超ミクロな構造物を顕微鏡で映し出す。しかも、静止画ではなく、動画として映像にしてしまう。そんな領域はまだまだ技術的に未発達、逆に言えば、技術の伸びしろが隠されたところのようです。
 本日、筑波大学の研究グループが開発した新たなミクロ動画撮影技術についてお伝えいたしました。光の反射を利用して、微生物の動態を映し出します。詳細は記事に譲るとして、実際に、撮影された動画を見ますと、実に細かく微生物の動きが観察できるので新鮮な思いがします。虫や鳥の集団が群れをなして行動すると、遠巻きに見て一つの生命体のように映ることがありますが、まさに近いものです。微生物が群れとなり、全体がスライム状に渾然一体となって動くのです。これは日本発の画期的な技術に位置付けられるでしょう。
 動画撮影は、世界にないモノが誕生する素地がありそうです。以前、東京大学の研究グループが、原子間力顕微鏡(atomic force microscopy、AFM)を利用して、セルロースが酵素で分解される様子を動画撮影したことを記事にしました。東京大学と金沢大学、オリンパスなどが、従来ない微細な道具を考案して、世界にない動画撮影を可能にしました。
 バイオはやはり微細な構造を見ることは重要です。研究開発のインフラとなる関連技術が日本から誕生することは、日本の研究開発力を高める上では重要と言えるのでしょう。このたびお伝えしました研究グループの共同研究が広がってくれば、新技術の存在感は世界的に広がってくるでしょう。
                         バイオ部記者 星 良孝
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