バイオプラスチック関連で、先週から今週にかけて重要なニュースがありました。帝人のポリ乳酸系バイオプラの「バイオフロント」がブランド・メガネのフレームに採用されたというニュースと、トヨタ自動車が豊田通商と共同開発した エコプラスチック (重量構成比30%が植物原料)を、高級車レクサスに採用することを決めたというニュースです。
 メガネについては鼻にあたるパット部分への採用はこれまでもありましたが、ツルやフレーム本体への採用は初めてだそうです。自動車では、タイヤカバーとかフロアマットへの採用はありましたが、内装表皮材としての採用は世界初。2011年度初頭のレクサスCT200hへの採用を皮切りに、同年度中に表面積全体の80%をエコプラスチックに変えた車両も投入予定だそうです。
 2つのニュースからは、バイオプラスチックを巡る環境が変わってきた様子がうかがえます。
 1つは、これまでにない用途で使われ始めたということですね。要因としては、素材の物性改良が進んだことが大きいです。帝人のバイオフロントがメガネのフレームに採用されたのは、従来のポリ乳酸系バイオプラスチックで不足していた耐熱性が強化できたからです。
 トヨタ自動車とトヨタ通商が開発したエコプラスチックも、耐熱性、耐久性、耐伸縮性を飛躍的に向上させ、石油系プラスチックと同等にしたそうです。日本電気は今年1月にバイオプラスチックを筐体に使用したパソコンをビジネスユース向けに発売しましたが、この素材には独自技術で難燃加工がされています。
 もう1つの変化は、バイオプラスチックを製品に使うことは「消費者に選ばれる」ための手段として有効だと企業が本格的に認識し、行動に移し始めたということです。生産コストではまだ石油由来にはかないませんが、「ブランド価値を高めるためにあえて使う価格の高い素材」として考慮できる程度までは来ています。
 それから興味深いのは、大手消費財メーカーが素材開発を独自に行うケースが目に付くことです。これは将来、自社製品にバイオプラスチックを大量に使用することを見越した上での戦略でしょう。
 ちなみに日本電気は同社の環境経営行動計画の中で、「2017年にすべての主要製品へのバイオプラスチック適用を目指して取り組む」としています。あまり報じられていないように思いますが、けっこう過激な内容ですね。今後数年のうちに、バイオプラスチック市場が大きく動き出しそうです。
                     日経バイオテク副編集長 小田修司
※※みなさまからのご意見、ご批判をお待ちしております。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
※※過去のメールはブログでご覧になれます。コメントもお寄せください。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/green/
※※日経バイオテク編集部のミニブログTwitter(ツイッター)アカウント。
http://twitter.com/nikkeibiotech 
◆「BTJ」の関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        農業/環境分野のバイオテクノロジー記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
帝人の「バイオフロント」採用のメガネフレームが12月発売へ、価格は2万8000円
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4167/
いもち病に強くて美味しいコシヒカリ、作出に成功した研究戦略とは
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4149/
 
Novozymes社の酵素を加えた固形洗濯石鹸が中国で発売
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3969/

アクション・プラン施策で、「廃木材からバイオエタノール」モデルの苦境を救えるか
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3942/