昨日、大阪大学の大竹久夫教授の研究グループが、新たな酵素固定化技術を発明したことをニュースとしてお伝えしました。
 酵素というのはたんぱく質から成り立ちます。微生物を利用して生産するのが基本で生産性を高めるのは容易ではありません。かといって、一度使った酵素を繰り返し使おうとしても、たんぱく質を安定的に回収することも難しいことです。ですから、酵素を何か別の物質に付着させることで、固定化して、回収しやすくする技術開発も進んでいます。既に、岡山大学の研究開発や韓国高麗大学の研究開発について、記事をお届けしたことがありました。
 このたび阪大と耐熱性酵素研究所が実現したのは、酵素を作り出した菌そのものの中に固定化してしまおうという画期的な手法です。微生物がいわば網のようになって、酵素を包み込むのです。酵素活性を持つカプセルが、バイオの力で作られるわけです。
 従来、酵素を生産する際は、酵素を作り出す微生物の成分は取り除く必要がありました。このたびの技術では、その精製の手間が必要となくなり、その意味でも生産コストを抑制できる可能性もあります。非常に面白い技術であり、工業利用が進むことが今から想定できそうです。
                         バイオ部記者 星 良孝
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