ヤトロファの遺伝子組み換え研究開発で、目立った話題が出てきました。国内において、全ゲノムの解読が完了したこと、形質転換体の作製技術が向上していることです。遺伝子組み換えヤトロファの研究開発は、トウモロコシやダイズのような穀物とは異なり、海外でもまだ緒に付いたところのようで、日本勢の奮起に期待が持てます。
 奈良先端科学技術大学院大学の明石欣也助教とお会いしましたら、「ヤトロファは育種がほとんどなされておらず、品質向上の余地が大きくやりがいがある」と嬉々として話していらっしゃいまして、私にとっては印象的でした。遺伝子組み換え研究開発と並行して、在来種のヤトロファを求めて、インドネシアやアフリカのボツワナを訪問したということです。インドネシアのヤトロファはアフリカではうまく育たず、インドのヤトロファがアフリカでよく育った、というように個性が強いとのこと。明石氏らは、今後、世界で収集した品種を遺伝子組み換えによって、さらに強化していきたいと意気込みを語っていらっしゃいました。
 遺伝子組み換えヤトロファについて、「どこか商品として取り扱う企業が出てくるか」と伺っていましたが、日本の受け皿は十分ではないようです。ゼネコンやハウスメーカーなどで、関心を示すところもあるようですが、植物を本格的に商品にするとなると、片手間でやるというわけにはいきません。農業分野に特化した事業を起こす覚悟が求められます。
 今後の展開が注目されます。遺伝子組み換えの実用化は日本では遅れがちでしたが、バイオ燃料の分野では日本が国際的にも存在感を示していける可能性はありそうです。
                         バイオ部記者 星 良孝
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