昨日は横浜大学に取材に行ってきました。バイオエタノール生産・消費の経済的効果、温室効果ガス排出減少効果についての評価研究を取材するためです。研究を行っているのは同大の本藤教授と修士課程の菊地さんです。本藤先生と菊地さんは、環境省などのプロジェクトとして宮古島で行われた、バイオエタノールを生産し・E3ガソリンとして消費する実証実験を、第3者の目で評価しました。
 実験の内容については、ニュース記事として改めてアップしたいと思いますので、ご参照を。宮古島での実証実験では、経済的な効果や温室効果ガスの排出抑制効果は十分とまでは言えませんでしたが、効果をもっと大きくするためにの課題も浮かび上がってきたようです。
 石油燃料をバイオ燃料に変更した際どれくらい温室効果ガス排出抑制効果があるのかについて、統一の基準がなければ、どの技術が優れているのかわかりません。そこで「バイオ燃料の温室効果ガス削減効果に関するLCAガイドライン」が、今年3月に環境省から出されているのですが、これは算出がかなり複雑。「自治体レベルで効果の指標として使うには、やや使いにくい」とのことです。
 そこで、本藤先生と菊地さんは今回、やや厳密性には劣るがより簡便な方法で、経済性や温室効果ガスの削減効果を評価しました。
 バイオエタノールの生産技術の開発はもちろん大切です。一方、このような評価研究を合わせて進めていくことも、優れた技術を正当に評価する上でとても大切だと思いました。
 バイオ燃料の評価研究は、日本の大学ではあまり例がないとのことで、「今回の手法を使って、大阪市など、宮古島以外の地域で行われているバイオエタノールの実証実験の評価もやりたいのだけれど、人手が足りなくて」と本藤先生はおっしゃっていました。このような研究に、優秀な研究者が積極的に取り組んでいただければと思います。
          日経バイオテク副編集長 小田修司
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