一昨日から、2011年度の科学技術関連予算の個別施策ヒアリングが行われています。予算獲得に直結する「優先度判定」ですから、総合科学技術会議のメンバーの前でプレゼンをする各府省担当者は真剣そのものです。しかし特にアクションプラン関連のプレゼンでは、プレゼンターと審査員の意図がなかなかかみ合わない場面も見られました。興味深かかったです。
 府省は、「わが省の手持ちのリソースとしてはこんな研究所があって、そこでこんな研究をやります」とか「○○について基礎研究のテーマを公募して10年間支援します」といったプレゼンを、例年通りに延々とするわけです。
 しかし審査員がアクション・プランの施策説明として求めているのは、「この研究領域で日本の立ち位置はここ。現在こんな課題がある。それを解決して産業につなげるためにはオールジャパンでこんな研究をしなければいけない。だから、○○省はこれ、□□省はこれ、我が省はこの課題を担当する。達成目標はこれだ」――といった内容でした。国の戦略として科学技術予算を付けるための見取り図がアクション・プランなわけですから。でも、できないと。
 あまりにかみ合わないので内閣府の担当者が割って入って、「アクション・プランが今年初めて出てきたところ。いままでやったことがないから、そんなプレゼンができない。残念ながら、これが現在の日本の姿だ」と自嘲ぎみに説明する一幕がありました。
 「なるほど」と、一堂納得です。
 日本では、同じ領域の事業予算を要求する前に、府省間で目的や守備範囲を確認をすることさえ、行われていないわけです。改めて確認するとショックな事実ですね。
 今年から登場したアクション・プランとその運用にはいろいろ問題があり、突っ込みどころ満載です。2012年度版が作られるかどうかさえ、内閣府は「わからない」といっています。
 そんなことでいいとは思いませんが、少なくとも上記のような問題を再確認させてくれたことはアクション・プランの功績だと思います。
                     日経バイオテク副編集長 小田修司
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