先週末、函館に伺いまして、水産資源を利用した産業作りを進める人々のお話を拝聴しました。多くの方々が、水産の潜在力を信じて一丸となろうとしていらっしゃって、興味深く感じました。
 函館の方々は、海藻や魚介類の中を「メガベントス」と呼び、それらを人工的に産して、産業利用しようと奮闘しています。函館には、北海道大学の水産科学研究院を中心に、公立はこだて未来大学、函館工業高等専門学校、北海道立工業センターと、研究機関が充実しています。いずれの組織も水産科学を強みと捉え、重点的に研究開発に力を割いていると見受けられました。とりわけ北大の研究者らが、新しいアイデアを出しながら、いわば農業のように海藻を中心に大量に栽培しようとし、さらに付加価値の高い製品に加工しようと活発に動いているようでした。
 折しも、菅政権から、「新成長戦略」が発表されようとしています。その中では、日本の強みとする分野を「環境・エネルギー」「健康」など7分野に決めて、集中的に投資をしようと打ち出すようです。地域においても同様なのでしょう。函館は、水産を強みと見て、産学官が一体となって、雇用創出に取り組みます。
 函館のケースというのは、水産を核にしている点で独自性の高いものであり、全国を見渡してもほかにない目立ったものでしょう。既に、函館では売上高年間30億円超の事業が生み出されたといいますが、今後、さらなるポジティブな展開を見せるか注目されます。その成否は、分野特化の戦略の効果を知る上で試金石になりそうです。
 
                         バイオ部記者 星 良孝
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