今朝の日経新聞の1面トップに「中国、新エネに65兆円 10年かけ投資、環境と成長両立」という記事が載っていました。投資先の5本柱の1つは「バイオマス発電」とのこと。環境負荷が小さいエネルギーの普及促進は、日米欧の企業にとっての商機になる、という論調の記事でした。
 みなさんは、この記事を見てどう感じられましたか。私は、中国がインフラ整備をする際、単純に他国の商品を買いあさるとは思えませんでした。新エネ関連の研究への投資を大幅に増やし、独自技術を開発してその分野の覇権を目指すはず。日本の環境・エネルギー関連の企業、さらに研究者にとってはむしろピンチかも――。そんなことを考えました。
 今日、ある方とお話をしていて、たまたまこの記事に関連して、面白い話を聞かせていただきました。その方は公的研究機関の研究職で、10年ほど前に中国と共同研究をしたことがあるそうです。そのころはまだ、中国の研究環境は貧弱で、国からの研究資金もなかなか得られなかったようです。従って共同研究は、主に日本側が研究費を拠出して、日本主導で行ったとのことでした。
 しかし財政の逼迫で、日本では公的な研究費が年々得られにくくなっているのは周知のところ。特に、成果が見えにくい「ちょっと先を見た研究テーマ」で大きな資金を得ことは、今や至難のワザです。
 一方、最近の中国の事情。前述の方は、10年前に共同研究をした研究者と現在でも連絡をとられているそうで、「中国では今、面白いアイデアさえ出せば、競争資金が獲得できる。何かいいアイデアがあれば、また一緒に共同研究をしないか」といったオファーがあるのだそうです。もちろん今度は、中国の資金で、中国主導でというわけです。
 現在、バイオ関連予算について取材していますが、2011年度も日本の予算は厳しそうですね。今後10年間、環境・エネルギー分野で、日本から中国への頭脳流出が起こるかもしれません。
                  日経バイオテク副編集長 小田修司
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