ここ数年、藻類研究がブーム化しています。2010年度の予算でもNEDOとJSTが、藻類研究の推進を図っています。以前も述べたように、微細藻類でのバイオ燃料生産は夢も課題もいっぱいですが、実現に向けて「転がりだしている」感はあります。
 世界の動き(特に米国)はさらに早いです。9月15日、米カリフォルニア州のバイオ燃料製造ベンチャーsolazyme社が、米海軍に対して藻類由来のバイオディーゼルを15万ガロン(1ガロンは3.8L)供給する契約を獲得したというプレスリリースを出しました。当初の契約量2万ガロンから、一気に7倍以上になります。
 もちろん生産コストが、石油由来のディーゼル油にかなうようになったわけではありません。軍艦の燃料として必要なディーゼル油を他国に頼らずに調達できるよう、高い燃料を買い上げることでベンチャー企業の技術開発を後押ししているのでしょう。
 「米国では、藻類からバイオディーゼルを作る研究は安全保障上の観点から進められているので、単純に追随すると方向性を誤る」とNEDOの担当者が言っていたのを思い出しました。
 ただ、よくよく考えると日本でも同様の施策はありかもしれないとも思いました。安全保障の観点で言えば、日本の方が米国より燃料確保は深刻なわけですから。自衛隊が使う燃料の一部を国産バイオ燃料にすることには、国民の理解もそれなりに得られるのではないかと思いますが…。
 現在のバイオデイーゼル燃料の製造コストはがんばっても500円/L程度といわれています。まだちょっと早いかもしれませんが、今後、技術開発が進み事業化が視野に入り始めた段階では、日本でもそんな議論が出てくるかもしれません。読者の皆様はどう思われますか。
                日経バイオテク副編集長 小田修司
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