昨日の建国記念日は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の成果報告会に取材で伺いました。会場には200人を超える人々が集まり、祝日とは思えないほどの熱気が感じられました。次々と研究成果が発表されたのですが、報告者の方々から共通して、研究成果の手応えに対する自信を感じられたことが印象的でした。
 オンラインでニュースでお伝えしていきますが、例えば、三菱重工業の西山理郎氏は、水熱処理の連続分解装置の研究成果をご説明し、その中で、見事にグルコースが100%近くエタノールへと発酵されたというデータを示されていました。水熱処理は、操業コストやエネルギーの問題、過分解で生じる発酵阻害物質の存在と、ハードルの高さも指摘されます。三菱重工は40円/Lでバイオエタノールを生産するめどが付いたといい、まさに面目躍如の好成績でした。質疑では、会場から驚きにも似たコメントが上がっていました。
 自信は随所に感じ取ることができました。神戸大学の近藤昭彦教授は、発酵阻害を回避する仕組みを堂々と説明されていました。また、東京大学の鮫島正浩教授は、酵素糖化の速度を100倍にすると、野心的な目標を語っていました。そのほか、山口大学の耐熱性微生物による発酵研究、宮崎大学の大腸菌と酵母の両方を利用した共発酵の研究など、まさに成果というにふさわしい発表が続きました。
 日本の研究開発の最先端に「グッドニュース」が存在しています。もっとも、今回の発表内容は、基本的には08年度までの成果です。既に、企業や大学、研究機関では、最先端のさらに先に行っているわけです。「実用化」「工業化」が刻一刻と近づいているようです。
                         バイオ部記者 星良孝
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