議ものの報道は、物量・人海戦術で勝る大手新聞・テレビには、なかなか速報性で勝てません。わたしたちとしては、日経バイオテクらしい分析記事に力をいれることになると思います。
 ところで、日経バイオ年鑑2011の編集作業をしていて改めて知ったのですが、日本ではまだ、組み換えフィターゼが飼料添加物としてあまり使用されていないようです。
 フィターゼはフィチン酸を分解する酵素です。フィチン酸にはリンが含まれているのですが、ウシなどはフィターゼを持っていないので、それを吸収して栄養として利用することができません。そのためリンが、糞の中にフィチン酸のまま排出されます。環境に排出されたリン(フィチン酸)は河川の富栄養化を起こします。
 法律上、日本で組み換えフィターゼを使うことはできます。承認されたのは2000年のことで、もうずいぶん前になりました。既に無くなってしまった「日経バイオビジネス」という雑誌が創刊されたころに、ちょうど話題になっていました。
 海外では、この組み換えフィターゼが売れているそうです。飼料の有効利用でも、環境保護の観点からも有用な製品だと思うのですが、やはり日本人には「組み換え」は受け入れられないのでしょうか。組み換えでないフィターゼが入手可能なので、畜産の規模が小さい日本では敢えて使おうとされない、という事情もあるようです
けれど。
 そうこうしているうちに外の世界では、フィターゼの遺伝子を組み込んだ飼料用トウモロコシの使用も始まりつつあるようです。この分野の「ドラッグ・ラグ」は、医薬品分野以上かもしれません。
                   日経バイオテク副編集長 小田修司
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